校正とは、印刷をする前にデザインや色合いや文字などに間違いが無いかを確認するための工程のことを言います。
ここで確認いただき承諾されたものを元に印刷が行われますので実際に製造に入る前の、一番最後に確認を行う工程といえます。
そのためここで間違いに気が付かなかった場合はその間違った状態のまま、(例えば住所や電話番号、HPのアドレス。デザインの色指定などです。)印刷されますので校正段階における確認には慎重に、間違いなく行う必要があります。
中でも色の具合は校正を行わなければどんな色になるのかが、おおよそでしか判断がつきません。
パソコンのデータやプリンターで印刷したものとは、同じデータを入稿してもいざ印刷をしてみれば、その雰囲気がまったく違うものとなることも普通にありえます。
それだけに校正は必ず必要かつ重要な工程であるといえます。
そのためお見積もりをするにおいても、基本的には校正を行うことを前提としたものが作成されます。
ただ、それが校正代となっているのか製版代となっているのか、はたまた別の名称になるのかは各社によって違うようですので、その辺りはどれが校正費用にあたるのかを聞いて頂ければよいかと思います。
さてこの校正ですが、初回の商品を製造する際はもちろん改版(リピート物のデザイン変更)のときにも行わなければなりません。
デザインが変わっているのですから、もちろん確認は必要ですよね。
しかし改版といえども基本的なデザインに変化がなく、ただ住所などを一部変えただけなのであれば、それのために一々校正費用を支払うのは避けたいところですよね?
他にも1色のベタ印刷で、色の指定もDIC(色の見本帳です)などで行っていたりであれば、わざわざ色やデザインの確認をする必要もあまりありません。
そういった場合には通常の校正よりも簡易な校正で費用などを抑えることをオススメします。
そう。校正と一口に言っても実はいくつか種類があるのです。
ということで今回は校正の種類について紹介していきます。
なお、お客様に商品の魅力を適切に伝えるのに、パッケージデザインは重要な要素です。
魅力的なパッケージデザインの作り方を知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
商品の魅力が伝わるパッケージデザインの作り方を見る
①化粧箱のデザイン等を確認するための校正の比較~本機・本紙校正~
校正の中でもこの本機校正・本紙校正がもっとも現物に近いものが確認できます。
本機校正とは本生産時に使用する印刷機を用いて印刷を行うものになります。
実際の機械で色を出すわけですからデザインや色の具合などはまさしく本番と同等のものがあがってきます。
一方、本紙校正は平台校正機という校正用の印刷機を用いて行う色校正です。
こちらも実際に使用する版を使って印刷するので、かなり近いものがあがってきます。
しかし実のところ印刷時にかかる圧力が違うなどの差があるため本生産時と同じ条件で加工するわけではありません。
(そもそも機械も違えば場所も違いますよね)
そのため厳密にはまったく同じ色が出るかというと難しいのですがとはいえ大量生産用に使用されるオフセット印刷機械を使用して数枚だけを仕上げる本機校正は、費用として非常に高いものになります。
そういったことから平台校正機を用いた本紙校正が校正においては利用頻度が高い一般的な校正といえます。
②化粧箱のデザイン等を確認するための校正の比較~簡易校正~
さて、次に簡易校正といわれるものを紹介します。
これはデータから版を作り印刷を行うオフセット印刷と違って、デザインのデータを直接薄紙に再現するものです。
色校正としては実際に使用される紙を使わないため箱として完成したダミーとしては使えませんが色の見本としては十分使用に耐えます。
問題点としては通常使用されるプロセスカラーの4色(CMYK)なら良いのですが、特色を使っての出力が出来ないことが1つです。
また表面加工を行うことも出来ませんので特にマット感を出す表面加工や強い艶感を出す表面加工をする予定がある場合は、それらを施した上でどのような状態になるのかの確認が出来ないことも注意が必要です。
また、①の校正では一回につき5枚前後は出来上がってきますが、こちらの場合は1枚ごとに出力するため、その1枚出す度に費用がかかります。
そのため1枚2枚なら安価で済んでもそれ以上となってくると、①の校正の方が安く済むことがあるというところでしょうか。
このように使用にあたりそれなりの制約がある校正ですが、形状は既に確認済みで色の具合だけ見るなどの用途に使用する分には①に比べて安価で行うことができます。
③化粧箱のデザイン等を確認するための校正の比較~PDF校正~
データの上で確認するだけの校正がこちらになります。
文字通り入稿されたデータを木型のデータにはめ込んでそれをPDFに変換して確認する。というものです。
デザインの確認としてはこれでも問題ありませんが、色の指標としてはまったく使用できません。
これはデータ上で見る色と印刷された色ではその表現方法や環境が違うことなどが理由としてあげられます。
もちろんデータでのやりとりですので箱として組み立てたときにどうなるかなども実物として確認することはできません。
しかしデータだけでのやりとりのため確認に使うための時間は他を圧倒しますし、もちろん実際に印刷をする必要が無いため、その費用も格段に安くすみます。
そのため初回製造分というよりは住所などを一部だけの改版や、デザインこそ変更したものの、色の具合は前回と同じものといった様な改版時における確認作業としての使用がもっとも適していると思われます。
それぞれ利点欠点は色々とありますが、初回製造分に関しては表面加工の具合や箱にしたときの見え方なども確認する必要があるため基本的には①の校正がオススメです。