作成時絶対に考慮すべき、販売におけるパッケージの役割とは

最近、新規開拓営業でお客様へご訪問させていただいているなかで、色々なお言葉やご質問を頂戴します。

よく質問を受けることといえば「ケイパックではどんなオリジナルのパッケージが出来るの?」であるとか、「パッケージ以外もお願い出来るの?」などのお話が多くなります。この時の「オリジナルのパッケージ」というのは、「当社独自の(他所では出来ない)パッケージ」であったり「面白い・珍しいパッケージ」を指しておりますので、広く言われるところの「既製品ではない、お客様の要望によるデザイン・形状・材質等のパッケージ」という意味ではありません。「他社にはない強み・アピールできる点」はあるか、と聞かれるわけですね。

先程の「お客様の要望によるデザイン・形状・材質等のパッケージ」ですが、当社ではお客様それぞれのご要望に沿う形でご提案しながら作り上げていきますので、ある意味すべての箱がお客様と当社でのオリジナルパッケージであると言えます。もちろん、当社しか出来ない、当社が考案したということも大事ですが、お客様と当社で一緒になりという点を大事にしていきたいと考えております。

ところで、そもそも『パッケージ』とは何なのでしょうか? 流石にお客様から「パッケージって何?」と訊かれた事はありません(笑)。が、果たして我々は本当にそれを詳しく知っていると言えるのでしょうか。

今回は、オリジナルと言わず『そもそもパッケージとは何か?』という事に端を発し、『パッケージを作る時に留意すべき、パッケージの役割』についてご紹介させていただきたいと思います。皆様が商品を販売するために必要となるパッケージ、それについて一度しっかり理解を深めてみることで、パッケージを作る時に考慮しなければならない点が見えてきます。

「いや、知ってるよ?」という方も、一度しっかりつかみ直してみることで新たな発見が出来たりもするのではないでしょうか?

最後までお付き合いいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

商品パッケージの形状やアイデアについて、手早くざっくり知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
パッケージの基本の形状と変わり種の形状を見てみる

 

パッケージと販売 パッケージって何?

パッケージって何?

パッケージって何?ということですが、まず『パッケージ(=package)』を辞書で引くと大きく2つの意味に分かれます。

① 包むこと

これは、お店で買った商品を包装紙でラッピングしてもらうようなこともそうでしょうし、引っ越しの際の荷物の梱包もそうでしょう。そして、容器・化粧箱のような、そもそも包装するための物そのものを指すこともあります。

② ひとまとめにすること

これは、ソフトウェアを想像してもらえば分かりやすいかもしれませんが、色々なソフトを全部まとめて一緒に売る『パッケージソフト』・お好みのソフトをオリジナルにカスタマイズして・・・という『システムパッケージ』、その他にも、『パッケージツアー』などというのもありますね。

当社の(製作会社の)・・・・・『パッケージって何?』

当社の言うところの・当社のビジネスとしては、『パッケージって何?』と聞かれれば、今更ですが(笑)もちろん化粧箱です。

主に、厚紙を用いて、『印刷-表面加工-抜き-貼り』の工程によって作成される商品を入れる箱で、具体的には下記のようなものです。

サック箱(キャラメル箱)
サック箱(展開図)

底地獄箱(底組み式箱)
地獄底箱(展開図)

横底貼箱(底ワンタッチ箱)
底ワンタッチ箱(展開図)

四隅貼箱
四隅貼箱(展開図)

吊り下げ用ヘッター付箱
吊り下げ用ヘッダー付箱(展開図)

蓋・身 式組立て箱
蓋・身 式組立て箱(展開図)

パッケージの用途としてはもちろん、『商品保護』が一番重要です。

お客様の商品に合わせて、その大きさ・形状・紙厚・紙質等々を選定し、お客様の商品を守る強度をしっかり保持しなければなりません。

次は、アイキャッチ性です。

皆さまも、デパート・スーパー・コンビニ等々買い物に行かれるかと思いますが、なんとなく目に入るものってありますよね。もちろん、デザイン(グラフィック面)でのアイキャッチ効果もありますが、例えば多角形の箱であるとか形状によってもアイキャッチ性を高めることは可能です。

その他には、利便性もあります。

これは、エンドユーザー様の使い勝手という部分もありますが、『製造側の』という意味では、販売までの途中経過におけるセットのしやすさだとか、組立やすさだとかの作業性という部分もあります。

お客様の・・・・・『パッケージって何?』

お客様の・・・・・『パッケージって何?』つぎに、お客様にとっての『パッケージって何?』を考えてみると・・・

お客様のとっては、あくまで商品の『資材』であり、商品自体へのこだわりに比べると、どうしても『後回し』的な想いになるのは致し方ありません(決して、いいかげんに考えられてると言っているわけではありません)。

そして、実際の手配も当然のことながら商品開発が最優先であり、商品が決まらないことには化粧箱は考えられるわけがありません。商品自体の形状が決まらないと、化粧箱の形状も決まらない。商品自体のデザインが決まらないと、化粧箱のデザインも決まらない。当たり前ですね。

しかも、商品自体にこだわり妥協せず商品作りをすればするほど、発売時期(=タイムリミット)の決まっているものについては、化粧箱に掛けられる時間が少なくなります。

このように、仕事の流れから見ても当然ではありますが、化粧箱は『後回し』となり、時間もなくなってくるなかで手配しなければならないものになってきます。そして、もっと言うと・・・こだわりを持って作った商品ほど時間がなくなるのですが、そんな商品ほど化粧箱にもこだわりたいのですね。

我々としては、その辺は充分理解しておりますので、常日頃からお客様とコミュニケーションをとるようにし、ある1つの仕事を手配させて頂く際には、時には、『しつこい』と思われているのでは?と後で心配するほど最初のヒアリングに時間を掛けます。

ただ単純に言われた通りのものを、言われた通りに作成するのではなく、お客様が本当に望まれていることをヒアリングするのですね。

分かりやすく言うと『底ワンタッチが良い』と言われるのは、『作業性が良くなるので底ワンタッチが良い』ということだと分れば、もっと作業性の良い形状をご提案することもできるということです。

また、最初のヒアリングに時間をかけるのは、その方が結果的に早いからです。

途中からでは、それまでの時間とコストが無駄になるばかりではなく、それこそ間に合わない為、妥協せざるを得ないという最悪のパターンになることさえあります。

我々の・・・・・『パッケージって何?』

我々の・・・・・『パッケージって何?』

我々はパッケージ(=化粧箱)を販売させて頂いているわけですが、パッケージ(=化粧箱)だけ販売しているわけではありません。

もちろんお客様もパッケージ(=化粧箱)だけを購入されているのではないでしょう。

それは、パッケージ手配する際における『知識・アドバイス』であったり、『スピード』であったり、『任せられる安心感』というものであったりします。

冒頭でのパッケージの意味の『②ひとまとめにすること』ではありませんが、物としての『パッケージ(=化粧箱)』と一緒に、より良いご提案はもとより、時間のないなかチェックが漏れそうな部分・抜けそうな部分を補填できるよう、『かゆいところに手が届く営業』を心掛けてパッケージのプロとして、細かいところまでフォローさせて頂き、ご期待以上のパッケージを作成できるよう、かつ、迅速に手配させて頂きます。

そして、『パッケージ(=化粧箱)』というものを介して、それを取り巻く全体をパッケージ化して、お客様自身の発展に寄与するサービスを構築していきたいと思います。

パッケージと販売 考慮すべき3つの役割!

パッケージと販売 考慮すべき3つの役割!

良いパッケージとはどのようなものでしょうか? もちろん、中の商品が売れる為のパッケージが一番いいパッケージとは思います。しかし、パッケージには、基本機能として3つの役割があります。その3つの役割を考慮しながら最適で、しかも売れるパッケージを作る必要があります。

たとえば、どんなにアイキャッチ性に優れたデザインや形状でも箱がつぶれやすかったり、取扱いが難しかったりしたら困ります。

それでは、パッケージを作る時に考慮しておかなけらばならない3つの役割として、パッケージの基本機能3つ保護機能・利便機能・情報機能の観点から考えていたきたいと思います。

1.保護の役割を満たしたパッケージ

パッケージには、中の商品を保護するという役割が一番にあります。

いろいろな要因から商品を保護する必要があるわけですね。

①物理的な要因からの保護をする

流通段階での、圧縮や振動、落下などの衝撃による破損、変形等を防ぐこと。真夏での熱や、海外へなどの時には湿気や水などの要因も考えなければなりません。

その為には、パッケージの材質や形状、または個包装のパッケージを更に内装箱や外装箱に入れるなど、上記のような物理的要因を考慮して選定してく必要があります。

②生物的要因や人的要因からの保護も必要です。

生物的要因としては、虫の混入があります。たとえば中の商品が見えるよう穴の開いたパケージなどを作る場合、穴を開けっ放しにするのではなく窓貼りで透明フィルムを貼る方が良い、その方が虫などの混入を防ぐことが出来る、などと考えていく必要があるわけですね。

人的要因としては、悪戯や、犯罪もあるかもしれません。一度開けると、分かるような形状や対策をする必要があります。

その昔、『毒入り危険食べたら死ぬで』などというお菓子メーカーを相手にした事件もありました。パッケージに入れた商品であれば一度パッケージを開けて細工をしなければなりませんから、開封されたかどうかを見分けられることが出来るパッケージで対応することが一つの役割になります。

2.利便性の役割を持ったパッケージ

①流通や商品充填の際の利便性を持つ

これは、商品を運搬する為の運び易さや持ち易さ、または在庫時等の保管のし易さ等になります。

「大きすぎる」や「重すぎる」など、段積出来ないようなものではパッケージの利便性が高いとは言えないわけですね。

また、形状についても、商品の詰め易さなども考えておかなければなりません。蓋部分はA式タイプなのかそれとも差込タイプにするのか、ほかにも底部分ならワンタッチ底にするのかジゴク底にするのかなど、どれを選ばれるかで生産性にも影響が出てきてしまいます。

②販売する時の利便性を役割とする。

店頭に並べた時を考えてみてください。どのようなパッケージが並べ易いでしょうか。他にも、見分けのつき易さなども考えてみるべきでしょう。

また、個装箱を何個か入れた内装箱を店頭へ並べる場合もあると思います。内装箱の上半分を切り取って、内装箱ごと店頭にならべているのを多く見かけます。ディスプレイボックスと言われる内装箱ですね。

これも販売する時の利便性を考えてのパッケージとなります。

③お買い上げ後の利便性の役割を持つパッケージ

お客様に商品を購入していただいたあとの利便性も大切です。

開封のし易さであったり、また再封されるのかどうかであったり。それらを踏まえてパッケージを作る必要があると思います。他にも、処分のし易さし等も必要になるかもしれません。

3.情報機能の役割としてのパッケージ

①デザイン等、アイキャッチや商品アピールなど訴求する。

商品のことについて、しっかりと伝達が出来ているのかどうか。

そして、目を引く形状やデザインをしているのかどうかなどになります。如何にお客様の目を引くかが、商品売れ行きの要因となりますから、とても大切な役割になりますし、この点は、実際に重要視される部分になりますね。

②商品の必要事項の表示の役割。

商品に基づき、必要な情報の表示をするということです。たとえば食品衛生法やJAS法、薬事法によるものがありますね。

また、バーコードや、取扱の注意事項などもこれにあたります。パッケージの開封方法などの表示なんていうのもあります。

他にも忘れてはならないところとして、「紙マーク」や「プラマーク」「ダンボールマーク」など、材質の表示や廃棄する方法などの表示もします。

パッケージにおける3つの役割のまとめ

まとめ

上記のように、パッケージを作成する際には、保護・利便・情報の3つのの基本機能を踏まえて作成することが必要であり、大事な点となります。

中に入る商品をしっかりと保護しつつ、アイキャッチ性に優れたデザインと形状。それにパッケージの扱いやすさを兼ね備えた、リサイクルや処分のしやすいパッケージを作成していきたいと思います。紙器パッケージでは、それらを全て満たしたパッケージの作成も可能なのだと考えております。

さらに、上記の事を踏まえ、パッケージを作成する際の最大の要素ともなるコスト及び品質の面で優れている、ということが必要になります。つまり、3つの役割を満たした上で一定の品質基準をもち、コストを抑えたパッケージが理想的なパッケージと言えますね。

もちろん、商品が売れるパッケージを!!であります。