化粧箱の製作に関する細かい話

 

【パッケージ】【化粧箱】って、とても細かいことが多いんです。

一番細かいと言うと・・・・・単価でしょうか??(笑)

お客様とのやり取りの中で
『あと10銭安くならないか?』
『1銭ですらも難しい状況です』
『そんなこと言わずに、じゃあ・・・5銭なんとかして』
『〇〇さんにはお世話になっているので、3銭だけ!』
なんて攻防が
われわれの業界では日々行われているのです。

円ではなく、銭の話です。
こんなやり取りをしてると、いつも『1銭』という貨幣を実際に
欲しくなるのは私だけでしょうか?(笑)

ということで、
もう少しタメになる話も少しさせて頂ければと思います。

化粧箱の刷版作成時における細かい話

化粧箱の刷版作成時における細かい話

刷版加工において糊しろにあたる部分をしっかりと白抜き(=表面加工がされない部分を作る)しておかなければ糊貼り加工が出来なくなる。
というお話です。

表面加工には、ビニール引き・プレスコート・PPラミネート等々色々ありますが、これらは糊貼りするときに『版』をつくって、抜く(=表面加工がされない部分を作る)必要がありません。抜かなくとも糊貼りが可能だからです。
※ 厳密に言うと、PPラミに関しては糊貼り可能なフィルムを使用する必要はあります。

しかしながら、『ニス』だけは、糊貼りする箇所を抜く必要があるのです。
インキだけならなんとか貼れることもあるようですが、ニスがのってしまうと、これはもう完全にアウトになりますので気をつけて、よくよくデザインを見る必要があります。

またその開けるべき寸法について、サイドだけ貼る『キャラメルタイプ』の箱なら簡単なのですが、『底ワンタッチタイプ』の底の貼り合わせ部分となると、なかなか大変です。
箱の構造を理解して、どこに糊が付着するか & 貼り合せた時にどこが見える部分かをキチンと理解していないと出来ません。

とはいえ、そこまでお客様に求めることは出来ません。ので、表面加工:ニス の場合は 普通の色版と同様『刷版』を作成する必要があり、また、ノリシロが抜かれているかどうかの確認が必要になります。

 

原紙におけるmm

原紙におけるmm

化粧箱を作るにあたって一番の元となるものが原紙です。
その原紙をどのようなものにするかによって箱の方向性が決まってきます。

箱に高級感を持たせたいならコートアイボリーを。安価に製造したいのならばコートボールを。といったものから、
銀ホイル加工を施した紙やクラフトボールなどの原紙製造時に何かしらの色が付いている紙を使うことで化粧箱に独特の雰囲気を持たせることも考えられます。

では、そんな原紙におけるmmとは?

化粧箱を作製するにあたって、厚み310g/㎠の板紙で箱の無地サンプルを作製し商品を入れてみた所、商品の重さに対して紙の強度が十分ではなかったとき、また、商品に対しては問題無くとも箱に組み立てたときに少し“なよって”しまう等が判明したときには、それを解決するための最も単純な方法として原紙の厚みをより厚くすることにあります。

310g/㎠で弱かったのなら400g/㎠にて作製するという具合です。

しかしここがmmの話、310g/㎠と400g/㎠は、それぞれmmの厚みで表すと約0.4mmと約0.5mmになり、その差は0.1mm程度に過ぎません。
しかしその0.1mmの差で中々に強度が変化します。

でもそんな0.1mm程度の差で強度が変わるならば中途半端なものは全て厚い紙を使えばと思われるかも知れません。

しかし、その0.1mmの差によって紙の仕入れ値が変化するため、そう簡単になんでもかんでも厚くすることも出来ません。

紙の厚みを変えるということはその紙の重量が増す。ということになります。
そして、紙の仕入れ値は通常【紙の重量×紙の購入数量×その紙の単価】によって算出されますので、仕入れ値に大きな影響を与えます。

例えば310g/㎠のL版(800mm×1100mm)の紙の場合、重量は
0.8×1.1×0.31=27kg(100枚辺り)。
対して400g/㎠のL版では35kg。
そしてこのkgが仕入れ値にかかりますので、
購入枚数が2500枚(100枚単位の為25になります)、単価が100円としますと
310g/㎠では27×25×100=67,500円
400g/㎠では35×25×100=87,500円
となり、その差が ¥20,000円 になります。
実際は310g/㎠の方には単価に6円ほど上乗せがありますので
もう少し狭まるのですが、つまりは紙厚を変えると単価に影響が大きく出てくるということをご理解いただければ充分かと思います。

あらっ?
やはり、最終的には・・・お値段の話になってしまいましたね(笑)