化粧箱を安く製造する方法の一例

コストを出来るだけかけずに化粧箱を製造したい。

何も化粧箱だけに関わらずですがほとんどの方に当てはまるお悩みです。

そして、これもオフセット印刷に関わらずですがほとんどの場合において、コストを安くするもっとも簡単な方法は「製造量を増やす」ことになります。

とはいえそう簡単に大量の発注を掛けることは販売数が確実に確保されているような商品ならまだしも立ち上げの商品や、そもそもそれほど大量に出ない商品、長期的な在庫を抱える場所の観点からもリスクのある行為と言えます。

さて、そういった状況に対しての一つの手段としては他商品と付け合せて製造を行う。
ということになります。

同じような間隔で出ていく商品を(便宜上商品A・Bとします)付け合せて製造できるように木型や版を作製することで擬似的に製造量を増やすことが出来ます。製造量が増えればコストが下がりますのでそれぞれの製造量を変えずにコストを下げる方法となります。

とはいえこの方法にはわかり易い問題点もあります。

それは非常に単純なことでAとBの売れ行きが変わってしまったときです。

Aは順調で再発注かけたいけどBは不調。しかし木型がくっついているのでAを製造するとBも出来上がってしまう。

こうなるとどんどんBの在庫が増えてしまいます。
さて、そうなりますと無駄を省くために改めてAだけを製造するための木型を作製し、Aだけを製造する単価を出すことになりますが、当然ですがAB一緒に製造していたときよりも単価は上がってしまいます。

ABが抱き合わせの商品などであるなら発生しない問題ではありますが、そうでないなら、この状況に陥る可能性は十分に考慮する必要があります。

と、ここまでは改めて紹介するまでもない、当然の話です。
実際 私もお客様との話の中でちょくちょく出てきては結局後々のリスクを考えて立ち消えてしまうことが多いです。

では、この手の方法で無駄になりにくそうな方法はといいますと 同じ寸法・形状の化粧箱(箱としての形状がまったく同じということです)でデザインだけが違う、という条件であれば ある程度無駄の無い製造が出来ます。この話は案外ご存じ無い方もおられますので、少し紹介していきたいと思います。

化粧箱を多面付で安く製造する~利点~

化粧箱を多面付で安く製造する~利点~

先に述べたとおり、製造単価を安くするには製造数量を増やすことが単純で効果的な手段であると言えます。

商品を付け合せれば製造数量が増える為それぞれを単品で作った時よりも単価は下がります。しかし、付け合わせた商品の売れ行きのバランスが崩れると様々な問題が発生してしまいます。

では、同じ寸法・形状の商品であればどうでしょうか?

ある商品郡ABCDEF、全て同じ寸法・形状でデザインだけが違うもの、を製造するにあたりそれらを全て一括で製造できるように、今回であれば6種類の商品ですので木型を6丁付で作ります。

それぞれの必要数量を1000個とすれば単品ずつ製造し6種×各1000個分の単価よりも6000個一括製造の単価の方が安くなります。

しかも同じ形状ですので、例えばABCの売れ行きは好調で再販したいけれどDEFは思ったよりも良くなかった、というときにはABCのデザインだけを各2丁ずつ印刷すれば合計6000個製造するにあたりABCが2000個ずつ製造できます。つまり、6000個を1000個単位の中で振り分けて製造できるということです。

この時に例えば毎回違う印刷版を使うことになるのでそれの費用が余計にかかるのでは無いのか?という疑問を持たれる方がおりますが、その心配は無用です。

なぜなら印刷するにあたって使用する版は基本的には、それぞれのデザイン毎にデータが作られておりますので、その時々に必要な商品だけをデータから選び出してそれらを刷版するだけの話なのです。

そして版自体がそもそも何度も使用する前提のものではありませんので、単価の中に元々含まれております。

つまりデザインの割合が前回とまったく同じであろうとも、大きく異なろうとも等しく刷版工程は必要であるため、そのためだけに余計に必要になってくる要素はほとんど無いということです。

また、今回の例であれば6丁付では1000個単位での振り分けになりますが12丁付であれば500個単位での振り分けが可能になりますし24丁であればさらに250個単位での振り分けが可能となります。
ここまでする意味があるのかは置いといて、理屈上は可能ということです。
(もちろん紙の大きさや機械に通る大きさには限界がありますのでなんでもかんでも大量につけられるわけではございません。)

化粧箱を多面付で安く製造する~欠点~

化粧箱を多面付で安く製造する~欠点~

多面付での欠点といいますとやはり色の具合になります。
今回の例でいえば6種類の印刷物を同時に印刷することになるわけですから、あまりに色の濃淡の差が強いとそれぞれの色を出すことが難しくなりますので、デザイン段階から多面付することを念頭に置いてのデザイン作製をする必要があるかと思います。

他には、クレーム案件として落丁の工程や貼りの工程において他のデザインのものが何らかの要素で混じる可能性が無きにしもあらずです。

もちろん、これらの点には十分に注意しての作業を行いますがそういった可能性が一点ずつの製造よりは発生し得る状況にはなります。

また、例えばAだけが早く必要になった、という話も付け合せている都合上対応が難しいというところでしょうか。