当社のホームページをご覧になって頂いたら、一目で印刷紙器を製造をしている会社だと分かるのですが、あえてこんなお題にしてみました。(笑)
ホームページを見られた方からの問い合わせで、結構多い問い合わせが既成箱の販売はしておられますか?なのです。
勿論、箱の製造・販売に携わっておりますので、お問い合わせには全く問題はないのですが・・。結論から言うと、当社は既製品の箱の販売はしておらず、一品一様のオリジナルの箱を製造し販売している印刷紙器メーカーなのです。
規格寸法の既成箱を検討されるお客様のお考えも理解できますし、オリジナル箱の魅力もお伝えしたい・・・、そんな箱に纏わるお話と箱以外も製造・販売もしている事について少し綴ってみたいと思います。
既成箱販売とオリジナル箱の製造・販売の違い
既成箱のメリットは、必要な時に必要な数だけ購入でき、100個くらいまでの極小ロットでも気軽に購入できるところにあります。これは商品販売においてスタート時の販売数量が読めない時に、最初から包装資材に大きな金額をかけたくない場合や、元々販売数量が少なく多くの包装資材が必要でない場合において有効かと思われますが、反面、内容物に対してジャストフィットするサイズがなく、商品充填時に緩衝材等の詰め物をしたりする手間が掛かったり、印刷されている箱でもオリジナリティーがなく、訴求効果や美称性に乏しいというデメリットもあります。
オリジナル箱のメリット、デメリットはその逆になり、内容物に対して構造設計するのでサイズ感があり、また内容に対して箱を大きなものにしたい場合でも、中仕切り等の付属部材も同時製造できる為、お客様の要望に応じた寸法構造の箱が出来ますし、オリジナルのデザインを施すことで他社との差別化やアイキャッチ性の高い箱が出来上がるのです。
ただ、少ないロットでは箱単価は上がってしまいますし、初期費用として製版費用や抜き型費用がかかってしまうので、包装資材に掛かる費用は大きなものとなります。
となれば、既成箱、オリジナル箱どちらにすればいいのかは、購入数量とオリジナル効果が大きなポイントとなります。
まず数量的な部分で言うと、1000個あたりが一つ目安になるかと思われます。
既成箱は在庫販売をする為、生産数量に対する箱単価に大きく在庫負担費用を乗せていると思われます。100個程度の数量では適正価格かも知れませんが、1000個を超えてくると、オリジナル箱と大きく変わりがない場合も多く、また、それを超えてくるとオリジナル箱の方が安価になる事も多いのです。
初期費用の製版代、抜き型代は、他にはないオリジナルの箱に対する費用対効果を考え、安いか高いかを判断されると良いのではと思います。
1000個以上の箱であれば、その充填作業性や訴求効果、他社との差別化等からオリジナルの箱をお勧めしたいと思います。
小ロットの箱の製造・販売に纏わる話
上記に数量と単価の話をしましたが、小ロットの箱単価が高くなるのには理由があります。それは印刷、抜き加工、貼り加工とも作業費用として最低工賃が設定されいるからです。
これは実質作業時間として加工に費やす時間とその準備に掛かる時間とを考え、例えば100枚加工する時間は10~15分程度のものでも、その準備に掛かる時間は30分~1時間とすると加工時間だけで価格設定してしまうと割に合わない仕事となってしまうのです。
そこで、ある程度の数量までは最低工賃を設けています。このある程度の数量が100枚でも1,000枚でも加工賃が一緒の仕組みです。我々はこの最低工賃を機械1台に掛かる費用として、台数計算と呼び加工費計算しているののです。
例えば、100個の箱を作るのに、印刷、抜き、貼り共に最低工賃が20,000円とすれば、20,000×3台=60,000円となり1000個でも同価格とすれば、100個の加工単価は600円になり1000個の加工単価60円と、1/10になるのです。
勿論、使用する原紙の数量が違う為、その箱単価は単純に比較できませんが、概ね小ロットの単価が跳ね上がるのはこの仕組みになっているからなのです。
余談ですが、我々の規模の印刷紙器会社では、100万個、200万個という仕事があった場合、その箱単価はほとんど変わらないのです。それは、1日にこなせる加工数が20万個とすると、100万個で5日間200万個で10日間ということになり、1日に掛かる加工費は逆にこれも固定されてしまう為、数量メリットが出せなくなってしまうのです。
少し話しはずれましたが、小ロットの単価の仕組みを理解していただければ、箱をどれくらいの単価で購入したいか提示し、それには製造ロットがどれくらい必要で・・・、と逆算出来るのです。ただこれはそうした方がいいという訳ではなくご自身の購入する箱の単価と、製造ロットの関係が分かりやすくなり、適正数量、適正価格が見えやすくなるという話なのです。
小ロットでのパッケージ制作事例を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
パッケージ制作を小ロットでおこなう方法を知る
箱以外も製造・販売しています!!
当社ホームページでは、やはり印刷紙器がメインとなっており、お問い合わせも箱関連のものがほとんどなんですが、当社は箱以外にも多くのものを製造・販売しております。その一つにブリスター台紙が上げられます。
台紙に関しましては、歯ブラシ台紙を筆頭に、一般ブリスター台紙も数多く手がけており、当社のもう一つの軸となっています。
また、外注委託となりますが、ブリスターフィルムの成型品や充填作業までもこなしている商品もあり、一からお探しであれば是非ともお声がけして頂ければ幸いです。それ以外にも、店頭POPや厚紙製品であれば手広く製造・販売しており、何かご相談がありましたらご連絡お待ちしております。
購買意欲を上げたり、店内の雰囲気を良くしたりする効果のあるPOPのことを知りたい方は、以下の記事にも目を通してみてください。
POPの概要を知る
たくさんのお問い合わせを頂く中、ご質問の多かった既成箱と小ロットについて少し書き連ねましたが、これ以外にも色々とお問い合わせを頂いております。
当社に加工できるようなもであれば、是非ともお声をかけてくださいませ。