表面加工

紙箱を作成するにあたり、そのコスト算出において大きな影響を与えるのが原紙です。

箱の素材そのものであり、これ次第で見栄えや選択できる印刷方式が決まってしまうほど重要なものですが、これもやはり膨大な選択肢があります。
逆に、原紙のように箱を作成するにあたり必須と言えるものではなく、コスト次第で選択肢の幅があるものが付加価値となるのが表面加工です。

表⾯加⼯においては、美粧性とは別に化粧箱の表面をキズ・擦れや汚損から保護するという目的があるために最低限の表⾯保護はしておくべきですが、あくまで単価のみを追求されるのならば⾶ばしてしまっても良い加⼯とも言えます。

原紙・表面加工については、一つ一つ紹介していくには数が多すぎますので、ここではその中から特に流通の多いものを紹介いたします。

箱作成によく使われる原紙の銘柄

原紙銘柄

化粧箱(紙箱)を作成する際に最も多く使用されている原紙は白板紙と呼ばれるグループのものになります。
どのような紙かと言うと、表面あるいは表裏両面を白く塗工(コート)した原紙のことを指します。

この処理をすることでコート面に平滑性を与え印刷適正を高めております。

さてこのコート紙は原紙を作成する際に用いられる素材によって4つのランクに別れます。
それは以下の通り。

コートボール

その大部分が古紙(新聞や雑誌が多いようです)によって作られております。
表面はコート処理がなされていることもあり印刷適正もしっかりとありますが、裏面はねずみ色です。

使われている素材からもわかるようにコート紙のグループにおいて最も安価な紙であり、その流通量は非常に多いです、少し周りを見渡せば見つけることが出来ることでしょう。

特にお菓子やおもちゃなど、どちらかというと高級感を求められることの多くない箱によく用いられております。

カードB

コートボール同様そのほとんどが古紙によって作られている紙になりますが、裏面は『白色』で軽ーく塗工されています(※オモテ面のようなコートではありませんが、①スミ文字程度の印刷に対応するため、また ②古紙の使用によるゴミ(?)を目立たなくするため に微塗工が施されています)。

古紙が多いことからやはり値段的にはコートボールに次いで安価であり、あまり値段を掛けられないが最低限見栄えの良さが欲しいものや、両面を見せる必要のあるもの、あるいは両面に印刷をしたいときに用いられる原紙になります。

最低限の白さが保持されることからその用途は広く、ギフト箱や化粧品の箱、薬など清潔感が重要な箱にまで使用されます。
とはいえやはり古紙が多いために、面の白さや表面加工ののりの良さ、箱にしたときのしっかり感などは下記の銘柄に劣ると言わざるを得ません。
高級品や衛生品として使用する際にはその辺りをよく納得した上で選択される必要があるでしょう。

カードA

カードBからさらに古紙の配合率を抑えたもの。
古紙が少なくなったことで、より綺麗な白色に仕上がっております。加えて平滑性も良くなっているため印刷や表面加工の仕上がりも良くなります。
そのため高級品や清潔感が求められる箱などは基本的にはこのグループ以上がおススメとなります。

コートアイボリー

古紙を一切使用せずに作られる紙になります。
カードAよりもさらに白味が強く、印刷適正も表面加工への適正も強く、そして古紙を使用していないことから繊維が長いためコシが非常に強く、しっかりとした箱になります。

もちろんその値段は4つの中で最も高く、最高級の仕上がりを求める商品にこそふさわしい原紙です。

以上4つがコート紙のグループとなります。
商品の顧客層、求める品質、使用用途、それらを総合的に考え最も適した原紙を選択できれば、より満足度の高い箱として仕上がることでしょう。

紹介しきれません

もちろん上記以外にも原紙の種類は非常に多く、とても1つ1つは紹介しきれません。

 

板紙の分類

白塗装(コート)の代わりに赤や青など色を付けているノーコート紙、アルミ等を蒸着させた非常に高価や加工紙、耐水性・耐油性をもたせた機能紙などなど。

本当にたくさんの種類がありますので、目的やイメージ、予算等にも合わせてその都度私どもにアドバイスを求めていただけたらと存じます。どうぞお気軽にご相談ください。

原紙の厚み

板紙画像①

さて原紙の種類を紹介した以上はこちらも紹介しなければなりません。当然と言えば当然の話ですが原紙には様々な厚みがあります。

通常「厚紙」と呼ばれる原紙の厚みは、およそ0.3mm~0.6mmの中で5~6段階に分かれて設定されております(もちろん、原紙の種類・銘柄によっては全ての段階の紙があるわけではなく、「これを使用しよう!」と候補に選んだ原紙が、一番厚いもので0.5mmくらいまでしか製造されていないなんてこともありますので確認しておかなければいけません)。

厚みがあればあるほど頑丈な箱となりますので、これらの中から各々の商品にあった厚みを選ぶ必要があります。

中身である商品を保護することが箱の最も重要な役割であるならば、この厚みの選定も非常に重要な所。

0.3mm程度の厚みの紙では重量も大きさもある商品の保護を満足に果たすことは難しいと言えますし、とはいえあまり過剰に厚い紙を使うのも組み立て作業に対する負担となり時間と費用のロスにも繋がります。

また単純に商品がお客様の手元に届くまで守ってくれればそれで良いのか、届いてからも何度も使用して頂くことを想定するのかでも、要求される厚みは変わってきます。

ちなみに化粧品の箱などは薄く弱い箱(もちろん商品保護的には十分な上での表現です)よりもガッチリとしている方が高級感があることから、あえて厚めの紙を選択されることがあります。

表面加工の種類

『キャラメル箱』の使い方

冒頭でも触れましたように表面加工にもたくさんの種類があるため、ここでは特に流通の多い、一般的と言っても差し支えのない代表的なものを紹介させていただきます。

それぞれを紹介する前に、主な表面加工には基本的にグロス(艶出し)とマット(艶消し)の2種類があると申し上げておきます。グロスについては言葉が省略されていることも多いため、例えばニス引きの場合ですと「グロスニス」と「マットニス」がありますが、『グロス』は省略されて通常は「ニス」「マットニス」と表記されております。覚えておくと混乱がなくてよいかもしれません。

ニス引き (マットニス引き)

紙の表面にニスを引き印刷面を保護し、光沢感を付与する加工になります。
基本的に表面加工の中では最も安価で行え、かつ納期も一番早い加工になります。

なぜならニスはインキと同じに塗布することができますので、印刷工程の中に含めることができるため。
わざわざ印刷した(印刷を終えた)紙を他の部署や業者に移動させる手間と時間がかかりませんので、納期としては最も早い対応ができるというものです。

しかしこの加工は表面保護という観点からも、また光沢感を与えるという観点からも次から紹介するものより劣る最低限のものとなります。

これは使用する溶剤の問題というよりも高速回転する印刷機でインキと同じように塗布していることが理由と言われます。

オフセット印刷機は通常1時間に10000前後の回転速度で高速稼働しておりまして、表面加工を専門的に行う機械よりも早いのです。

そのため単純に紙面にニスを塗布できる量が少なく、そのために保護力や光沢感が他と比べて弱くなります。

しかしニスは他と違った強みもあります。
それは塗布する箇所としない箇所を版を作成することによって操作できるというもの。≪※注・・・他にも版を作成することで【あり】【なし】に分けることができる表面加工はありますが、ニス・マットニス以外の表面加工では、それに伴う版代が比較的に高くなることが多く、ニス・マットニスほど簡単に【あり】【なし】に分けるということが少ないです≫

印刷と同じくインキをローラーの上に散布し、それがブランケットを介して紙面に塗布されますので、印刷と同じようにアルミ版を作成してやることで、塗布する場所しない場所を分けられます。

例えば賞味期限など後ほど印字したいものがあるときはそのラインだけニスを避けさせることができますし、あるいは紙の風合いを損ないたくないときにはインキの乗っている柄部分だけに塗布することで紙の風合いを活かしつつ印刷部分の保護を行うことができるのです。

安く早いがその品質は最低限。しかしなにかと融通の利く加工といえるでしょう。

ニス引きには、マットニス引きもあります。コスト的にはマットニスの方が若干高めです。。。が、マット感があまり出にくいので、よりマット感を求められる場合には下記のマットビニールの方がオススメではあります。

ただ「版」を作らないといけない(=マットニスを抜かないといけない部分がある)等の理由がある場合は、マットニスになります。

ビニール引き・マットビニール引き

速乾性のニスを塩化ビニール系の合成樹脂に混ぜ合わせた溶剤を紙面に塗布するこの加工は、ニスよりも耐磨性が強く、さりとてニスに比べてもそれほど費用がかかるわけでもありませんので、箱表面の保護はしっかりと行いたいが光沢感はある程度でOK。それよりも費用を抑えたい。そういう場合に良いでしょう。
具体的にはインキの塗布量が多いベタ刷りを行う場合などはニスでは不安が残りますのでビニールを選択するといったものです。

癖が無く扱いやすい加工なので、光沢感などを求めるわけでは無いのなら基本的にビニールで見積もりを取り、デザインや単価の兼ね合い次第でニスを検討する。という方向性の方が品質面で良いでしょう。

ビニール引きにも、光沢のある(=グロス)ビニール と マットビニール引きがあります。コスト的にはマットビニールの方が若干高めです。

プレスコート

ここからは大きな付加価値が与えられます。費用もその分嵩みますが。

プレスコートは熱硬化樹脂を紙面に塗布し、その後で高熱のローラーに通す加工になります。
熱をもった鏡面ローラーで樹脂を塗布した紙に均等に圧を掛けることで、紙表面の平滑性を高めます。

そうして平滑性が高くなった紙は鏡のように光を反射するとても高い光沢感を持つようになるため、食品・日用品だけでなく化粧品用の箱を作成する際にも好まれる表面加工です。

化粧品が陳列している棚を少し見ればいくらでもこの加工がなされた箱を発見できることでしょう。

そしてこの加工は元々の平滑性が良ければ良いほどより高い光沢感を得られるので、上であげたようなカードAやアイボリー紙などを使えば紙そのものの平滑性も合わさって高品質な仕上がりが実現します。

逆にいうと元々の平滑性が悪いノーコートボールのような紙ではあまり高い効果は期待できません。

ちなみに・・・プレスコートについては、マットプレスコートというものはありません。

PP貼り・マットPP貼り

最後に紹介しますのがPP貼りです。

先にあげた3つはいずれも溶剤を塗布しておりましたが、こちらは紙面上に極薄のフィルムを貼りつけるというものになります。

そのため表面の保護力が非常に強く、加えてプレスコート同様非常に強い光沢感があり、それだけでなく耐水性や耐油性まであるため箱内面に貼れば食品の直置きにすら対応のできる非常に高品質な加工です。

ただもちろんというか当然というか、これだけ高品質な加工でありますので価格も他に比べて相応に…です。

PP貼りにも、光沢のある(=グロス)PP貼り と マットPP貼りがあります。コスト的はマットPP貼りの方が若干高めです。

落ち着いた雰囲気や重厚な印象を与えたい場合にはマットな加工を選ぶこともできるということも頭の片隅に残しておいていただければ役立つことでしょう。

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