パッケージの値段について考える・・・

商品には価格がある!!

当たり前です(笑)

価格には、原価があって売価がある!!

当たり前です(笑)

原価と売価の幅、すなわち利益については様々な考え方や戦略があり、例えば、原価30円/個の商品を、0円で5万個販売・・・、無料配布ですよね(笑)。

この場合、総原価150万で、販売0円の赤字150万となりますが、この無料商品を気に入って購入していただければ、先で大きな利益を生む事になります。

単体のやり取りとしては損益でも、それが意味のあるもであれば、有効な戦略です。

これがレギュラーで取り扱う商品だったら、会社はすぐに倒産です。

通常の取り扱い商品では適正な売価を設定し、原価を抑える努力をし利益確保をする。

これが当たり前なのですが、中々そうはいかなかったりします。

競合他社が多く、自社としての適正価格が市場では高いものになってしまったり、市場の価格に合わせれば、利益率の低い商いになったりする事が多く、それは印刷紙器の世界でも同じなのです・・・

そんなパッケージのお値段事情や、価格について書いてみたいと思います。

 

パッケージの値上げの話

パッケージの値上げの話

包材関連のお仕事をしておられる方は、たびたび(定期的に(笑))パッケージの値上げの話を耳にされる事が多いと思います。これは原紙価格が上がった為、それを転嫁するのにパッケージの価格を値上げさして欲しいとお願いに上がっているのです。

印刷紙器の価格における原紙の割合は高く、原紙価格がKg当たり10円上がると、パッケージの加工工程や大きさにもよりますが、5~15%位は上がってしまいます。

パッケージ販売の利益率は各社マチマチだと思いますが、この原紙値上げ分をパッケージ単価に転嫁できなければ、印刷会社は大きなダメージとなり中には赤字転落する商品も出てきてしまう可能性もあるのです。

ただお客様も、包材の価格UP分を商品単価にそのまま乗せる事は難しく、中々ご承諾してもらえないのが現状で、はたまた製紙メーカーの値上げも強硬で、若干の時期のズレは出ても確実に値上げは行われ、否応なしに価格UPを飲まざるおえなくなり、印刷紙器メーカーは原紙代は上がり、販売価格は思うように上がらず・・・、まさに板ばさみとなり、利益確保が出来なくなってしまうのです。

原紙代の値上げには、パルプ、石油価格や為替と言った要因が大きいのですが、昨今の値上げは運送費等も加わり、逼迫しているので値上げをします。とのことなのです。
もちろん原紙代だけではありません。われわれ印刷紙器メーカーからの運送費も同様に増大しておりますし、何と言ってもすべての原材料費・光熱費の値上がりはご説明するまでもない状況です。

勿論、価格があっての契約ですが、何卒、印刷紙器メーカーの苦しい心内を察して頂けたら幸いです。

 

 

パッケージの値段の工夫

パッケージの値段の工夫

パッケージの価格を抑える工夫は色々とあります。

先ずは原紙からいくと、原紙のランクを一つ下げるという手段。

これはコートアイボリーならカードAに、カードAならカードBに、カードBならコートボールにコートボールなら輸入コートボールに、とランクをひとつ下げる事で価格を抑える方法。これは原紙表面の平滑性、白色度とも下がる傾向があり、仕上がり品質を下げたくない場合はお勧めできません。

次に、紙厚を一番手薄いものにする方法。これは内容物や構造、大きさによって、なんら問題ない場合もありますし、強度的に足らなくなる場合もありますので、試作で確認する事が必須となってきます。

印刷では、印刷度数を減らす。4色カラー印刷の場合は難しいですが、4色印刷での単色表現のようなものであれば、特色を使う事によって印刷度数を減らす事も可能ですし、特色同士の掛け合わせにて、少ない印刷度数で表現する事も出来ます。

表面加工では、フィルム貼りからプレスコートへ、プレスコートからビニール引きへ、ビニール引きからニスへと、変更する事にてコストを抑える事ができますが、プレスからビニール引きは光沢差が大きく、高光沢を求めておられれば、無理がある話ですし、耐摩性を求めておられたら、ビニール引きからニスへの変更は止めておいた方がいいと思います。

また、販売数が安定して伸びているのなら、製造ロットの見直しは非常に有効な手段で、保有在庫数等の調整も絡めながら検討する価値はあると思います。

初期段階での丁取りが、現行の受注数量と見合うものかどうかの検討もコストダウンの可能性を持っています。

他にも色々と手段はありますが、書ききれないので、気になる方は次の記事も読んでみてください。

プロの箱屋が教える!パッケージのコストダウン方法を読む

 

パッケージの値段と価値

パッケージの値段と価値

昨今は包材に対する費用を抑えようという動きが、更に加速しているような気がします。

それはネット販売の影響も大きく、美粧性よりも輸送保護目的が大きかったり、商品の訴求をネット内で十分にPRし、実商品包装はシンプルなもので、という傾向がみられたりします。

これは我々からすると、苦しいところなのですが(笑)。

いわば当たり前な事なのかも知れません。

ただその逆もあり、店頭販売の商品など、特に新商品には高い訴求効果が求められ、ランクの高い原紙、多い印刷度数、箔押しなどの付加加工、高級感が出る表面加工等を施し、同等他社との違いをパッケージで差をつけようと、企画立案される事も多いのです。

勿論、パッケージの値段は上がりますが、それで販売増が見込めるのなら、価値があると判断されるようです。

冒頭にも記述しましたが、値段が高いか安いかで言えば、安い方がいいに決まっています。

ですが、包装資材としての価値は、販売が増大する訴求効果や、お客様の満足度という点も決して忘れてはいけない要素であることは、間違いのないところです。

コストダウンのお悩み、高い訴求効果への相談、当社はその両面からお客様をサポートして参ります。

最近は書きましたように原紙価格のUPにより、既存印刷会社さん以外からの見積りを取ろうという動きから、お声を掛けて頂くことも多いのですが、当社の提示価格がお安く下回る事もあれば、既存印刷会社さんが頑張っておられて、とどかない価格もあります。

そんな中で、当社は出来る限りのお見積りの中で、価格以上の価値が出るご提案をしていきたいと思っています。どうぞお気軽ご連絡下さいますよう、お願い致します。