【 夏休み特別企画! --お子さんの宿題の一助に!-- 】
・・・・・・ というわけではありませんが(笑)
今回は化粧箱を人手で作成する方法をご紹介します。
現在では『CAD』と言う化粧箱のサンプルをカットする機械があるので(本来はサンプルカットの為というものではなく、化粧箱の設計をして実際に形にした時にどのようになっているか?寸法調整の必要はないか?などの確認を行う為のものです。)実際に人手でサンプルを作成することはほぼなくなりましたが。
昔はそれこそ色校正のダミー化までも人手でカットして化粧箱を作成していました。
石鹸のギフト箱のご注文を承っていた時もあったのですが、その時の本生産前のサンプル出しの時にはいつも大変な思いをしておりましたね。
・500円のギフト箱
・1000円のギフト箱
・1500円のギフト箱
・2000円のギフト箱
・2500円のギフト箱
・3000円のギフト箱
・4000円のギフト箱
・5000円のギフト箱
少なくともこれだけのアイテムのギフト箱があったわけですが、石鹸のギフト箱と言えばどんなものか?想像してください。かなり複雑であることが分かると思います。
1つのギフト箱に対して
・蓋
・身
・仕切
・天パット
・底パット
というような感じで複数のパーツがあります。
もちろん、価格体系の低いギフト箱に至ってはこれらのパーツが少なかったり、簡素であったり(そもそも小さいですからね。)するわけですが、逆に価格体系の高いものになればなるほどパーツの数も増え、且つ、複雑になってきます。
加えて、内容量の重量が重たくなることから化粧箱の材質をEフルートという段ボール製のものを使用するなどサンプルカットするには強敵になってくるわけです。
これらのサンプルを各8部ずつ本生産前の見本として欲しい!というようなご要望を頂いた日には・・・
それからの1週間ほどの間は地獄でした。(汗)
それこそ2~3人掛かりで毎日夜遅くまで毎日毎日サンプルを作成する為に人手で校正紙をカットして、折罫を入れてという作業をしていたわけですから。
今ではちょっと考えられません。
ということで、今回はハンドメイドで化粧箱を作成する方法を簡単にご紹介します。
箱を作成する方法1 化粧箱の展開図を描く
テレビなどでたまーに天才を紹介するような番組でフリーハンドで精密な絵を描いたり、左右対称の図柄を両手で描いたりするような方がおられますが。
当然のことながら私のような凡人にそのようなことが出来るはずもなく、化粧箱を作成する為にはまずもってその展開図をカットする紙面に描いて、それをなぞるようにしてカットする必要があります。
なので、化粧箱を作成する為には、まず作成したい化粧箱の展開図を紙面に描くということが必要です。
ここで描く展開図が正確であればあるほど、作成する化粧箱の精度も高くなるのは言うまでもありません。
しかしながら、私のようなベテラン(?)になると、基本寸法(化粧箱を組み立てた時の幅・奥行き・高さのサイズ)がキチンと正確に出ていればある程度はまともな化粧箱が出来上がります。
色校正紙をカットする時なども基本的には同じことで、より正確にしなければならないことは描く化粧箱と色校正の位置関係をしっかりと合わさないとカットした後に表面を見てみると、デザインがずれてしまっている~ということになってしまいます。
ここでお気づきの方もおられるかと思いますが、展開図を描くのは・・・
カットする紙の裏側に描くということです。
当然のことながら、展開図も箱の裏側から見たような反転した展開図を描くわけですね。
なぜなら紙の表側からしたり、罫を入れたりすると仕上がりが汚くなってしまうからです。
ということで、化粧箱を作成する時に描く展開図はより正確に紙面の裏側から描くということを覚えておいてください。
ちなみに、色校正紙をカットする場合には位置関係を正確にと申上げましたが、この方法は至ってシンプルで表についている“アタリ”と呼ばれる箱の折れる部分を示す線があるのですが、その線に合わせて小さな穴を表側からブスッと空けます。
これを天地左右すべてに行い、後は天地左右相対する空いた穴を結べば正確な位置関係が掴めるというわけです。
箱を作成する方法2 刃と罫の区分けをする
紙面の裏側に展開図が描ければ『カットする部分』と『罫を入れる部分』を分けておく良いですね。
私ほどのベテラン(?)になればどこがカットされる部分でどこが罫を入れる部分であるかは一目瞭然ですが、それでも時には「あっ」ということでカットしてはいけない部分をカットしてしまったりすることもありますので。
一度でより正確に化粧箱を作成したいのであれば、手間を惜しまず『カットする部分』と『罫を入れる部分』を分けておくことをおススメします。
箱を作成する方法3 刃の部分をカットする
刃と罫の区分けが出来れば、まずは刃の部分をカットします。
カットする方法は超原始的でカッターナイフを使用します。
ちなみに、カッターナイフはオルファカッターが良いですね。非常に使いやすいです。
注意すべきはもちろんのことですが、罫の部分をカットしてしまわないということですね。
箱を作成する方法4 罫の部分に折り罫を入れる
刃の部分のカットが出来れば、次は折り罫を入れていきます。
ちなみに、カットと罫入れはどちらが先でも結構です。どちらを先にするかは好みですが私は先にカットしてしまう方がやりやすいですね。
罫を入れるには、ちょっとした小道具を利用します。次の2つの画像のものです。
これらを利用して折り罫を入れていきます。(当然のことながら化粧箱メーカーだからこそ持ち合わせる道具なので、これに近い道具や、近い道具が見当たらなければカッターナイフの刃を収める部分の少し丸まった部分で押し滑らせるだけでもできます。少し仕上がりは汚くなりますが。)
文字では説明しにくいのですが、簡単に申上げますと実際に本生産で使用する1本の罫が入った型にきっちりと罫の位置が合うようにカットする紙(校正紙など)を置きます。
そして、この罫に沿って先端が凹の形をした棒状のものを滑らせることで罫を入れるわけです。
この作業により折りの部分に溝のような罫が入り、キッチリと折れるようになります。
ここでもちなみにを使いますが、今説明した逆バージョンの道具もございまして、1本の罫が入った型(木型の代替)を用意するのではなく、溝を掘ったような型(本生産でのトムソン時の面切りに相当)を用意し、この溝に沿って先端が凸の形をした棒状のものを滑らせることで罫を入れるわけです。
このような感じで罫を入れていきます。
これで、トムソンの仕上がり状態にまで漕ぎ着けました。あとは貼るだけです。
箱をハンドメイドで作成するためには、折り目の罫線は非常に重要です。失敗したくない方は、以下の記事も参考にしてみてください。
箱を作成する方法5 折りたたんで貼る
“貼り”の必要のない化粧箱に関しては先の『人手で化粧箱を作成する方法4 罫の部分に折り罫を入れる』までで化粧箱は完成ですが、“貼り”の必要なものに関しては貼る必要があります。
糊代部分に両面テープを貼り、折り罫の部分については折りたたみ(もちろん、仕上げる状態の時に折りたたまない部分いついては一端折り癖をつけた後は元に戻します。)糊代部分を貼り合わせることで化粧箱は完成します。
前工程までで化粧箱の体としてはほぼ完成しているので、ここは簡単です。
注意するべきは糊代部分に貼る両面テープの位置関係です。
通常、糊しろの表面と糊しろと相対する(貼り合わせる部分)紙の裏面を貼り合わせますが、箱の形式によっては表面同士貼り合せたり、裏面同士貼り合せたりすることもあります。
化粧箱の構造は意外と複雑なんですね。
私も一端擬似的に箱を組み立ててから糊貼りする部分の確認後、糊しろ部分い両面テープを貼っております。
あとは、両面テープの?離紙を剥がし糊面を貼り合わせるだけで化粧箱は完成です。(組み立て物がヘッド画像のものになります。)
ということで、化粧箱を人手で作成する方法をお伝えいたしました。
急遽、簡単なダミー箱を作らないといけない時やご自宅で簡易な紙の入れ物を作りたいと思った時には参考にして下さいませ。