パッケージの『ベタ印刷』は何故高い?

「印刷の言葉で聞くけれど、『ベタ』って何?値段が高くなるの?」

「見積書に記載されている印刷色数のところに『(ベタなし)』と書いてあるけれど、『ベタ』があったら追加料金が掛かるとか再見積とかってこと?」

このように聞かれることがよくあります。

『ベタ印刷』という言葉を聞いても、プロでなければピンとこないでしょう。

ただ、印刷に詳しい方や慣れている方、既に『ベタ』について知っている方になると、

「今回の案件は商品イメージ色で『ベタ』ありになる予定なので、そのつもりで見積りしてね」

なんて言ってくれたりもします。

今回はそんな『ベタ』についての話です。

ベタ印刷とは100%色が載っている状態

パッケージ印刷 『ベタ』とは何か?

まずは『ベタ』という言葉は何を、もしくはどんな状態を指しているのか、からです。

知らないという方でも、その言葉の語感から何となく判っている方もおられるかもしれません。また、漫画やイラストなどで塗り潰してある部分を『ベタ塗り』『ベタを塗る』と言うのを聞いたことがある方もおりますでしょうか。

そうです、ベッタリ塗るから『ベタ』なのです。

印刷において色の濃淡は小さな点々、網点の大小によって表現されます。

印刷用語としての『ベタ』とは基本的にはこの網点が100%、隙間なくインキがのっている状態を指します。隙間のない状態ですから、既に網点ではなく平らな版となります。ベタ部分は紙に対してインキが全て覆ってしまうため若干ツヤが出て見えますし、色も濃くくっきりとした表現となります。

1色のインキだけで100%塗り潰されている状態に限らず、100%の色同士を掛け合せた色により印刷されている場合も『ベタ』と呼びます。

ちなみに印刷とは別に、デザインの場合には濃度を問わず見た目が単色の部分は『ベタ』と呼ぶそうで、ちょっと紛らわしかったりします。

それでは何故『ベタ』は費用が余計に掛かるのでしょうか。

ベタ印刷が高い理由

パッケージ印刷 『ベタ』が高くなる理由とは?

『ベタ』は使用するインキの量が多いため、料金も高くなりがちです。

⇒  インキ沢山使うためインキ代が高くなる 〔判りやすいため理由としてよくこれだけが使われていたりもします〕

⇒  使用するインキ量が多くなると印刷トラブルの原因となりやすくなる

⇒ ⇒ 乾きが悪くなる

⇒ ⇒ ⇒  裏移り(重なっている紙の裏面にインキが付着)しやすくなる

⇒ ⇒ ⇒  ブロッキング(重ねた紙同士がくっつき、剥がすと傷に)も起きやすくなる

たとえば同じ商品を入れるための同じ形状の化粧箱を別々のデザインで特色3色で印刷した場合でも、デザイン次第で金額に違いが出てしまうということになります。見積の時点ではまだデザイン出来上がっていないなんてことは多々あることですから、いざ入稿して製造に仕掛ろうという時になって金額が上がってしまうこともありえるわけです。

なお、印刷トラブルを防ぐ意味では、さらにコストは増すものの「補色版」「2胴刷」「UV印刷指定」などをおすすめします。

ベタ印刷で気をつけたい2つのポイント

ベタ印刷で気をつけたいポイントは以下の2つです。

  • ゴースト
  • 用紙の種類

それぞれ見ていきましょう。

ゴースト

ベタ印刷をする際には、ゴーストに気をつける必要があります。

印刷におけるゴーストとは、印刷したときに色ムラが発生してしまう現象を指します。

ゴーストは、たとえば小窓がある箱等に発生しやすいものです。

ケイパックでは、ゴースト防止のために印刷面の外に試し刷りをしてからベタ印刷を行っています。

ゴーストをはじめとするパッケージ製造における様々な難関・敵については以下の記事で紹介してみましたので、気になる方はこちらもどうぞ↓
パッケージ製造に関する壁を乗り越える工夫を知る

用紙の種類

ベタ印刷に適さない用紙というものもあります。

適していない用紙を使うと、一部だけ色がのらない「ピンホール」が発生する等、きれいな仕上がりにならない可能性が高くなってしまいます。

ベタ印刷に適さない用紙とは、たとえば和紙のような凹凸がある紙です。

ベタ印刷をする予定があるなら、適した用紙を選びましょう。

パッケージのベタ印刷でお困りなら

『ベタ』にはご注意!!

ここまで、なんだかまるで『ベタ』を否定しているように感じた方もおられるかもしれません。でも実は、自身が商品を買う立場では『ベタ』の化粧箱というのはかなり好みだったりします(笑) とは言え、いろいろと難しい点を抱えているモノだとも認識しておりますが。。。

入稿・下版時になってほぼ全面『ベタ』印刷のデザインだったために、コストの面でお客様と印刷会社の間で問題になったなどという話も、新規お問合せいただいた際など、実際に耳にすることがあります。

パッケージの仕上がりの品質に関わってくることだけに、印刷トラブルが起きやすいという点も疎かには出来ません。

もしも『ベタ』で知りたいことやお困りのことなどある際には、是非とも我々ケイパックへご相談ください。

オリジナルパッケージのプロが誠心誠意対応させていただきます。
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