化粧箱を作成するにあたり、お客様からデータを入稿していただき
それを元に色校正を行います。
色校正では色の具合や柄、文字などに問題が無いことを確認いただき
そこで校了をいただいたものを最終データとして、刷版し、印刷を行います。
基本的には実際に色校正をする前にPDFに変換し、このデータで校正に移りますよ。
とメールなどでやり取りをします。
この時点ではあくまでパソコン上でのやり取りであるため、
色の具合という意味での確認はできません。
しかし文字の確認や柄の確認はこの段階でも可能です。
もちろん校正を終えた後でも、住所の数字が間違っていたとか
原材料の一部の名前が間違えていたとか、その程度で編集してPDFで確認だけして
印刷へと回しても問題はほとんど無いでしょう。
ただ、もっと商品の顔となるべき部分での間違いがあれば
いかにデータ上は修正してもそれの実物を見ないまま
本生産に入ってしまうのは少なからず不安があるでしょう。
再校正をすればもちろんその問題は解決しますが、
そのためには再校正分の費用も必要となります。
なのでPDFを提出した時点で、出来るだけ確認をしていただきたいということです。
さて、そういったわけでPDFでの確認の必要性を紹介したところで、
今回はそのPDFでの確認において(色校正後の確認でも同じですが)
見落す可能性のある部分や、意識から外れてしまいがちな部分を紹介していき、
少しでも精度の高い色校正の一助としていただきたく記事をしたためて参ります。
①化粧箱を作成するための色校正にあたり、抜けているものはありませんか?
まずここでは化粧箱を色校正する際に抜けてしまいがちなものを紹介します。
紙マーク、プラマーク、またはJANコードなどがそれにあたります。
これらは商品として化粧箱を販売するにあたって必要となるものです。
紙マークとは紙製容器包装の識別表示のために箱の表側に記入するマークです。
ピンとこない方はお菓子やアイスの箱でも見ていただければ、
紙の文字とそれを2つの曲線の矢印が囲むようなマークを見つけられるかと思います。
これは資源有効利用促進法により家庭から排出される
紙製容器包装に付けることが義務化されているものです。
簡単に言えば商品を入れる役目を持った紙製品に入れるマークということです。
当社で製造するものは紙ですので、
基本的にこのマークはつける必要がありますね。
さて、ここまで書けばわかるかと思いますがプラマークも同様のものです。
すなわち資源有効利用促進法により
プラスチック製品への表示が義務化されているものです。
例えば紙箱の中に入っている台紙やゲスなどをプラスチックで製造している場合は
紙マークと一緒にこのプラマークも箱に印刷します。
JANコードはそれらとは少し用途が違いますが、
とはいえこれを付け忘れた日にはレジで読み取りが出来ませんので大問題です。
これらは商品のデザインを作る際には必要の無いものでありますが、
箱として売り出すには必要となるものであります。
すばらしいデザインを作り、それに間違いが無いかを注視するあまり
この辺りのマークのことが抜けてしまうということが割とありますのでご注意を。
②化粧箱を作成するための色校正にあたり、抜き忘れているものはありませんか?
さて次は先ほどとは逆に化粧箱を色校正にて作成するに辺り
抜くのを忘れているものはありませんか?というお題です。
どちらかといえば私共が気をつけるところなのかも知れませんが
どういったことかと申しますと、
賞味期限などを後から印字するにあたりニスなどの表面化工を
当該箇所に乗せて加工してしまうと、
その印字が上手く乗らないことがあるのです。
印字する方法や表面加工の種類などによって変わるため
一概にこれは駄目あれは大丈夫とは言えませんが、そうなることがあります。
もっともそれらの印字を、シールを上から貼る形で対応されているのであれば
特に気にすることでありませんが(さっきの紙マークもそうでしたね)
そうでないのならば問題ないかどうかの確認は必須です。
もちろん表面加工を乗せると印字できなくなるのであれば、
その印字する箇所は表面加工を外す必要があります。
そのため、出来上がったイラストに賞味期限を乗せるような枠組みがあるのなら
色校正前にここに表面加工を乗せるかどうかの確認作業を行うべしということです。
③化粧箱を作成するための色校正にあたり、画像ズレていませんか?
これも意外と抜けることがあります。
化粧箱を色校正するにあたり、画像自体は本当によくよく確認されることと思います。
苦労して作ったり、あるいはお金を支払い作ってもらったデザインですから。
しかしそうして確認しているときにまさかそのデザインそのものが
例えば箱の丁度中心に来るべきはずのロゴが右に寄っていたり、
あるいは箱の上のロゴと下のロゴの位置取りがズレていたり、
そんなことになっている可能性というのは意識からついついのうちに外れてしまいます。
たとえそれが1mmのズレであっても、1mm右に寄っているならば
1mm左からは離れているということであり
それは実物を見ると十分に違和感を与えるものとなってしまいます。
まさかそこがズレているとはという思いで
見逃してしまいそうになる部分なだけに、
よくよく確認していただけますよう、よろしくお願いいたします。