化粧箱を小ロットで製造するのは損か?

 

前回、『箱屋ですが・・・POPも作成します!』というお話をさせて頂きましたが、もう少し『POP』について解説させて頂きたいと思います。

書店とかで雲型や爆発型にキャッチコピーを書いているものや、背面に紙脚を付けてスタンド式にしている広告物。

同じように紙脚を付けているBOX什器、その他、陳列用の什器であったり、飲食店でよく見かける三角柱になっているようなものなど『POP』の例をあげていけばキリがないほどです。

パッケージとほぼ同じような工程で流れる、このような『POP』ですが、何が違うかと言うと、一番は・・・・・・『POP』には最終的に『セット作業』を必要とされるものが非常に多いと言うことです。
(もちろんパッケージでも『手作業』が必要とされるものもあります)

具体的には・・・・・
・両面テープを付ける。
・紙脚を貼り付ける。
・一部にシールや立体物を貼りつける。
・1つずつ袋に入れる。
・組み立てる。

モノによって各々内容は違えど『手作業』が加わるという点は共通しております。

何が言いたいかといいますと。。。

『セット作業(=手作業)』には、経験と細かな気配りが必要になりますよ。ということです。

例えば、決まられた場所に『両面テープを付ける』という作業があったとします。おそらく、誰だって出来ます。小学生にだって問題ない作業です。

しかしながら、実際はそんな簡単なものではありません。両面テープの切り方1つをとってもそうですし、梱包の仕方だって考えなくてはいけません。同じ方向に並べるように詰めていったとしたら、(たいがいは製品の裏側に両面テープをつけるので)製品のオモテ面と両面テープが直接触れ合ってしまうため、製品のオモテ面を汚す可能性がありますし、最悪引っ付いてしまうこともあります。

なので、オモテとオモテが合わさるように、そして、裏面と裏面が合わさるように、と互い違いに入れてあげれば、製品のオモテ面を両面テープ(の断面にもある粘着性)で汚すことはありません。

まぁ、これは最も簡単な例ですが、『セット作業(=手作業)』が複雑になればなるほどこういった経験が大事になってきます。

そして、それ以上に『お客様のお手元により良い状態でお届けするには?』という、細かな気配り・細かな心配りが必要になってきます。

POPの作成には現場でないと気が付かないことも発生します

POPの作成には現場でないと気が付かないことも発生します

 

ある事例を1点ご紹介します。

まずは、その内容ですが、
① B5サイズの1mm厚のボードPOPを断裁仕上げで作る。
② 30mmΦ位の厚紙POPを4種各1ヶを①と同じ厚みの紙で作成する。
③ B5サイズ厚紙POPの裏面に紙脚を付ける。
④ 取扱説明書と一緒に①と②を同梱する。
と言うご依頼がありました。

これに対して、弊社からのアクションとして

【コストダウン提案】

(※この部分は本題の『セット作業』の件ではありませんが)同じ1mm厚で作成するのであれば、①と②を付け合せて作成すればどうかと言うご提案をさせて頂きました。

もちろん、そうすると①は断裁仕上げではなく、抜き仕上げになるというデメリットが生じます。このデメリットもご説明させて頂いたうえで、それでも大幅なコストメリットが生まれるということでご納得頂きました。

【仕様変更(?)提案】

②の4種を小袋に入れておいてはどうですか?というご提案をさせて頂きました。

もちろんその分コストUPにはなりますが、先方様の使用用途(詳しくは書けませんが)的にその方が総合的にメリットがあると思われたからです。

結果的に、コストダウン提案と合わせてこちらの提案も聞き届けて頂きました。

我々は、こうした先方様の使い勝手まで考えてご提案させて頂きます・・・・・・・・・・・・と、ここで話が終わりではありません。

さらに、続きがあります。

【現場目線からの仕様変更(?)提案】

お客様との合意も得て、順調に仕事は進んでいたのですが、後日、現場の方から1本電話がありました。『②をB5POPのオモテではなく、裏に置いた方がいいので?』と言う内容でした。

どういうことかと言うと、お客様との間では『B5POPのオモテ側に②の4種POPを入れた方が、入っているということが一目で分かるからオモテ側に入れよう』というふうに取り決めていたのです。

それでも、現場は『裏側に置いた方が良いのでは?』と言うのです。

理由を聞くと、②も1mmの厚みがあるPOPなので、輸送時等々に何かしらの圧力がかかるとB5POPのオモテ面に②の型が付くのではないか?(付かないかもしれないが)付く可能性が少しでもあるのではないか?とのことでした。

なるほどと思い、すぐにお客様にご連絡のうえ、ご了承頂きとともにそこまで気を使ってくれて!と感謝の声も頂きました。

時に、現場でないと気が付かないことも発生しますが、そんな時もご安心頂けるスタッフの存在が当社の自慢です(笑)

POP作成時に表面加工・合紙するときには注意が必要です

POP作成時に表面加工・合紙するときには注意が必要です

POPやサンプル帳等のデザインで合紙もののときに気をつけなければならない表面加工について少し紹介していきたいと思います。

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合紙とは??
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基本的に強度をより強くしたい
ときなどに行うもので単純に紙
と紙(段ボールも)を貼りあわ
せることを言います。
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気をつけるべき表面加工は、ずばりプレスコートです。なぜならこの表面加工は他の表面加工よりも紙が反りやすいのです。

というのも光沢感を出すために樹脂を塗り乾燥後に熱ローラーでプレスすることで表面の平滑性を高めて光沢性をもたす。という加工を行うのですが熱ローラーにてプレスした後で冷やす工程がありまして、ここで他の表面加工よりも多くの湿気が紙に入り込むのです。その結果紙が縮もうとしてしまいます。

とはいえ単紙にプレスコートをするだけならばそれほど問題になることも無いのですが合紙によって違う紙と貼りあわせるとなると少し問題があります。

それはプレスをした紙は縮みたがるのに、もう一方の紙は縮もうとはしません。その結果プレスをした側へと紙が引っ張られていき、反り返ってしまうのです。カードゲームの類を経験された方でしたらキラキラのレアカードが反りかえっているのを見たことがあるかと思います。まさにあのような現象が起こるのです。

これを抑制するには・・・

①両面にプレスコートを行う

片方だけでなく両面が両方向に引っ張っていけばその分相殺されますので反り返りがましになります。

②紙を厚くする
厚くなればそれだけ反りにくくはなります。

等がありますが、どちらも費用のかかるものでありそう簡単に行えるものでも無いのも現実です。とはいえあまり反ってしまうのも…

悩ましい話ではありますがなるだけ両面プレスコートをオススメいたします。

また、PPラミについても、このプレスコートと同様のことが言えます。
(PPラミの場合は、『反り』についての心配をされる方が多いため、そういう意味においてプレスコートの方が、より注意する必要がある表面加工と言えます。)