「余丁とは?」
「余丁はなぜ発生する?」
このような疑問を抱いていませんか?
当記事では、箱の印刷をおこなっている立場から、余丁について解説します。
余丁(余り丁)とは
もともと“余丁”というのは製本の世界の言葉で、仕上がった部数が必要数を上回った時の余りを意味します。
大きな意味で余剰生産分、余った製品ということで、紙器の分野でも受注数量より多く出来た箱を“余丁”と呼んでいます。
余丁が発生する理由
一般的な化粧箱でいうと、印刷時には色合わせに必要な原紙の枚数は1色あたり約50枚~100枚と言われています。
4色印刷では必要生産数より約300~400枚の予備紙を持って加工に取り掛かるのが一般的です。
印刷に失敗した紙(損紙)は、後加工の抜きや貼りのセッティング用に利用したりして、過剰な予備紙を使わないように工夫をします。
色合わせにもあまり損紙を出さず、後加工でも作業性が良ければ、自然と必要生産数を上回る化粧箱が出来上がるのです。
受注生産数を下回らないように化粧箱を制作するには必ず予備原紙は必要となってくるのですが、この予備原紙の数が多ければ必要枚数を下回るリスクが減り、お客様に迷惑を掛けることが少なくなります。
しかし反面、予備紙の増加分コストが高くなりかねません。
逆にコストを抑える為に予備原紙を少なくすれば、不意のトラブルや調整等に失敗してしまうと必要生産数を下回ってしまい、たちまち納期トラブルに発展してしまいます。
営業はその加工難易度・製品品質・納品後の箱の出荷状況・コスト計算等を頭に入れながら予備原紙を算出しなければ、受注生産数の欠数や割高な箱を作ってしまうので、注意しなければいけません。
化粧品の箱はとくに余丁に注意
製造時に予備原紙の算出が特に難しいのは、化粧品の箱です。
化粧品の箱は求められる品質が高く、微細なキズや汚れでも不良品となる可能性が高いです。
こんな場合ではロス数も多く見込まれますので、予備原紙数も多くなってしまいますが、ここで問題が…
化粧品の箱は美粧性を求めるために、表面加工にもコスト高になるプレスコートやフィルム貼りが多く、さらに箔押し等の加工もされるケースが多いです。
予備原紙数が多いと、大きくコスト高になってしまいます。
もともと1箱あたりの単価が大きい化粧品の箱を余分に作らないように調整するのが、箱のプロの仕事です。
余丁を減らすために大切なこと
今回は「余丁」について詳しく説明しました。
余丁を多く発生させないためには、各工程の作業者が自分のセクションの役割を果たすだけでなく、前後工程まで考えて作業することが大切です。
ここで、当社の『一貫生産』が生きてきます。
関西圏の印刷業界では分業システムが根付いており、印刷は印刷加工業者さんで、抜きは抜き専門加工業者さんで、貼りは貼り専門加工業者さんで…
という風に各加工業者さんを経由することが多々あります。
これでは移動時間がかかり、最終納期の行程管理が難しくなったり、移動時間分が納期として費やされてしまったりしてしまいます。
しかし当社は印刷・抜き・貼り設備を全て持っているので、前後工程で連携がとりやすく、余丁を減らせます。
このように一貫製造の強みが、お客様に喜ばれることに繋がっていきます。
“お客様第一主義”の当社にお任せいただければ経験と熟練の技で予備原紙を少なく抑え、コスト高にならないようにします。
できるだけ余剰生産を省いてコスト高になることを防ぎたい方は、ぜひ当社にお任せください。