化粧箱の印刷に表面加工は大切な要素です!!
化粧箱を印刷するにあたって、表面加工はとても大きな役割を果たします。

それは表面の保護であったり、デザイン効果の増長であったりします。

印刷面のキズは美観を損なうだけではなく、成分表示や注意事項の文字欠けを起こす要因となることもあり、それは製造工程にだけのことではなく、輸送、商品陳列まで考えてキズから守らなければなりません。

また、印刷のデザイン効果をさらに引き上げるのも表面加工です。

同じ商品群が並んでいる売り場で他のもに比べて輝いていれば、お客様へのアピール度は上がりますし、逆にシックに落ち着いた艶消し感は高級感を纏い、商品のイメージをUPさせるには打って付けの手法かも知れません。

そんな表面加工について今回は綴ってみようと思います。

表面加工の目的は化粧箱の印刷表面保護

化粧箱の印刷表面保護が目的

表面加工の主たる役割は表面保護です。

ただ化粧箱の表面を守るといっても、程度によって加工方法も違います。

簡易で安価な方法としては、ニス引きが挙げられます。

これは印刷工程の中でニスインキを刷るので、工程も余分に費やすことはなく、また印刷1色分の価格なので安価に抑えられる事がメリットですが、耐摩性は他の表面加工より低く、色インキの押さえと軽い擦れ保護程度となります。

ビニール引きやプレスコートといった、印刷工程とは別工程で加工する表面加工は、コート剤の塗布量も多い為、耐摩性はニスに比べて随分上がります。特にプレスコートはコート剤を塗布した後に、鏡面の圧胴を高温で押しあてる為、ビニール引きよりも強いとされています。

コート剤を塗布する方法ではなく、フィルムを貼り合わせる表面加工もあり、その素材別に、PP貼り(ポリプロピレン)、PET貼り(ポリエチレンテレフタレート)と呼ばれています。これは表面自体をフィルムで覆ってしまうので、表面保護の観点からは最も耐摩性に優れているといえます。

そもそもニスのメリットがわからない方や使うべきか悩んでいる方は、ニス加工について学んだ方が判断しやすいでしょう。
気になる方はニス加工に関する記事を読んでみてください。

ニス加工についてもっと詳しく知る

主たる表面加工を表面保護の程度からご説明しましたが、ここで少し触れておかなければならない事があります。

それは、表面保護は印刷表面の保護の事であり、各々の表面加工自体のキズにおいては耐摩性よりも目に映ることが重要となり、例えばビニール引きとマットビニール引きで、ビニール引きは光沢があり小さなキズがあっても、印刷面は保護されているし、表面キズもあまり目立たないのですが、マットビニールの場合はマット剤(光を乱反射させる粒子)がキズつくと、同じく印刷面は保護できていても目に映るキズが目立ち、明らかにキズであると認識されてしまうのです。

これはマット調(艶消し)の中にグロス(艶)が出現するので、余計に目立ってしまうのです。

これが耐摩性の強くないグロスニス、マットニスではその可能性は強くなり、マットニスの擦れには十分な注意が必要となります。

このように印刷表面が保護されていても、言葉はおかしいですが表面加工の表面は時として目立ちやすいキズが発生するという事なのです。

それぞれの適性と耐摩性を考えて、表面加工を選ばなければなりません。
また、今紹介した内容以外にも表面加工には注意点があります。

表面加工で失敗したくない方は「パッケージの表面加工 もろもろ(注意点も含め)」という記事をぜひ読んでみてください。

表面加工で化粧箱の印刷イメージをさらにUPする

化粧箱の印刷イメージをさらにUPする

表面加工における役割は表面保護だけではなく、光沢(グロス)を持たせたり、逆に艶消し(マット)にしたりと、化粧箱のイメージをより際立たせる効果があります。

光沢を出すのは印刷面(紙面)をより平滑にすることによって生み出されます。

簡単に言うと、光の屈折がより一定の方向に向けば光沢は上がります。

それは凸凹の印刷面をコートする層が厚く、平滑であればあるほど光沢が高くなり、一般的に、ニス<ビニール引き<プレスコート<フィルム貼り、と光沢が上がっていきます。

プレスコートは前述したように、コート剤を塗布した後に、鏡面の圧胴を高温で押しあて、鏡面を転写することにより平滑性を出して光沢を上げる、フィルム貼りはもとより高平滑な素材であり、しかも厚みがある為に、印刷面の凸凹が一切表面には出てこないので、高光沢となるのです。

一昔前の医薬品の化粧箱は、清潔さのイメージをより前に押し出す為、プレスコートをした箱がとても多く、それは現在にも引き継がれています。さらに化粧品の箱となるとプレスコートは勿論の事、さらに高級感を持たせる為にフィルム貼りの化粧箱が多く、清潔感、美粧性、高級感、というイメージには光沢を持たせる表面加工は不可欠なのです。

またマット調の表面加工は、光を乱反射する粒子(マット剤)を入れたコート剤で表面加工するのですが、これは平滑な原紙の上に加工する方がよりシックな感じに仕上がります。

これまたおかしな言葉ですが、光の規則正しい乱反射がより綺麗に見せるのです。

マットの仕上がりは、自然、落ち着き、大人、というイメージを上げる効果があり競合の他商品と差をつける為に、わざとマット調にする事も多いようです。

化粧箱の印刷デザインをより引き立てる、グロス、マット、使わない手はないですよね。

表面加工をひと工夫した化粧箱の印刷の勧め

表面加工をひと工夫した化粧箱の印刷の勧め

化粧箱の印刷における表面加工の効用について書き進めましたが、これらの事を複合的に組み合わせれば、印刷デザインとしての手法が取れます。

それはグロスとマットの表面加工をして、グロス感を際立たせる、マットの柄を目立たせるというような事ができるのです。

この手法は今までこのブログにも何度か記述されているのですが、それはグロスニス、マットニスの組み合わせであったり、UVクリアコートとUVマットニスの組み合わせであったりしたのです。

グロスニス、マットニスの組合せでは、安価に抑えれれるというメリットは在るのですが、マットの調子がいまひとつ得られず、その対比としてグロス感が上がって来ないという悩みがありました。またUVクリアコートではそのグロス感は非常に高く、マットニスとの組み合わせでもコントラストがはっきりして綺麗な仕上がりになるのですが、UV印刷であるという事とUVクリアーの版が高額なこともあり、小ロットや低価格帯の商品には、梱包資材の費用としての捻出が難しいのが現状です。

実は直近でお客様にこの相談を受けて、費用をあまりかけずにマット、グロスのコントラストがはっきりする手法にトライしたのです。結果は良好でお客様にも喜ばれ、”これは中々使えるぞ!!”と感じたので、是非とも同じようなお悩みをお持ちでしたら、ご連絡ください。

・・・その内容は書かないのかって?

書くほどの大した事でもないのですが、少しばかりの注意事項もあるので・・・

それは直接お問い合わせくださいませ!!

化粧箱の印刷には色々な要素がありノウハウがあります。

究極のコストダウンも、唯一無二の加工方法もありますが、そのどちらもが我々パッケージメーカーの使命であり、やりがいです。

私達のノウハウと機動力が、どれくらいお客様のお力になるか分かりませんが、何かお困りの事、ご要望がありましたら是非ともご一報下されば幸いです。