箱の制作において大事なこと

私どもが箱を制作するにあたって大事にしていることはたくさんあります。
たとえば・・・

・箱の材質
・印刷内容
・表面加工
・形態
・数量
など

それこそ細かく挙げればこの他にももっと詳細を詰めてからでないと実際の本生産にかかることはできません。

ですから、今回は事細かに大事なことを列記致しませんが、自社の生産ラインで生産を進めるという前提で箱の制作(この場合は製作もしくは製造ですね。)を考えた場合に抑えておきたい大事な部分についてお伝えします。

これは自社目線の発信に偏ってしまいますが、これらのことを念頭に考えることこそがお客様に喜んでいただくための1つのステップであるという考えがあることをご理解くださいませ。

箱の制作で大事なこと1 サイズを知る

箱の制作で大事なこと1 サイズを知る

箱の制作を考えるに重要なことの1つに『サイズ』があります。

一概に『サイズ』と言ってもいろいろあり、
箱のサイズや原紙のサイズ、その他には機械の適用サイズなどがあり、
それぞれを考慮したうえで箱の制作に当たらねばなりません。

機械のサイズのことを言うならば、
当社の印刷機の最大寸法は715×1015㎜が最大で、
抜き加工もこのサイズなら加工が可能ですから
当社の可能最大原紙寸法は715×1015㎜となります。

何故この最大寸法が必要かというと、
決して大きい箱が作れるから・・・
という理由だけではありません。

あと10㎜大きい紙が入ったら2丁取りが4丁取りに出来るのに・・・
というように取り数にも大きく影響するからです。

10,000個作るのに
2丁取りだと5,000枚通し、4丁取りだと2,500枚通しとなり、
通し工賃は通し数が増えると少しは下がりますが、
根本的に通し枚数が半分になるとその工賃は安く抑えられる事が出来るのです。

数量の多い受注品は面付数を多くして、単価を下げたい・・・
そこで、この最大寸法715×1015㎜を知っておくことが
大事になってくるのです。

また、印刷原紙のサイズを知ることも同様に大切な事になってきます。

最大寸法を知ることで、面付数を増やす事が出来コストダウンにつながる。
また、同じ面付数であれば、出来るだけ小さい原紙寸法の方がコストが下がりお得となる。
という感じですね。

原紙寸法にはたくさんの種類のものがありますので、
生産数に見合った面付数から割り出された最適原紙寸法に近い原紙サイズを
適用することで材料コストの最適化が図れるということです。

箱の制作で大事なこと2 段取り

箱の制作で大事なこと2 段取り

何をするにおいても統一して言えることですが、
段取り、つまり、生産における前準備はとても重要なのは言うまでもありません。

特に短期間で制作しなければいけない新規パッケージ等は
この段取り加減で納期が二日も三日も変わってしまったりします。

まずは印刷に入る前の校正段階では、頂いたデータをそのまま校正するのではなく、
ターゲットカラーがあるのなら色サンプルを預かっておくこと。
このことで再校、三校となる確率が低くなります。

また同時に形状が決っていれば、
先に木型を作成する了承をもらっておくことで
校了後すぐに印刷、抜き加工に移れ、木型の完成待ちの時間を短縮することが出来ます。

表面加工においては、印刷乾き待ちも含めて本日の何時までに仕上がっていれば、
当日中の加工が可能なのか、もしくは翌日一番の加工で
お昼からの配送は可能かを打合せしておけば、
これまた次工程の抜き作業を待ち時間無しで加工することが出来ます。

事前に入る時間が分かっていれば、新木型の面切り
(罫線を入れる際に必要な凹凸のある版)をして準備しておく事も出来ますし、
貼り加工ではあらかじめ抜き始めのブランク品(型抜きした状態のままの印刷物)
で折り曲げ、糊位置確認を済ませておけば、
時間の掛かる貼り加工準備時間の短縮になり納期短縮となります。

昨今の短納期対応には、この段取りの良さと経験値が大きく納期を左右します。

渡らなくていいのなら綱渡りはしたくない・・・
綱渡りをするのなら、出来るだけ太いロープを渡りたい・・・

このロープを最大限に太くすることが段取りであり、
それができるか否かが違いをもたらす違いとなってくるわけです。

箱の制作で大事なこと3 対応力

箱の制作で大事なこと3 対応力

一概に対応力と言ってもさまざまな対応力があると思いますが
今回のテーマである箱の制作という一面における対応力についてお伝えしますと。

端的に言うと『品揃え』です。

当社は紙器関連の一環製造をしておりますが、
この製品巾(品揃え)は・・・

例えば、油性印刷しか出来ない業者さんに比べると、
当社はUV印刷も油性印刷も自社内でこなせますし、

サイド貼り、ワンタッチ底貼りしか出来ない業者さんに比べると
プラス4角貼りまで自社加工で制作できます。

このように加工幅の広さは、お客様に選択肢を持って頂くことが出来ます。
そうなると、こんな箱作れないかとお問い合わせを頂く幅も広がってきます。

あるお客さんに、
「高級健康食品の箱なので紙の箱ではなく”桐箱”が欲しい・・・」
と要望されたことがあります。

当社の製造能力は超えていますが(笑)、アウトソーシングにて対応可能ですとお答えしました。

勿論、本物の桐を使った箱ですか?
ファルカタ材という洋桐でコストを抑えますか?
いやいや、桐箱に酷似の厚紙合紙プリントを使って、
箱組も桐箱仕立てに仕上ると更にコストの掛からない桐箱風ができますが・・・
といった選択肢をお客様に提供することが出来、とても喜ばれた経験があります。

その逆で加工業者さんの方からは、当社はお客様から色々な要望が集まる様だ・・・
と思って頂いているのか、宝石を入れる為の貼り箱(芯材に紙を貼り合せて作る箱)を
売ってくださいという要望が来たりします。

冒頭で『自社の生産ラインで生産を進めるという前提で箱の制作』
と申し上げましたが、最後はあえてこの前提を覆すテーマになってしまいました。

とは言え、信頼の頂ける対応力は必要不可欠なものですし、
自社生産にこだわるのではなく、お客様のご要望に沿うことこそが
真の対応力だと思いますので、ここは当社にとって外せない重要なテーマです。

ということで、箱の制作において大事なことをお伝えいたしました。
ぜひ、箱の制作依頼の時には検討項目の1つとして抑えておいてください。