失敗しないパッケージの作り方
≪原紙の選定方法編≫

オリジナル化粧箱・パッケージを作成するにあたって、初めて手配する方は
もちろん、慣れた方でも出来上がってから「あぁ、もっとこうしておけば!」
「(結果論として)コスト面を気にし過ぎた!」「想像と違う(何か変?)!」
という思いは誰しもしたくはありません。

そのためにも、オリジナル化粧箱・パッケージを作成するにあたり、
事前に知っておきたい・知っておくべき要素をまとめてみたいと思います。

ひとくちに『箱』といっても、それを作成する要素・要件は実に多岐に
渡っています。大まかな流れだけをみても、商品(中身)の決定後
→原紙の選定→形状確認→デザイン作成→色校正・確認→製造
となります。

(商品はお客様での決定事項になりますので)まずは最初の段階の
『原紙(材料)の選定方法』から考えていきましょう。

強度から考える

単紙のみで箱を作る

強度から考える

『箱』の一番の目的は、なんといっても商品保護です。
コピー用紙のようなペラペラの紙では箱は出来ませんし、かと言って
高級貴金属が段ボール箱に入っていても、かなりの違和感を感じる
ことでしょう。

何にでも適性・適度というものがあります。
食品・化粧品・文具・玩具等々比較的軽いもの・大きさの小さいもの
かつ、割れにくいものについては、単紙で充分です。

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ここで『単紙って?』という方のために少し補足をしておきます。
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単紙とは、1枚の紙のことで、箱を作成する際は通常『板紙』と
呼ばれる、厚さ0.3mm~0.6mmくらいの厚紙を使用します。
つまり、単紙のみで作るとは板紙1枚だけ(の厚み)を使用した
強度の箱を作るという意味です。
ちなみに反対語は『合紙』となり2枚以上の紙を貼り合せたもので
「板紙+板紙」や「板紙+薄紙」や「板紙+段ボール」になります。
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ただ、単紙といっても、単紙の中にも数段階に分かれた厚みがあります。
板紙にもグレードがあり(※板紙のグレードについては、また別途解説
致します)、若干異なりますが、以下はコートボールをベースに厚みの差に
ついて解説します。

板紙の厚さは『g/㎡』にて区別され、各々の実際の厚みは下記のように
① 270g/㎡  ・・・    約0.34mm
② 310g/㎡  ・・・    約0.40mm
③ 350g/㎡  ・・・    約0.44mm
④ 400g/㎡  ・・・    約0.50mm
⑤ 450g/㎡  ・・・    約0.57mm
となります(その他にもありますが、この5種類が一般的です)。

では、ある商品に対して、各々どの厚みの紙を使用すれば良いのか?
というと、「〇〇〇gまでがこの紙厚」という明確な基準はありません。
箱の形状にもあよりますし、作成される方の個人的な主観・企業様の
ポリシー等々が存在するのも事実です。

とは言っても・・・ということもあるので、ある程度の目安としては
① 270g/㎡
ハブラシ・鉛筆などの片手で包み見込めるほど小さく軽いもの
② 310g/㎡
50mm角のハンドクリーム程度、もしくはそれより多少大きくてもスナック
菓子レベルの軽めのもの
③ 350g/㎡
アイスのマルチパックのような1面が200mm角くらいあっても、比較的
箱自体の厚みが薄い、重量500gぐらいまでのもの
④ 400g/㎡
上記の③でも箱自体の厚みが60mm超の厚みのあるもの
⑤ 450g/㎡
重量が1kg弱までで一番短い「辺」の長さが100mm近くあるもの、または
商品を何個か入れる中箱(インナーカートン)

ザックリとではありますが、一応の目安としては上記のようなイメージに
なるかと思います。ただ、最初に申し上げましたが、箱の形状や「もっと
重厚感・高級感が欲しい」といった要望、「アフターユース可能なものに
したい」といった付加価値的要素等々御座いますので、上記より厚みを
UPさせることは問題ないかと思います(=コスト都合上、紙厚をDOWN
させるということも多々ありますが、第一目的の「商品保護」を毀損する
ことになるので、あまりオススメは出来ません)。

E段ボール貼合で箱を作る

E段ボール貼合で箱を作る

単紙では商品保護として充分ではないという場合はどうするか?という
と、単紙(1枚の紙)ではない合紙(2枚以上の紙を貼り合せた紙)したもの
を使用するということになります。

その場合、最もよく使用されるのは「板紙+段ボール」であり、その中
でも『E段』がよく使用されます。

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「板紙+板紙」&「板紙+薄紙」
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これらも、もちろん合紙ではありますが、これはどちらかというと
商品保護のための合紙ではなく、美粧性のための合紙という
場合が多いので、除外して考えていきます。
ちなみに、
「板紙+板紙」・・・段ボール素材を見せたくない。
「板紙+薄紙」・・・デザインとして薄紙自体の『柄』を活かしたい。
という理由がほとんどになります。
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ということで「板紙+段ボール」の話に戻り、まず『E段』とは何か?という
ことですが、『Eフルート』とも呼ばれ段ボールの厚みを表す言葉です。

①A段(Aフルート) ・・・ 約5.0mm厚
②B段(Bフルート) ・・・ 約3.0mm厚
③E段(Eフルート) ・・・ 約1.5mm厚
④F段(Fフルート) ・・・ 約1.0mm厚
⑤G段(Gフルート) ・・・ 約0.8mm厚
※AB段というものもあり、これは単純にA段とB段を合わせたもので
厚みも5+3=約8mm厚となり、『W(ダブル)段』とも呼ばれます。

F段・G段というものも増えてますが、使用理由はほぼE段と同じですので、
以下にはE段貼合について触れていきます。

「商品保護」の趣旨でのE段貼合ですから、単紙の450g/㎡では強度的に
不足するものに対して使用するので、目安としては重量が1kgを超える
もの、大きさの大きいものに使用されます。

また、波状の中芯がある段ボール素材なのでクッション性=緩衝性に
優れているため、日本酒・ワインといったガラス製の割れやすいものにも
多く使われています。

ちなみに、段ボールに貼合する板紙については、(裏ねずの)コートボール
が使用されるのが一般的です。その理由は、①段ボールを貼り合せるので
紙の裏が見えなくなるため裏白でなくても良い。②そもそも段ボール素材
を使用するということで、板紙についても高級な板紙を使用する意味がない
ということが上げられます。

但し、ここで注意しなければならないのが、段ボール合紙した場合に
板紙(=コートボール)のオモテ面に『段目』が浮き上がるということです。
ので、板紙(=コートボール)の厚さは310g/㎡を使用することが一般的
ではありますが、段目が気になるようであれば、それ以上の厚みを使用
されることをオススメします。また、逆に段目は気にしない、それよりコスト
優先という場合には270g/㎡の使用を考えられてもいいかもしれません。
ただ、310g/㎡に比べ、270g/㎡の方が原紙寸法の種類が少ないので、
場合によっては310g/㎡を使用した方が安いということもありえますので
決定される前に、両方の見積を取って比較する必要はあります。

なお、化粧品のように壊れやすいビン製だが、美粧性は保ちたいという
場合には、段ボール貼合ではなく、化粧箱は板紙単紙で作成し、その中
に緩衝材として段ボールでの中仕切を作成するというように、化粧箱と
中仕切を各々別々に作成する方法もあります。

B段ボール貼合で箱を作る

B段ボール貼合で箱を作る

さて、E段以上の強度ということになるとB段ということになります。
化粧箱にB段を使用することは非常に少なくはありますが、1つの目安と
しては、そのままでもなんとか発送に耐えられるレベルの強度と考えて
頂ければと思います。
贈答箱や機器類等々B段貼合紙を使用する場合は、そのくらい『強度』を
必要とするものなので、中仕切も使用する(作成する)ものがほとんどに
なります。

なお、それ以上のA段・AB段は、外装段ボールのレベルと考えて頂いて
差し支えありません。

さて、ここまで段ボールの厚みについて触れてきましたが、段ボール原紙
自体についても強度に差異があります。
段ボール原紙は3層構造になっているのはご覧頂ければお分かり頂ける
かと思いますが、真ん中の波状の部分(=中芯)を両側からサンドウィッチ
したように紙が貼られていますが、この両側の紙を『ライナー』呼び、一般的
には、C5・K5・K6・K7の4種類があり、下記のようなにK7の方がより強度が
あります。
C5 < K5 < K6 < K7

もっと詳しく解説しますと・・・

C5 → 古紙率が90%以上と非常に高く、160g/㎡の用紙
K5 → C5よりは古紙率が低く、170g/㎡の用紙
K6 → 同上で、210g/㎡の用紙
K7 → 同上で、280g/㎡の用紙
※古紙率が低い方が硬いので、Cライナーより、Kライナーの方が強度的
優位性があると言えます。
※「〇〇〇g/㎡」というのは板紙と同じで、1㎡あたりの重さであるので、
同素材であれば重量が重ければ重いほど、紙厚も厚くなり強度的優位性
があると言えます。

しかしながら、化粧箱を作成するにあたっては、そこまで気にする必要も
なく、ほぼ「C5」で問題ありません。また、裏面に段ボール地(=クラフト色)
を出したくない場合は、このライナーを「白5」と指定頂ければ大丈夫です。

クオリティから考える

高級品か低価格帯商品か

高級品か低価格帯商品か

やはり何にでも適性・適度というものがあります。もちろん化粧箱・パッケージもそうです。売価100円~200円の商材が、桐箱に入っていてもおかしいでしょうし、逆に10,000円超の高級化粧品が無地の透明袋に入って吊下げられていても誰にもその高価さが伝わらないでしょう。

なので、中身の商品の売価設定から原紙を選定していく必要があります。

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ここで、まずは原紙(=板紙)の種類について
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①  コートボール
新聞リサイクル等々の古紙率が非常に高く、裏がねずみ
色なのが特徴です。表面はコートされているので印刷適
性は問題ありませんが、表層以外古紙のため表面にも古
紙のグレー感が若干残ります。ただ、古紙率が高い分、
環境適性の高い紙ともいえるでしょう。
②  カードB
簡単にいえばコートボールの裏面を白く漂白したような
紙です。ので、カードBも古紙率は非常に高いですが裏
面が白い分だけコートボールよりは高級感が出ます。
③  カードA
繊維質の短い古紙が少ないのでコシがあり割れにくく、
また古紙率が低いため、白色度も増しますし平滑性も高
くなります。白色度・平滑性が高ければ印刷の再現性も
UPしますし、特に平滑性でいえば、PPラミのような
表面加工をほどこした際にコートボール・カードBと比
べた時に、その際は顕著になります。
④  コートアイボリー
純パルプ100%で、カードAで挙げた特性がより強く
なります。(※コートアイボリーより、高級な『加工紙』
については別途)
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菓子・冷凍食品(アイスのマルチパック等含)・文具・玩具・日用雑貨等々売価500円以下のものは「コートボール」を使用されることが多いですし、板紙の中で最もよく使用されている原紙です。
もちろん売価が低価格だからこそ、資材となる『箱・パッケージ』に費用がかけられないというのも大きな理由の1つですが、一般消費者さまに『高級感を与えなくても良い』もしくは『高級感を与えてはいけない』商品には「コートボール」が適しているといえます。

逆に、化粧品に代表されるように、一般消費者様に『高級感を与えないといけない』商材については「コートアイボリー」を使用されることをオススメします。

「カードA」「カードB」については、その中間的なものとしか表現できませんが、商品の特性・売り方、そして(資材にかけられる)コスト都合によって考えられるとよいかと思います。

例えば・・・

・菓子だけど、他とは差別化したい・ちょっとグレードの高いバージョンを作りたいという場合は、「コートボール」→「カードB」にランクUP

・化粧品だけど、ターゲットを20代の(まだ高い化粧品を買いにくいという)年齢層に!という場合は、「コートアイボリー」→「カードA」or「カードB」ランクにグレードDownしても問題ないでしょう。

また・・・

・低価格商品だけど、(台紙のような)紙の裏面にも印刷をする場合、視認性の問題から、「コートボール」→「カードB」に変更した方が良いということもあるでしょう。

等々、1つ1つを見ていくとキリがありませんが、1つ1つについて相談出来る良きパートナー(=印刷会社)を得ることが最善の方法ですね。

ただ、一応、覚えておいた方が良いと思うクオリティレベルとして、

コートボール < カードB < カードA < コートアイボリーの順番で・・・

・白色度が高くなり、印刷の再現性が高くなります。
・平滑性が高くなり、(印刷面でもそうですが)特に表面加工の
仕上りがキレイになります。
・古紙含有率が低くなるので、コシの強い紙になります(同じ紙
厚であれば手に取った時に「シッカリ感」が強くなります)。
・古紙含有率が低くなるので、「紙粉」等が出にくくなり、その
影響による不具合品の発生率が低くなります。
・そしてもちろん、値段は高くなります。

中身を見せるか見せないか

中身を見せるか見せないか

箱・パッケージの役割の1つに「商品訴求力」があります。これは、いかに商品を手に取ってもらうか?という「アイキャッチ性」とは少し異なり、「その商品がどんなものなのかを伝える力」のことです。
「商品訴求力」のためには、もちろん中身の現物が見えることが一番だと思いますし、現物が見えることはそのまま「アイキャッチ性」にもなります。

その場合は、いままで解説させて頂いていた板紙でのパッケージではむずかしいので、樹脂製の透明パッケージとなります。
(もちろん、板紙のパッケージに窓穴を付けて中身を見せるという方法もありますが、これは技法上のことで、今回のテーマは『材料の選定』のため割愛させて頂きます。)

素材は、大きく分けて『PP(ポリプロピレン)』と『PET(ポリエチレンテレフタレート)』になります(以前は『PVC(ポリ塩化ビニール)』もよく使用されていましたが、現在ではほとんど使用されておりません)。

特徴としましては、PPの方がPETにくらべ軟らかく・透明度が若干劣る(逆にいうと、PETの方がPPより、硬度があり・透明度が高い)と言えます。値段的にはPETの方が高価になります。

この透明パッケージを使用する場合、装飾方法は次の3通りが考えられます。
① 透明パッケージに直接印刷する。
② 印刷した台紙等々を別で作成し、透明パッケージの中に入れる。
③ 透明パッケージの外側に帯等を巻く、もしくは、穴あきの箱(紙製)の中に透明パッケージを入れる(板紙に窓穴をあける場合に比べ、窓部分の大きさ・形状等々の自由度が増します)。

その他にも、商品そのもの全体を見せるという方法については、
・(印刷台紙と一緒に)PP袋に入れる。
・ブリスターパックに入れる。
・シュリンク包装する。
等々があります。

(商品自体を見せることが『商品訴求力』UPに繋がるとはいえ、それがそのまま『販売力』UPに繋がるとは言えませんが)アイキャッチ性を持たせる1つの手段であるのは間違いありませんので、パッケージを考える際の1つの選択肢として頂ければと思います。

こだわりがあるかないか

こだわりがあるかないか

板紙の説明の際、コートアイボリーより高い『加工紙』がありますという話をさせて頂きましたが、『材料の選定』という部分でこだわっていくと、この『加工紙』という部分に行き当たります。

結論から言いますと・・・・・『パッケージ屋さんに聞いて下さい』となります。

どいういうことかと言いますと、それくらい数多くあり過ぎて書ききれないとうことです。。。とは言え、一例だけでもお伝え出来ればと思います。

パッケージ全体をピカピカにしたいという場合は、ホイル紙を使用します。ただ、ホイル紙にもグレードがあり、ベースの紙をどれにするかによっても光沢度(=厳密に言うと、ベース紙自体の平滑度によってホイル紙の平滑度が変わるので、それによって生じる反射率の差)が変わります。

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「ベース紙」とは?
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ホイル紙は、紙にアルミホイルを貼り合せた用紙です
が、このアルミホイルを貼り合せる紙を『ベース紙』
と言います。このベース紙を(板紙の中では)先述の
コートボール・カードB・カードA・コートアイボリー
の中から選び、それによってホイル紙の仕上感が異なり
ます。
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もっとピカピカにという場合は、PET蒸着紙というものがあります。これらもベース紙によって仕上りが異なりますし、PETの方も12μタイプなのか、25μタイプなのかによって仕上り感が異なります。

ホイル紙には、マットタイプもありますし、エンボスが入ったものもあります。

余談ですが、これらの用紙を使用して、わざわざ全面に「白色」を印刷するという場合もあります。もちろん一部分については「白色」を印刷しないことによって紙地を活かすわけですが、「白色」を印刷した部分も通常の板紙と比べて、また異なった風合いを出します。

化粧品関係に多いのですが、キャストコート紙を使用してさらに表面加工をする場合もあります。キャストコート紙とは、簡単に言えば通常の板紙にプレスコートをほどこしたような紙です。
そのキャストコート紙を使用して、印刷後再度プレスコート(orPPラミ)をするなら、価格的に見ても通常の板紙を使用して、印刷後にプレスコート(orPPラミ)をすれば良いではないか?と思われるかもしれませんが、そこがこだわりなのですね。2種を比べれば、やはりキャストコート紙を使用した場合の方がキレイです。

自然派・オーガニックをうたわれる方は、ナチュラル系の素材を好まれます。残念ながら、板紙のなかでは、そういう風合いのある紙は少ないです(とは言っても、あくまで薄紙と比べればであり、ある程度のものは板紙でも揃っています)。
しかしながら、合紙という方法があるので、薄紙の中でどうしても気に入った素材があれば、それを板紙に合紙すれば、パッケージ用の素材として使用することが出来ます。

ので、大げさに言えば無限に近いほどの選択肢が存在することになりますので、こだわってこだわって素材を追求したい場合は、そのこだわりを余すことなく『パッケージ屋さん』にお伝えされれば、きっとそれに見合う素材が見つかることと思います。

失敗しない(形状編)
≪形状の決定方法編≫

まずは、オーソドックスな形状の名称を列挙させて頂きます。

① サック箱(キャラメル箱)
② 底地獄箱(底組み式箱)
③ 横底貼箱(底ワンタッチ箱)
④ 四隅貼箱
⑤ 吊り下げ用ヘッター付箱
⑤  蓋・身 式組立て箱
各々の展開図については、弊社ホームページの形状一覧ページをご覧頂き、これらの名称と展開を頭に入れておいて下さい。

中身の商品から考える

商品に合わせる

商品に合わせる

一言でいえば「ピッタリサイズ」の化粧箱・パッケージを作成する」ということです。天地・左右・奥行すべて中身の商品にあわせて採寸することによって、中身を固定し、破損、コスレ等々を防止します。

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ちなみに・・・「W」「D」「H」って?
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化粧箱・パッケージでは「W」「D」「H」で寸法を表します。
例えば・・・
W 70×D 40×H 130㎜ または  70W×40D×130H mm
*「W」「D」「H」は各々小文字で表すことも多いです。

W=Width (Wide) ・・・ 幅
D=Depth ・・・ 奥行き
H=Height ・・・ 高さ
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中身に合わせて採寸するのは当たり前ですよね。ただ、ビン・ボトルのような固形物であれば当たり前の話ではありますが、薬や健康食品・飲料用の粉末等々の袋ものではどうでしょうか?
また、そのほとんどが1包入ということはありませんので、10包用・30包用等々の複数になった場合「ピッタリサイズ」といえども1包づつを抵抗なく抜き取れるくらいの入れ方にするのか? ガサガサとしないように、隙間なくギッシリ入れるのか?によっても寸法は変わってきますね。

中身に合わせて化粧箱・パッケージを作成する場合、注意点としては、複数個入れる場合や袋状のもの等々寸法(特に厚み)が不安定なものについては、「入れ方」についても考える必要があるということです。

そして、もっと大切なことは必ず「現物で採寸する(させる)」ことです。さらにいうと、仮に30包入れの箱を作成する場合は、30包の現物を用意する必要があります。必ず中に入れるものすべてを準備してください。

よく「1包」だけをお渡しになり『これが20包入る箱を作って!』と言われることがあります。正直これでは良い化粧箱・パッケージを作ることは出来ません。これで、確認もしないまま最後まで進んでしまえば、必ず『もう少し小さくても(or大きくても)良かったかな?』というような結果を招きます。

ただ、
『中身が出来上がるのを待ってからでは箱が間に合わない(箱を作っている時間がない)』ということも、多々あります。似た話はいくらでもありますので、よく承知しております(笑)

とはいえ、
極力早い段階で、最終の「現物」で寸法チェックをして下さい。場合によっては、それからでも修正が間に合うこともありますので。もちろん、デザインも修正する必要が発生する等々、コスト負担がともなうことも遅くなればなるほど発生確率は高まりますし金額も大きくなってきます。ので、極力早い段階で、最終の「現物」で寸法チェックをして下さい。

置き場所に合わせる

置き場所に合わせる

最近は通信販売も増えてきましたので、店頭に並ばない商品も増えてきましたが、それでも店頭に並んで、実際に手に取って頂く商品の方がまだまだ多いと思います。

では、その場合、どのように商品が置かれるのか(=陳列されるのか)?を考えなければなりません。ギフトコーナーの詰め合わせギフトの身蓋箱が並んでいる中で、ポツンとキャラメル箱が置いてあっても安っぽく見られてしまうでしょうし、フック掛けして売ろうと思っているのに、吊り下げ用のヘッダー(フック穴)がないなんてバカな話はないですよね?

かなり大げさな話になりましたが、つまりはそういうことです。実際に最終のお客様が手に取られる「場所」をイメージして化粧箱の形状を決めていきましょう。

・棚の上に置かれるか(=下から見上げる位置に置かれるか?)
・棚の下に置かれるか(=上から見下ろす位置に置かれるか?)
・棚の下部がテーブル・台のようになっている場合に平置きされるか?

によっても、見え方・見せ方は変わってきます。
しかしながら、置かれる店によっても上記のような位置は変わってくるでしょうし、同じ店でも期間とともに場所が移っていくかもしれません。

ので、ここまでの絞り込みは必要ないかもしれませんが、逆に上記の3パターンくらいは、どこに置かれても問題ないような形状を想定しておくと良いでしょう。

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通信販売の置き場所?
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冒頭に、通信販売の場合は店頭に並ばない=置き場所が
ないというようなこともありましたが・・・
実は、通信販売の商品にも置き場所はあります。それは、
チラシやネット上にのせる写真です。
通信販売では現物の写真が売れ行きを大きく左右します。
ので、一番良く見える位置・角度・見せ方を考慮すると
いう意味では、掲示場所=置き場所といえるのではない
でしょうか?
もちろん中身の商品のみでパッケージは載せないという
残酷なことをされる場合は、この限りではございません
が(笑)
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商品の見せ方にあわせる

商品の見せ方にあわせる

まずはじめに覚えておかないといけないのは、コストアップになるということです。どの商品でも、たて・よこ・高さの立方体に入れると考えた場合天面・正面・側面の一番幅が狭く・面積が小さいところをフタにした方が一番効率よく化粧箱・パッケージは作成することが出来ます。

つまりは、商品がもっとも見えにくい面積の部分から出し入れすることが化粧箱・パッケージのコストを抑える最大の要因の1つです。

ですから、開けた時にどのように見えるかという「商品の見せ方」にこだわれば、その分、効率の悪い作り方になるので当然コストはUPします。

誤解のないように言っておきますがコストUPするので「商品の見せ方」にこだわるのはよくないですよと言っているわけではありません。むしろ、「商品の見せ方」にこだわって化粧箱・パッケージを作成することは良いことだと思います。それは、コストUPしても良いだけの『商品』であると理解しますし、それだけの付加価値がある『商品』であるはずですから。

そして、付加価値のある商品であるからこそ、見せ方にこだわった箱にすることによって、さらに付加価値が高まるという結果にもなるからです。

ということで、「商品の見せ方」ですが、大きく『高級感』と『希少性』の2種類に分けられるかと思います。

① 高級感

形状で高級感を出す場合には、1つは大きくするという方法があります。もちろん、ただ単純に大きくするだけでは寸法が合わないガタガタの箱になってしまうので本末転倒です。そこで、大きくなってもガタつかないように中仕切を作って、中身の商品を動かないようにする・倒れないようにするというようにします。そして、その中仕切を付けることが自体が高級感を増すということにもなります。

次に、コストを抑えるのとは逆で、一番大きな面を開けるようにするという方法もあります。開けた瞬間中身の商品全体が見える方法です。この時も中仕切を付けるとより効果があります。またこの時の中仕切の役割は、より「見せる」という部分を必要とし、斜めにすることも出来るでしょうし、複数個(あるいは、複数の商品)であるなら、バランス良く配置することも可能です。

そして、形状で高級感が出る最たるものは身蓋の箱でしょうか?
いわゆるギフト箱・贈答箱ですね。この名称からもすでに高級感が出せることを証明しているといってもいいでしょう。

この身蓋箱でも、額付きタイプや、インロー式、身の高さを商品の半分くらいすることで、開けた時に商品が飛び出しているように見せる方法等々、色々と方法はあります。

② 希少性

違う言い方をするとアイキャッチ性の高いパッケージと言い換えることが出来るかと思います。もっと大雑把に言うと四角くない箱と言えばよいでしょうか(ちょっと大雑把に過ぎますが(笑))。

いっとき話題になりました高級ポッキーもそうですし、スーパー・コンビニ等々見ていただければ、お菓子の箱やカレーの箱など、若干丸みを帯びさせたり、角をとったような箱も多くあると思います。

これらはそのほとんどが他の物との差別化をはかることで、少しでもアイキャッチ性を高め、手に取ってもらう確率を高め、売上を伸ばそう=より多くの方に購入してもらおうということですね。

そして、形状で希少性を出す最たるものはお土産品でしょうか?
穴が必要以上に空いている箱・変に歪んでいる箱・やたらイビツな形の箱、そして、船型・車型・動物型色々な形状がありますね。極論を言ってしまえば化粧箱の1面だけを伸ばして平面のみ表現するなら、どんな形状でも可能になります。

なぜ、土産物に変わった形状が多いかというと、もちろん渡す相手を喜ばせたい、笑わせたい、感動させたいという『ザ・おみやげ』的な要素も多いですが、作り手側の最大の意図はやはりアイキャッチですね。

特にツアーなどでは、買い物時間が制限されていることも多いです。そしてそんな時ほど皆が殺到するので、その時間だけは超込み込みです。
そんな時には考えている暇よりも、目に入ったものを掴んでレジに駆け込むということも多い・・・・・かもしれません。

もしかしたら、希少性の高さを求める風潮が増していけば、真四角の形状がもっとも希少性の高い形状に・・・・・は多分ならないでしょう(笑)

 

作業性から考える

化粧箱・パッケージの形状を決定するにあたり、ここまで(上記にて)解説しました中身の商品ありきというのはもちろん当然のことではありますが、我々化粧箱・パッケージメーカーで箱を作成してから、最終ユーザー様のお手元に届くまでには、実に多くのポイントを通過し、場合によっては、北海道で作られた箱が沖縄の手元に届くことも実際にあるでしょうし海外に出ていくこともあるでしょう。

そう考えると、距離的にも長~い長~い旅に出かけるといっても過言ではありません。ここからはその過程も想像しながら考えて頂ければと思います。

手詰めか機械充填か?

手詰めか機械充填か?

我々化粧箱・パッケージメーカーで作られた箱がまず届けられるのは、中身の商品の充填先です。なので、その充填先での充填方法が決定されていなければ化粧箱の形状は決められません。そこで、最も注意しなければならないのは、「機械充填」の場合です。

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カルトナーとは?
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自動製函機のことで、文字通り自動で箱(=函)を製作
する機械のことで、ここでいう「製作」とは、箱を組み
立てる・箱を起こして封緘する・量産するという意味です。
なので、箱に中身の商品を自動で充填する機械のことも、
ギフトの身蓋函のように組立まで行う機械もカルトナー
と呼びます。
ちなみに、ある程度汎用性を持たせたカルトナーがほと
んどですがある商品に特化した完全特注カルトナーもあ
りますし、ノリ貼りをしていない箱の展開状態から充填
完了までできるカルトナーもあります。
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「機械充填」の場合、カルトナーの設定にあった形状・寸法にする必要があります。

例えば、中身の商品的には厚みが33㎜がちょうど良いという場合でも、カルトナー仕様が35㎜以上にしか対応していない場合は、多少ガタつくことを許容して35㎜厚にせざるを得ません。また、フラップの形状等々も角度調節する必要がある場合もありますし、ホットメルト位置や印字部分を考慮した形状にする必要がある場合もあります。

どちらにしても、カルトナーにかける化粧箱・パッケージを作成する場合は、事前に試作を行い、形状的に問題ないかのテストが必要になります。
(※ちなみに、機械上の「すべり」の問題もありますので、本番同仕様の表面加工を施したもので試作をすることが必要な場合もあります)

次に「手詰め(=手作業)」の場合ですが、この場合は、先程の『フラップの角度』を微妙に調節するというような形状の細部にこだわるということはほぼありません。手作業なので、どのような形状・仕様にも対応可能ということが出来ます。

なので、折り紙のような複雑な形状にすることも可能でしょうし、ヒモを通す・リボンをかける・アイキャッチシールを貼るというようなことも可能で、非常に自由度の高いパッケージ作成が出来ます。

コスト比較から考える

コスト比較から考える

形状での「コスト比較」といった場合、ほとんどが「手詰め(=手作業)」時のことが多く、中でも複雑な仕様・付加価値の高い仕様というよりは、AパターンとBパターンとどっちが良いか?ということが多いです。

最も代表的なものが下記の2点です。
①【A】底組み(底ジゴク)タイプor【B】底ワンタッチ(底貼り)タイプ
②【A】完全組立タイプの組函or【B】両サイド貼タイプの組函

どちらも【A】の方がパッケージ自体のコストは安いです。
しかし、その分、箱の状態にするのに手間がかかるということですね。

したがって、
・【A】と【B】の化粧箱・パッケージ自体のコスト差額
・【A】と【B】の組立にかかるコスト差額
上記を比較検証し、トータルコストを算出することによって形状を決定する必要があります。

ここで1点アドバイスとしては『迷ったら【B】を選択!』ということをお伝えしたいと思います。
スポット商材の場合は、トータルコスト算出で@0.10円でも安い方を選択することに異論はないかと思いますし、そもそもその場合は迷ったりされないでしょうから除外するとして、迷われるのはリピート時のことを考えて【A】【B】どちらにしようか迷うということがほとんだと思います。

そして初回ロットは、損益を考えた場合の最低ロットという場合が多いですよね。であるならば、リピート時に初回ロットを下回るという可能性は低いということになります。
また迷われるということは、【A】or【B】どちらの場合もトータルコスト的に、それほど大きな差異はない(というか、【B】より【A】の方がトータル的に若干安い)ということでもあると思います。

化粧箱・パッケージ自体のコストの特徴として、ロットが大きくなればなるほど【A】と【B】の1個単価差額は縮まります。かつ、小ロットであればあるほど、少しロットが増えただけで【A】と【B】の1個単価差額の縮小幅は大きいです。

その一方、組立コストについてはロットの大小にかかわらず【A】【B】の1個あたりコストは変わりにくく、【A】と【B】の差額自体はほとんど変わりません。

簡単にいいますと、少しでもロットが増えれば簡単に【A】のトータルコストより【B】のトータルコストが安くなるということですね。だからこそ『迷ったら【B】を選択!』ということになります。

梱包・流通経路も考慮

梱包・流通経路も考慮

充填先から店舗に届くまでには、輸送しなければなりません。また店舗に届いたなら、商品を陳列させねばなりません。
こういったところから、色々奇抜なアイデアをご提案させて頂いても、最終的にはオーソドックスは直方体の化粧箱・パッケージに落ち着くことが多いのも事実です。

我々も何度も経験しております。

お客様のご担当者さまにはとても喜ばれたご提案(=もちろん、ご担当者さまのご意向を受けて、見せ方の違う形状をご提案させて頂いたもの)も、充填担当・物流担当等々の他のセクションの方々との話し合いの中でなくなっていくということが・・・

どういうことかというと、オーソドックスな直方体の形状が、最も効率よく外装に梱包することが出来、隙間もでずに破損のリスクも少なく、陳列する際も、無駄なスペースを取らなくても済むということなんですね。

また、外装に梱包することについて、もっと言うと、ただ単純に入れにくいということだけではなく、緩衝材が必要になったり、入り数を減らさざるを得なくなったりと、直接的・間接的にコストUPにもつながるということですね。

なので、化粧箱・パッケージを作成する場合は、オーソドックスな直方体の形状にしましょう!!・・・・・・・と言っているわけではありません(笑)

確かに、変わった形状というのは、上記のようなデメリットもありますが、より多く売れる可能性もあり、より多く売れることによりデメリットをカバーしてあまりあるだけのメリットが生まれることもあります。

したがいまして、是非とも色々な形状に挑戦して頂きたいですし、そのためには、最終消費者さまのお手元に届くまでのシミュレーションをして頂き、事前に、考えられるデメリットに対しての『社内向けの説明』をしっかり考えておくことが、必要な準備の1つと言えるのではないでしょうか?

デザイン(図柄)から考える

形状をデザインに合わせる

形状をデザインに合わせる

形状をデザインに合わせるって、そんな後先逆みたいな!と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

家型・車型・イルカ型から、東京スカイツリー型まで、さまざまの形状が全国の名所ごとに必ずと言っていいほどあるはずです。現在、私の手元にも富士山型の箱があります(笑)

これらは全てデザインありきです。
もちろん完全にデザイン通りに完成したものは少ないとしても、まずデザインがあって、それをどこまで再現出来るか?ということで形状が決められていったのだと思います。まさに『形状をデザインに合わせる』ですね。

もっとオーバーなことを言うと、雑誌の付録等々で台紙に切り取り線がついていて、それらを何パーツも何パーツも切って貼って組み立てて電車が完成!船が完成!さらに複雑なものだとロボットが完成!なんてことがなかったでしょうか??

これらも全てデザインありきですね。
『おもちゃ』と『商品パッケージ』を一緒にするなと怒られそうですが、確かに、かなり複雑な商品パッケージとなると【現実的に!】難しいのかもしれませんが、絶対無理ということもないかもしれませんね・・・時間とお金さえあれば。

そうなんです。そこまでお金も時間もかけられない、だから、初めから考えないということが多いのではないでしょうか?

しかしながら、先程も少し触れましたが『どこまで再現できるか?』を考えることも出来るのですから、まずは大胆にオリジナルの形状でも・何かを模倣することでも構わないので、自由な発想で『こんな化粧箱出来ないかな?』と考えてみて下さい。そして、そこからはプロの出番です。私どものようなパッケージの専門家に素直に・率直にご相談頂き、求める形状を探りあてて行くという方法もあります。

ちなみに、その場合の1つの良い方法として『一部を切り取る』という視点をご提案させて頂きます。例えば、「車」をイメージさせるとした場合、全体を再現するよりも、タイヤのみを再現するとか・フロントガラス付近のみを再現するとかでも「車」をイメージさせられるかもしれないですよね。そう考えれば色々と案も浮かびやすいのではないでしょうか?

デザインを形状に合わせる

デザインを形状に合わせる

『デザインから形状を考える』と言うお題に対して一見矛盾に思えるタイトルではありますが・・・ここはあえて言わせて頂きますと、化粧箱・パッケージの形状は、大半が直方体である!と。

こう言ってしまうと、『形状を考える』ということに対して身も蓋もないことになってしまうのですが、先述の通り、コスト・耐久性・流通性等々を考えた際、現実的に直方体になるパッケージがほとんどであるということも事実ではあります。

そこで、直方体という前提で色々とデザインを考えてみるのも1つの方法ではないかということです。

例えば・・・①
店頭で商品を購入した際、ギフト包装ということで、リボンを掛けて頂くことがあるかと思いますが、あらかじめデザイン(=印刷)でリボン掛けしているように見せるというのも良いかもしれません。

例えば・・・②
直方体でも全面正方形の立方体であれば、サイコロのデザインを入れて見たまんまのサイコロにしても良いかもしれません。

例えば・・・③
マンガの単行本の背表紙で、数巻順番に並べると1つの絵になる(こち亀・ドラゴンボールのように・・・う~ん、懐かしい(笑))ものがありますよね?このような発想もありかもしれません。。。まぁ、パッケージとしては、あまり見かけませんが。

このように、直方体を生かしたデザインを考えられないか?ということで、そこから【W・D・H】の比率を決めたり、キャラメル箱or底ワンタッチ 等々の形状を決めたりするのも1つの方法ではないかと思います。

売場・競合との比較

売場・競合との比較

『敵を知り、己を知れば百戦危うからず』ということで、やはり商品を売る・買って頂くためには、競合他社の製品を知る必要があります。

他社商品のほとんどが金箔を使い、光沢紙を使いと高級感出している中に一般的な『カラー4色印刷+ニス』では、やはり見劣りしてしまい、資材としてコストダウンを図れたとしても、それ以上に売れ行きがおちれば本末転倒になってしまいます。

逆に、直方体ばかりのところに、変形のパッケージが1つだけあれば、それだけで目立ち、手に取って頂ける確率も上がることでしょう。

大げさなことを言うと、周りが華やか・きらびやかなパッケージの中に、モノクロのパッケージがあれば、それはそれで目立つかもしれません。(あくまで、大げさな話であり、よっぽど洗練された秀逸なデザインでなければ、このパターンは成功しないと思われますのでオススメは致しません)

したがって、まず大事なのは『見劣りしない』ということ。ここを踏まえず、ただ奇抜さだけを追い求めると目を背けられる一因となります。そして、その上で『目立つ=高いアイキャッチ性を持たせる』ことが出来れば良い結果が出せることでしょう。

だからこそ、『売り場・競合との比較』ということで、どういった形状が多いのか?どういったデザインが多いのか?どういった加工が多いのか??といった、市場調査を踏まえて(形状という意味も含めた)パッケージデザインを考えてみることがとても重要になります。

≪加工内容の決定方法編≫

その前に、覚えておいて頂きたいのが印刷の種類です。
印刷方式には大きく分けて下記の4種類があります。
『平版印刷』
『凸版印刷』
『凹版印刷』
『孔版印刷』

この中で、弊社では『平版印刷』であるオフセット印刷を扱っておりますので以下にはオフセット印刷についての解説とさせて頂きます。

印刷内容を考える

データ作成時の注意点

データ作成時の注意点

 

オフセット印刷に際して、印刷のハンコとなるPS版を作成(刷版)しなければなりませんが、そのPS版を作るためにデータを作る必要があります。版下と呼ばれるものですね。

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懐かしいアナログ版下(?)
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今では、データをメディア入稿、あるいはメール入稿が
当たり前の時代になりましたが、1990年代まではアナロ
グ版下が存在し私自身も実際に持ち運んでおりましたので
技術革新のスピードには驚かされるばかりです。
版下がデータでやりとりされる以前は、紙の台紙に写植し
た文字や図柄の紙焼きを1枚1枚貼っていき、それを撮影
することによって印刷フィルムを作成していたのですね。
しかも、そのただ切り貼りしてある版下をお客様のもとに
運んで版の確認をして頂くわけですが、本当に1つ1つの
文字・図柄を貼ってあるだけなので、校了を頂いた後の移
動中に剥がれたり・曲がったりしたら・・・・・・今では
考えるだけでも怖いですね(笑)
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印刷用のデータはイラストレーター&フォトショップにて作成するわけですがそのソフトを扱う技術上の点は別として、見た目でわかる注意点を何点か列挙させて頂きます。

①  塗足しの付け方

チラシのようなA4ペラとかなら、周囲の4方向すべて3mmづつデザインを大き目に付けます。パッケージも基本はこれと同じで外周にデザインを伸ばしてもらえばいいのですが、難しいのが『形状が複雑』ということです。また、箱にした際に見えなくなる部分(のりしろ部分や各種フラップ)の扱いも難しいです。また通常の塗足し以上に仕上トンボ内全面に塗足しを伸ばした方が良い時もあります。

ので、よく分らないという場合のポイントは『極力大きく広く』塗足しを付けておくということです。あとは印刷屋さんが何とかしてくれます(笑)

一番悪いのが『仕上罫ピッタリでデザインを止めてしまうこと』です。そしてリンク画像も『必要な部分のみ切り取った画像を入れておくこと』です。印刷屋さんとしては、『削る』ことはできても『付け足す』ことが出来ないことがあるからです。

しかしながら、やはり完全データを作れるように少しづつでも知識を増やしていかれる方が良いでしょう。印刷屋さんに任せるということは、データ加工をお願いするということですので、その分費用は余計に掛かるということになりますので。ので、どういう場合に、45度カットにすべきか?底の塗足しを付けるべきかどうか?サイドフラップ・差し込みフラップにはどうように塗足しを付けるべきか?等々、都度都度、印刷屋さんに確認して少しづつ覚えていかれることをオススメします。それほど多くはないと思いますので。

② デザイン位置

まずもって、最終の型データを印刷屋さんにもらって、それに合わせてデザインを落とし込むというのは最低条件ですね。

しかしながら、形状が最後の最後に「あと1mm変えて!」ということが、ままあります。たった1mmされど1mmです。まったく影響がない場合もありますが、大きな影響を受けることも多いです。

『1mmだから大丈夫だろ』と思っておられるかどうかは別として、例え少しでも形状が変わったのなら、その変わった最終の型データをもらって、そこにデザインを落とし込むようにしてください。

図面は平面なので「あまり影響はないだろう」と思えるような部分でも、実際に箱に組み立ててみれば「こんなことになるの?」ということが、よくあります。ので、デザインは最終の型データにのせること。そして、デザインしたものを出力してご自身で箱に組み上げるところまで出来れば、なお良いですね。

まぁ、ここまでは基本中の基本で、先にも述べましたように最低条件です。次にお気を付け頂きたいデザイン位置が、「罫線からの距離」です。箱全面に、あるいは面と面にわたって続いている背景のようなものは別として、文字等々切れてはいけないものは、極力罫線から3mm以上離して頂くことをオススメします。

1つは、まず実際の罫線自体が1.0mmくらいの太さがあるということです。デザイン上の罫線が0.1mm程度で明示されていれば、その左右0.45mmづつはすでに罫線にかかっているということです。
もう1つは、紙の伸縮等により、技術では回避できないズレがどうしても発生する場合があるということです。塗足しを3mm付けるというのと近いものですね。塗足しとは、そもそもズレても構わないためにつけるものであり、それが3mmであるのですから、デザインも罫線から3mm離した方が無難です。

とは言っても、実際に3mmもズレてしまったらその化粧箱・パッケージは間違いなく『不良品』として扱われることでしょう。
それでもなお、3mm離した方が良いと私が思う最後の理由が『バランス』です。先に述べた通り、物理的にどうしてもズレてしまう場合があるわけなので、そうなった場合に少しでもリスクを回避する方法を考えておいた方がいいのでは?ということです。

例えば、ある面の両サイドに2mmの余白があるとします。その際、0.5mmのズレが生じた場合、片方は1.5㎜の余白になり、もう片方は2.5㎜の余白になります。この差はバランスが悪く見えますよね。

仮に、元々3mmの余白だった場合、2.5㎜と3.5㎜になるわけですね。これならバランスが良い。。。。。とは申しませんが、まだマシですよね。

しかしながら、法令で表記しなければならない文言が多くなり、表記しなければならない文字の大きさも決まっているということで、スペース的に難しいというケースが増えているのも事実です。

ので、極力罫線から離した位置にデザインするということを心掛け、出来ることなら3mm以上を目安に!ということを覚えておいて頂ければと思います。

③ リサイクルマークを入れましょう。

リサイクルマーク導入からずいぶん経過していることもあり、かなり浸透してきておりますので、少なくなってはきましたが、やはりまだ「リサイクルマークをいれるのを忘れてた」という時があります。

これは、消費者がゴミを分別する際に分りやすいようにという意図で導入されたものなので、消費者の手元に届かないようなものはリサイクルマークを入れなくてよいものもあります。

しかし、それらのものも「入れてはいけない」ということでもないので、どんなものにもリサイクルマークを入れておくのが無難でしょう。・・・・・本来の主旨である、消費者様が実際どこまでリサイクルマークを見ているか?気にしているか?は甚だ疑問ではありますが、法律ですのでシッカリと守りましょう。

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リサイクルマークの大きさ
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印刷の場合→6mm以上
型押しの場合→8mm以上
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④ アウトライン化

文字化けをさせない。データを触らせない。ということで、アウトライン化をして入稿されるお客様も多いですし、アウトラインPDFとしてデータ全体を変えられないようなデータで入稿されるお客様もいらっしゃいます。

それはそれで構わないのですが、パッケージの場合、先程の塗足しの件や、『カブセ処理』等々よほど手慣れた方でないと、本当にそのまま使用出来るデータというのはなかなか作成出来ないのが現実です。すなわち印刷会社側で何かしらの修正を加えることが多いということです。

しかしながら、アウトラインが掛かっているデータであれば・・・ということです。ので、入稿時アウトライン化される場合は、アウトライン化する前の生データと一緒に入稿された方がよろしいかと思います。

⑤ 組み立ててみましょう!

デザインしたデータを実際に出力して、切って貼って組み立てましょう!オモテ裏が逆・天地が逆・のりしろ内にデザイン(実際に貼ったら見えなくなる位置にデザイン)されている等々、たま~に見かけます(笑)

印刷はカラーか? 特色か?

印刷はカラーか? 特色か?

印刷の際、その色数によって金額が変わってくるのはご存知の通りで1色より2色印刷、2色より3色印刷の方がコストUPになります。なので、特色を使用する場合は、コストと比較して何色分の色数が使用可能かを判断する必要があります。

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特殊色
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特色のなかでも特殊な色というものがあり、仮に
『特殊色』とさせて頂きますが、『金』・『銀』・
『白』・『蛍光』等々がこれにあたります。
特殊色だけにインキ自体が高いため(それ以外にも
印刷難易度のUPもあり)印刷代も高いです。一般
的には2色分に相当と考えて頂ければと思います。
また、似たような意味合いで、ベタ柄の印刷の場合
は使用するインキ量が増えるため(こちらも、印刷
難易度UPという要素も含みますが)印刷代がUP
する場合があります。これはデザインにより異なり
ますが、1.5色~2色分と考えられます。
ただ、昨今ではベタ柄割り増しは、とらなくなった
印刷会社さんも多いです。
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カラー印刷では、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(ブラック)なので、当然4色印刷になります。特色の4色とカラー4色ではどちらの方が高いか?というと、厳密にいうと特色4色の方が高いですが、今では4色は4色ということで、同価格としている印刷会社さんがほとんどであると思います。

では、どういうときにカラー印刷にするのか?特色印刷にするのか?なのですが、まず第一に写真・画像等使用される場合は、カラー4色にせざるを得ません。また、たくさんの色を使いたい場合、その1つ1つを特色にて印刷すると値段的にも・機械的にも難しいので、掛け合わせで表現する場合は、カラー印刷ですね(=一応、CMYKの4色でほとんどの色が再現できると言われております)。

逆に、特色を使う時はどういう時かというと、大きく分けると下記の2点になるかと思います。
① コストダウン
② こだわりの色

①は極力色数を使いたくないということですね。②については、企業ロゴなどで指定の色があるという場合や、キレイな色にしたい場合ですね。先程、カラー4色でほとんどの色が再現出来るとしましたが、『ほとんど近い色』という方が正確な表現で、掛け合わせで再現した色は、特色を使用したものに比べると、やはり濁っているというか、きたないというか。。。特に、薄い色・淡い色、そしてCMYKの中間色(例えばMYの中間色はオレンジになります)は、特色の方が断然キレイな色が出せます。

問題は写真も使いたいけど、色にもこだわりたいという場合です。これはもう皆さんお分かりだと思いますが・・・・・カラー4色+特色ということになります。

表面加工内容を考える

オーソドックスなものも大事です

オーソドックスなものも大事です

まずは、その種類として一般的には下記のものになります。
① ニス  &  マットニス
② ビニール  &  マットビニール
③ プレスコート
④ UVコート
⑤ PPラミネート  &  マットPPラミ

そして、お客様の関心の高いべスト3の比較順位は下記になります。ただし、グロスはグロスどうし、マットはマットどうしの比較としてになります。

※値段の高いのは?
【安】 ① < ② < ③ < ④ < ⑤ 【高】
(但し、③と④は価格差はそれほどありませんが、のり貼りする場合は④の方は版代が必要になるので)

※輝度(orマット感)が高いのは?
【低】 ① < ② < ③ = ④ < ⑤ 【高】
(③と④は、その評価が分かれます。③の方が良いという方もいれば、④が良いという方も。ので、同等レベルとさせて頂きました。ただ、平滑性で言えば、③の方が平滑性に優れています。)

※耐摩擦性に優れているのは?
【弱】 ① < ② < ③ < ④ < ⑤ 【強】

色々な表面加工

色々な表面加工

≪ハーフマット≫
マットビニールについて、「指紋がつきやすい」「傷がつきやすい」と感じられている方もいらっしゃるかと思います。
必ずしも、マットビニールだけの原因ではなくても、ご自身が製品を立ち上げた際に、そういったトラブルがあると不安になって選択しにくい表面加工になってしまうこともままあります。
そんな時には『ハーフマット』を一度試されてみてはいかがでしょうか?

これは、ビニール溶剤に強化剤を合わせることにより、傷に強く・指紋がつきにくくなります(あくまで、マットビニールに対しての相対評価です)。ただ、デメリットとしては、若干マット感が劣ります。ので、マットビニールレベルのマット感でも満足できない場合は、難しいとは思います。

≪マイクロエンボス≫ 
そもそもエンボスとは、柄を彫刻した版を用いて圧を加えることにより、原紙に凸凹の模様を付ける加工になりますが、この凸凹を細かくすることにより、超微細なデザインを表現する加工をマイクロエンボスと言います。

ただ、このマイクロエンボスは微細な凹凸を表現するがゆえに、一般的な白い板紙にこの加工を施しても、ほとんど分かりません。強いて言うなら、スミ等々の濃い色を印刷したうえであれば、効果はある程度出ます。

ので、このマイクロエンボスはホイル紙・蒸着紙等々のピカピカ光る紙に使用されることをオススメします。非常に美しい輝きを表現できます。

マイクロエンボス

マイクロエンボスについても、多種在版がありますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

≪ベルベットフィルム≫
マットPPラミを超えるマット感。絹のようなしっとりとした質感。もう印刷物ではないかのようです。
残念ながら、画像ではお伝え出来ないのがつらいです。
残念ながら、コスト的にも高価なことがつらいです。
が、
一度、ご覧になられて損はなし!お気軽にお問い合わせください。

【番外編】グラビアパール

グラビアパール

表面加工ではありませんが、と言いますか、逆に通常の印刷の前段階のことですので、表面加工どころか、前処理加工になりますね。しかしながら、もし、ご存じでなければ是非この機会に覚えて頂ければ幸いです。

「高級感を出すためにパール紙を使いたい」という方も多いかと思います。しかし、ズバリこれ!というパール感というのは難しいかもしれません。もう少し、ピンクっぽい方が・・・・。グリーンのパールが良いのだが・・・。等々があるでしょう。

また、もしピッタリのパール感であっても、ベースの原紙が、もう少しグレードの高い紙が・・・・。もう少し、厚い紙が・・・・。ということがあるかもしれません。

そんな時にはグラビアパールです。
・好みの色に調節が可能です。
・強度的に、質的に、問題ない原紙の選定が可能です。

ただ、値段が・・・・・と思われるかもしれませんが、コスト的に見てもパール紙と比較しても大差ないと思われますし、ロットが大きければ(といっても、無茶苦茶な量ではないです)グラビアパールの方が安いくらいです。もちろん、逆にロットが少なければ高くなる可能性も大です。

その境界線は、その商品の大きさ等々にもよりますので、一概には言えませんが、3,000ヶ~5,000ヶ以上作成される場合は、一度見積をとってみるのもいいかもしれません。

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ちなみに、フレキソパールというのも
あります。メリットとしては、環境に
やさしい(エコ)です。デメリットと
しては、グラビアパールに比べ、若干
パール感が落ちます。
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まとめ

【原紙の選定方法】・【形状の決定方法】・【加工内容の決定方法】と化粧箱・パッケージを作成する順番で解説させて頂きました。

もちろん、これが全てという訳ではありませんが、少しでもお役に立てれば幸いです・・・・・いかがでしたでしょうか?(笑)

もっと聞きたいということであれば、まだまだお伝えできることもあるかと思いますので、お気軽に下記よりお問合せ下さい。