箱の制作に大事な表面加工/『ニス』についての話

箱を製作するにあたって、表面加工はつきものです。

それは印刷面を保護するという意味合いで重要な役割を果たし、美粧性という意味で効果が求められます。

表面保護にも程度があり、印刷面を守る程度なのか、商品陳列等による起こるキズを極力なくしたいのかで、表面加工の選択も変わってきます。

勿論、美粧性の要望の高さからも同じことが言え、より艶やかにを求めるとその選択はランクアップしていってしまいます。

包材として中々費用を掛けれない状態で、表面加工をどうするかは悩まし問題となります。

そんな中で選択される事が多い、ニスについて今回は綴ってみようと思います。

ニスの経済性と納期

ニスの経済性と納期

 

表面加工のなかで選ばれる事の多いニス、そこには理由があります。

それは印刷工程の中で施せる表面加工だからです。

費用としては、印刷度数1色分の追加で済ますし工程も増えないので納期短縮につながります。ですがこの中にも色々な要因が関わり、安価でも大きな納期短縮にもならない事もあるんです。

例えば箱の制作の場合、キャラメル箱のサイド貼りやワンタッチ底貼りのように貼り工程があるものは、ニスの上には貼る為の糊が浸透しないという事から、印刷時に版を作成して、糊しろの部分だけをニスがのらないように抜かなければなりません。そうなると印刷費用と版の作成がかかるのですが、小ロットの場合、印刷代の最低料金(台数計算といい、100枚でも1000枚でもある程度の加工数までは最低加工賃が必要となる)と版代が掛かってしまいます。

しかし、ビニール引きというニスよりも光沢も強度も強い表面加工では、その最低加工数量設定が低く、しかも加工枚数に対しての費用計算となる為、ニス加工よりもビニール引きが安価になるとい逆転現象が起こってしまうのです。

また制作納期についてニス引きは、印刷工程の中で施せるから納期短縮になると書きましたが、印刷機は4色機が多く、それは印刷表現としてシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックという4原色で印刷をする事が多い為なのですが、これにニスを足すと5色計算となり、4色機では一度4色で印刷した後にニスの印刷だけをしなければならないので、印刷工程が倍になってしまため、数量の多い印刷加工では、時間のロスも大きなものとなります。

ただ、当社は5色機を持ち印刷加工しているので、4色+ニスの印刷でも一工程で加工出来ることを書き加えておきます(笑)

一般的な数量ではニス加工は、最も安価で、短納期な表面加工になりまが、表面保護性はもっとも弱い為、強い表面保護を望まれるのであれば、ビニール引きやプレスコート、フィルム貼りという表面加工になるのです。

次章ではそのあたりについて書いてみたいと思います。

水性ニスの利点

水性ニスの利点

 

当社では箱の製造が多く耐摩性を求められる事が多い為、一般的なグロスニスではなく、耐摩ニスを使用しています。これはグロス感は落ちますが耐摩性が上がるので、それなりの効果はあるのですが、印刷インキによる表面加工なので皮膜層が薄く、表面加工の中では表面保護性(耐摩性)は低くなってしまいます。

ビニール引きは比較的安価な上、ニスよりも耐摩性が強いので採用される事が多く、ニスと並ぶポピュラーな表面加工です。

ビニール引きとは印刷面の上にビニール樹脂を塗工するのそう呼ばれるのですが、以前は溶剤系の原料だったものが、現在では水性が主流となってきます。

この加工方法は、印刷が終わった後に別工程の塗工機で加工するため、作業工程が増え制作日数は若干かかってしまいます。

印刷機の後ろに表面加工できる装置があれば一工程で出来てしまうのに・・・

当社は出来るんです!!(笑)

当社の印刷機の1台は5色機であると記述しましたが、それだけではなかったのです、詳細にいうと、UV5色機コーター付きの印刷機なのです。

このコーターという装置が表面に水性ニスを塗工する装置なのですが、ビニール引き・・・、水性ニス・・・ビニール引きの主流は水性になってきていると、この章の始めに書きましたが、水性ビニール引きと水性ニスの液剤の違いは、あまり大きなものではないのです。

ただ、塗工する装置の違いで、加工の速さと塗工皮膜の厚さが変わるため、水性ビニール引きの方が光沢と耐摩性が高くなるのですが、最近の水性ニスは液剤が品質が上がり、その差も大きなものではなくなってきました。

そうなると、印刷のインラインでスピードのある加工ができ、光沢、耐摩性もある水性ニスは大きなメリットとなります。

表面加工の選択と決めどころ

表面加工の選択と決めどころ

 

今回書いている、ニスとビニール引き(水性ニスも含めて)は、どちらの表面加工にするかは考えどころです。

価格優先だけど最低限の表面保護はしておきたい、という場合は印刷でニスの選択になると思いますし、透明ケースの中に入れる台紙のように、耐摩性をあまり必要としない場合もニスで十分かと思われます。

中には、無料配布するような箱なので、表面の保護が必要ないと言われる場合もありますので、表面加工しないとい選択肢もあると思います。

その場合は、ある程度印刷面のキズ等は許容範囲と考えなければなりません。

逆に、店頭で多くの人の手に触れたり、パッケージの印象をあまり損ないたくない場合や、光沢感を少しもたせたい場合はビニール引きをお勧めしますし、制作ロットが多く、コストや短納期の要望が強く、光沢と耐摩性が必要なら、印刷のインラインで出来る水性ニスを選ばれればいいと思います。

この他にも、光沢感を更に求めるプレスコートや、PP貼り、逆にシックな感じのマット感が欲しいのであれば、マットビニールやマットPP貼りという表面加工も選択肢として上がります。この詳細については別の機会にでもお話さして頂こうかと思っています。

表面加工の選択は用途、目的、価格の要素がはっきりしていますので、ご相談の際に言っていただきましたら、こちらからそれにあった表面加工をご提案さしていただきたいかと思っていますし、価格差をご提示することも、サンプルをお見せする事もできますので、どうぞお気軽にお声を掛けてください。