オリジナルパッケージ:製造中に気を付けること【vol.1】

オフセット印刷はインキを版からブランケットへと転写し、転写されたインキを今度はブランケットから紙へと転写することでインキを紙へと印刷します。

そして、用いられる版にはデザイン部分(インキを乗せる部分)に撥水性が備わっておりそれ以外には逆に親水性が備わっている。

印刷時は版に水を付着させます。そして、油であるインキは先だって水を通り親水性部分に水が付着した部分には反発して付着せずデザイン部分にのみ付着する。そのためデザイン部分にのみ印刷が行える。

こうしてオリジナルのパッケージが印刷される。

かなり掻い摘んで簡単に「印刷の方法」を説明すると、このような内容になります。

今回のお話をするにあたり、まずはこの点を頭に入れておいて頂ければと思います。

とは言いつつも、『製造するにあたって気を付けること!』を、今回と次回の2回に渡り、いくつか紹介したいと思っておりますので、今回まずは、順番的に印刷の前に、そもそもこれがなければ印刷が出来ないものの注意点を!

それがなければ印刷が出来ないもの、、、、、そうです。原紙です。

 

パルプって?

パルプって?

パルプとは製紙に使う植物繊維の総称で、主に木材から製紙に必要ない余分なもの取り除き、繊維質だけを取り出したものを言います。

現在では木材だけではなく、サトウキビや竹、1年草のケナフ等からもパルプを抽出し原紙原料として利用されています。ただパルプの質としては木材のパルプが細くて腰があり、原紙材料に向いている為、他のパルプで製紙する場合でも大多数は木材パルプを混ぜて製造されており、重量比率で10%を超えると非木材紙として認定を受けることが出来るのです。

えっ?たった1割以上で・・・???

そうなんです!!たった1割でも『非木材紙』という認定をうけることが出来るのです。これは地球環境保全に心がけ、非木材パルプを使用した紙・紙製品、産業資材並びに非木材関連製品を普及するために協会が定めた基準であり、この比率を高くすると『非木材紙』の認定を受けようという動き自体が鈍くなるため、少しでもハードルを下げて広く普及させようという意図もあります。ただ、木材の消費を世界的に一割でも抑えられれば、地球温暖化への影響も少しは和らぐ・・・かもしれません。

したがって、『非木材紙使用』となっていても、多い物では90%は木材が原料であるということ覚えておいて頂ければと思います。

もちろん、メーカーによっては非木材パルプの配合比率の高い、環境により優しい原紙もあるのですが・・・印刷原紙、紙器原紙としては繊維に腰が無く表面の平滑も悪い為・・・、ちょっと・・・って感じです(笑)

パルプの話をしてしまったので、もう少し続きを・・・

パルプを抽出するのは何も木材や植物だけではないのです!!

新聞紙やコートボールという紙は、我々が一度使用した紙(古紙)から再度植物繊維を抽出して再利用する・・・まさしくリサイクル原紙です。

もちろん一度印刷を施した紙を再利用するため、真っ白な紙というわけにはいかないので、コートボール紙のオモテ面の白いクレー等でコートされている部分以外に使用されます。

しかしながら、その古紙配合比率は約80~90%です。

非木材紙と比較して、どちらが環境にやさしいか?ですね(笑)

まぁ、そもそも非木材紙を使用する場合は、比較対象が純パルプ100%のアイボリー紙であったりするので、それに比べれば環境にやさしいとはいえるでしょう。

とは言え、商品内容的にパッケージの原紙原材料もアピールポイントの一つになる要素があるというのも事実ですし、それはそれで良いことだとは思います。

ただ、使用される場合は、実際にどれくらいの『非木材比率』なのかを知っておいた方が良いのではないかと思います。
※ その際は、原紙によって、その配合率は異なりますので、都度その配合率を印刷会社の担当者さんにお聞きください 。

印刷時に気を付けること~~版傷~~

印刷時に気を付けること~~版傷~~

冒頭の印刷時における親水性と撥水性を持つ「版」についての話に戻りまして、印刷中やその前後に気をつけなければならない一つの現象である「版傷」について紹介したいと思います。

その名の通り版に傷がついてしまうことを指しますが、原因としては版を移動させる際に擦れたり保管の仕方に問題があったりブランケットにごみがついていたり等々が考えられますが、まったく問題にならないこともあれば、軽度~重度のクレームにもなりえるものです。

つまり版に傷がついてその部分の親水性が損なわれれば当然水が付着しなくなるので、その部分にインキがついてしまいます。インキがつけば当然紙にもその部分にインキがついてしまいます。

後加工のトムソンで切り落とされる部分、すなわちパッケージと関係の無い部分であれば特に問題はありませんが、これがパッケージ部分であれば・・・もしそれがデザインの根幹を成す部分であれば・・・というわけです。

こういった現象を早期に発見するために印刷中も抜き取りチェックを行いますが、発生させないことが一番大事ですので刷版の移動や管理には十分気をつける必要があります。

そしてもし版傷に気が付いたらプレートクリーナー等を塗って親水性を与えてやれば、再び使用できます。

まぁ、これは印刷会社内の話であり、お客様の側においてどうのこうのという話ではないのですが(汗)・・・知っていて損はないかということでご了承下さい。

 

ということで、

次回は『温度と湿度』や『割付方法』について、解説していきたいと思います。