見積計算

当社ではホームページよりお問い合わせの欄にて箱の製造(仕上)寸法を記入していただくところがございます。

もちろん判明あるいは決定していればの話でして、決まっていなければ見積もり依頼をかけられないのかというとそんなことはございません。

例えば商品自体は出来上がっているのであれば、そのサンプルをお預けいただければそこから箱の寸法を取ることはできますし、それもまだの段階であるならば、大まかな寸法さえ取ることができれば寸法確定時に再見積りという条件の下で概算の見積もりを出すことも可能です。

いずれにせよ、まったく中に入れる商品が決まっていない場合を除けば何らかの対応は取れるかと思いますのであまり気張らずにお見積もり依頼をいただければ結構かと存じます。

さてさて、ではお見積もりに関する話として、今日のお題に入ります。

今回は表題の通り箱の製造単価を見積もる際の計算について紹介したいと思います。

計算よりも商品そのものの単価を知りたい場合には、以下の記事を参考にしてみてください。

パッケージの値段を知る

とはいえ特に具体的なものや面倒なものを紹介するつもりはありません。

ただ当社含め箱の業者に見積もりを取る際や、単価を下げてもらいたいときなどに知っておくと場合によっては役に立つかもしれない。そんなお話です

製造単価ではなく、そもそもコストダウンの方法を知りたい方は次の記事を参考にしてみてください。

化粧箱製造単価のコストダウン方法を知る

①箱の製造単価の計算について ~少しの寸法の違いで単価に大きな差が?~

少しの寸法違い

まずは箱の製造(仕上)寸法が単価の計算に与える影響についてです。

例えば最初に見積もりをとったときから商品の大きさが変わったり、あるいは入れ方にもう少し余裕が欲しいだったり、もしくは何か小さな部材を同梱する必要がでてきたりなどで当初予定していた箱よりも少しだけ大きな箱が必要になったときの話です。

それが数ミリの話ならばほとんど単価も変わらないだろうと普通に考えるとそう思われるかと思いますし、基本的にはその通りです。

しかし、稀に一回り大きくなった単価で見積もりが返ってくることもあるのです。

もしかしたら貴方も経験なされたことがあるかも知れませんね。

では何故こんなことが起こるのかを次の項目でご説明いたします。

②箱の製造単価の計算について ~単価の差は原紙の寸法~

単価の差は原紙の寸法

一体何が僅か数ミリの寸法変更において単価の計算に大きな差を生じさせるのかと言いますと、もっともありうる答えは【原紙の大きさが変わったから】になります。(貼り機械に通せなくなったから内職の手貼りになった何てこともありえますが)

では少し具体的な計算の話に参ります。

箱の単価を構成する要素は、ざっくりいいますと下記の6つになります。

①原紙代 ②印刷代 ③表面加工代 ④トムソン代 ⑤貼り代 ⑥箔押し等の付加価値原紙の費用の計算は【原紙の単価×原紙の枚数×原紙の総重量】が基本です。さらに原紙の大きさは②と③の単価計算においても大きいほど高くなる方向での影響を与えてしまいます。

そして原紙の寸法は各社の持っている(仕入れることの出来る)規格寸法の中からしか選ぶことができません。

ということは規格寸法が豊富な原紙であれば、数ミリ変わった程度であれば原紙を少し大きな寸法に変えるだけでありますので単価に与える影響も最小限で済むことが多いのですが、逆に規格寸法が少ない原紙であった場合は僅か数ミリの箱の大きさの変更のために原紙を一回りも二回りも大きなものに変更しなければならなくなることがあるのです。

そうなってしまうと原紙の計算式にある総重量が大きく変動しますので原紙代がまず大きく上がり、それに連動して印刷代と表面加工代までもが上がることになりますので結果として単価がぐっと高くなって出てきてしまうということです。

これが数ミリ大きくしただけなのに単価がやたらと高くなるときの原因の1つです。

そしてすでにお気づきのことと思われますがこの話は逆の場合もありえます。

すなわち僅か数ミリ箱を小さくすることで原紙の寸法を小さいものに変更できればそれは大きく単価を下げることができうるということです。

ですので単価を下げたいなーと思われたら一度こう言ってみてはいかがでしょう?「使用する原紙の寸法を小さくするには箱のどこをどれだけ小さくすればいいですか?」

…もちろん商品が入ることが大前提ですが。

③箱の製造単価の計算について ~ニスとビニールの逆転~

単価の逆転現象

ここでは表面加工であるニスとビニールについて紹介します。

ニスは印刷と同時に加工でき、表面加工としては最も安いものになります。その分保護力や光沢感は必要最低限というまあある意味わかりやすい加工です。ビニールは単純にニスより高く、保護力・光沢感に優れるというこれまたわかりやすい加工ですね。表面加工としては安価でありながらも十分な保護力は持っているためかなり使い勝手の良い加工といえます。

さて、そんな両者ですが実は小ロットにおいてはニスの方が高くなるときがあります。それはニスとビニールの価格設定の違いによって生じます。

ニスは印刷と同時加工なので言わば1色追加した様な計算方式になりまして、オフセット印刷の仕様上、小ロットでは最低工賃によって費用の算出が成されますしその工賃はビニールのそれよりも高い場合がほとんどです。

しかしその価格帯をすぎれば通した紙枚数×単価による算出に変わります。そして単価設定はニスの方がビニールよりも安いです。

まとめますと、

【ニスの最低工賃>ビニールの最低工賃】なので小ロットではニスの方が高くなり得て、その設定を超えた製造ロットになれば【ニスの単価<ビニールの単価】となるのでビニールの方が高くなるということです。sのため安価に作りたいという理由でニスを希望されておられる場合はそれが小ロットであるならばビニールでの単価算出も検討されるといいかも知れません。

ということで、今回は箱の単価の計算方法についてのお話でした。

実際にこういう状態に当てはまっているかどうかはわかりませんが一度、見積もりを取った業者に問い合わせてみるのも良いかと思いますよ。上手くいけば単価が下がりますし、少なくとも値段交渉の話の取っ掛かりぐらいにはなるでしょう。