損しないパッケージの作り方について

パッケージを作るにあたってパッケージ作成の流れは、その形状から材質からデザインから、はたまた、納品のされ方やもっと言うと見積もりの取り方なども色々ございますが、今回は、基本的なパッケージ作成から一歩踏み込んで考えることを少し・・・

さて、ではその『次に考えられること』の1つとしては、
なるだけ価格を抑えて、または早く作れる方法は無いものか?
ということがあげられるかと思います。

そこで今回の記事では丁数を多くとるという観点から価格を抑えて、早く、を実現するパッケージの作り方について紹介していきます。

目次

損しないパッケージの作り方①
丁数を増やす→単価が安く

丁数を増やす→単価が安く

ここでいう丁数とは原紙1枚に対して、製品が何個作れるのかを示すものと思っていただければよいと思います。

丁数が1丁ならば原紙1枚あたり1丁の製品が4丁ならば1枚あたり4丁の製品が出来上がるというわけです。

作製する箱の大きさと使用する原紙の寸法によって1枚当たりに何丁入るかが算出されるわけですが、この丁数を増やせば基本的に単価が安くなっていきます。

理由としては、パッケージを作るにあたって木型という抜き型を作製します。
これの作り方はその名の通り木の板に作製したいパッケージの展開図に沿った刃と罫線を入れるための刃を差し込んで作ります。

こうした作った木型はトムソン機と呼ばれる打ち抜きの機械に備えられ、そこを展開図の通りに印刷された刷り本が1枚1枚通されます。

そして刷り本が通る際に木型へと押し上げられて丁度スタンプや印鑑を押すのの逆回しのように、下から押し上げられた刷り本が木型に差し込まれた刃の形状通りに箱の形状へと抜かれていきます。

トムソン(打ち抜き)加工と木型の仕組みなど、より詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
トムソン加工と木型の作り方について知る

 

パッケージを作製する単価はその原紙の通し枚数と1枚ごとの単価を掛け合わせることによって算出されますので、丁数を増やすことで通し枚数を減らしていけば掛け合わせる要素が少なくなるので、単価が安くなります。

しかし、ここで1つ問題があります。

それは単価を減らしたいからといってなんでも丁数を増やせばどんどん単価が減って嬉しいというわけでもない。ということです。

機械を動かすのには最低限必要な費用がありますので、あまり丁数を多くとりすぎても、通し枚数が少なければ少ないほど、単価の中の最低限必要な費用部分が大きくなってしまいますので期待するほど単価が下がらなくなる場合があります。

つまり丁数を増やして単価が下がることを期待できる商品とは、製造数量がそれなりに多いもの。ということが1つの条件になります。でなければ一応単価は下がるものの効率的では無い。となります。

ではそれほど大量には必要とされない商品が欲しいとき、けれども出来るだけ単価は抑えたい、と思ったときには、どうにかして製造数量を増やして効率的に作りたい。

このような場合はどうすれば良いのでしょうか?

次の見出しではそれを紹介します。

損しないパッケージの作り方②
丁数を増やすための方法として

丁数を増やすための方法として

ということでここでは損しないためのパッケージの作り方として丁数を増やすために製造数量を増やす方法を紹介します。
といってもとても単純な方法です。

「付け合せ」で丁取りをする。ということです。

これは、ある化粧箱Aともう1つの化粧箱Bとを1つの木型で同時に加工できるように木型を作製する、例えばAとBを2丁ずつ丁取りするということです。
(これを2セット4丁取りとかいいますが、実態としてはものすごく単純なことなので特にこの言い方を覚えていただく必要はありません)

すると1枚の原紙からAの商品が2つ、Bの商品も2つ出来上がるわけです。

こうすることでそれぞれの必要数量が10000ずつであった場合、AとBをそれぞれ4丁の丁取りでもって2つの木型を作って製造するとAの製造に必要な原紙は10000÷4で2500枚になります。Bも同様です。
ここでAとBを2丁ずつ丁取りすれば必要原紙は10000÷2で5000枚になります。

2500枚通し×2台よりも5000枚通し×1台の方が製造単価は下がります。

ということで、単純な話ですが丁取りを付け合せで取ることによって擬似的に原紙枚数を増やせられますので、単価が下がるということです。

損しないためのパッケージ作りをしたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

パッケージ製作でコストダウンできるポイントを詳しく知る

損しないパッケージの作り方③
付け合せを行う注意点として

付け合せを行う注意点として

さて、最後に損しないパッケージの作り方と評して紹介しておきながらも付け合せで余計に損をすることがありますので、それの注意を書いていきます。

付け合せでの製造は例えばセットでの販売が決まっているAとBの化粧箱とか二つの化粧箱を使う商品、つまりスリーブとその中身になるキャラメル箱。という様なもの、はたまた、リピートの回転速度が同じぐらいであると想定できるもの。

上記のような性格の商品に対して大きな効果を持つ製造方法です。

しかし裏を返せば上記以外の商品を無理に価格優先でセット販売すればAのみが多く売れてBがあまり売れない。という事態になったときにAだけが必要なのにBまで一緒に作られてしまうという一転非効率極まりない製造方法になってしまいます。

これは形状が同じでイラストだけが違うとかであれば起こらない問題ですが、印刷の比率を毎回変えれば良いだけで、それは印刷に使用する版を作製するだけで済みますので問題にはならないのですが、形状から違えば…ということです。

また同じ形状であっても、丁取りが4丁であればAとBの製造比率は 4:0、3:1、2:2 以外の組み合わせはできませんので若干数量の融通が効かないことも考えられます。

以上のように、適切に使わなければ余計な損になる可能性もありますが適切に使用していけば価格を抑えられるパッケージの作り方といえますので、一度検討してみるのも面白いと思います。