蓋身式のパッケージの展開図

蓋身式のパッケージでは、通常トムソン仕上(=抜き工程で仕上がる形式・構造)の蓋身式組立箱が多いです。

良く使用されるこのトムソン仕上がりの蓋身式組立箱のパッケージなのですが、この形状は途中での糊貼り工程や内職工程の差異はあれど最終的には機械のラインでは無く人の手で組み立てることからある程度の差異があることが非常に多く、それぞれ梱包する商品にあった役割を果たすために良い形をしております。

そのため一言に蓋身式組立箱と言っても、そこから派生した形状の種類が多く、(とてもご紹介しきれるものでは無いのですが)いくつかの種類を添えながらご紹介していきたいと思います。

トムソン蓋身式パッケージの展開図 ①

ということでまずは展開図をご覧ください。
トムソン蓋身式パッケージの展開図 ①
ということでまずは展開図をご覧ください。

これが機械を使っての加工工程はここまでで終了となる、一番基本的な(安価な)トムソン蓋身式パッケージの展開図となります。

図面画像の通り蓋と身の2セットとなっております。

また蓋を被せなければならないことから蓋の方を身よりも寸法を大きくする。ということが基本になります。

製造コストとしては前回紹介しました4種のパッケージに比べると蓋と身の2種類いるということから、原紙の寸法が大きくなりがちです。
そのため原紙一枚あたりの単価において前回のものよりもコストがかかりがちです。

また同様に一枚の原紙から取れる丁取りも少なくなるため、そもそもの原紙の必要枚数も多くなりがちです。

このため原紙のコストは前回のものよりも高くなります。しかしグルアーの工程が無いことから、そこのコストがかからないためその分である程度相殺されるところはあります。

ちなみに画像では折り返して箱の高さにあたる部分になる箇所に額が出来るようになっております。

額をつけることによって高級感が増すため良く額付で、という話になるのですが当然ですが額があるのと無いのでは折る際の手間が中々に変わってきます。

額が無ければただ折り返すだけで済むところが額があるばかりに額の始まりの部分で折り返して、さらに額の終わりの部分も改めて折ることになるわけです。

ただ製造コストとしては、額は精々5mm~10mm程度のものですので、あまり影響を与えないことの方が多いです。

トムソン蓋身式パッケージの展開図 ②

次にご紹介いたしますは貼り工程を加えることで組立作業のコストと時間の合理化を図るトムソン蓋身式パッケージの展開図です。
トムソン蓋身式パッケージの展開図 ②

蓋の方は額無しで身の方は額有となっております。
それぞれの糊しろは黒の斜線が塗られている箇所となります。

まず蓋の方からご紹介いたしますと、斜線部を箱の195mmの部分まで折りたたんで糊貼りします。
そのため箱の両サイドが予め折られて貼られた状態での納品となりますので、あとはその折りたたんである両サイドを立ち上げて貼られていない方を立ち上がった箇所へ折りこんでやれば箱になります。

さて、身の方は言いますと貼り箇所が6か所もある特殊な貼り形状になります。
とは言え貼る方法として特殊なだけでお客様の元へ納品される際には蓋とそれほど変わり無く、すなわち両サイドが折り畳まれた状態での納品になります。

箱としての立ち上げ方は前回の4角貼りと同じような具合でして、糊貼りされている両サイドを立ち上げるとそのまま自動的に貼られていない方も4角が貼られているために半分ほど立ち上ります。
あとはそれを折りこんでやれば完成です。

額がつくことによって蓋のように両サイドを単純には貼れなくなるため、この貼り加工が行える加工所とそうでない加工所とあります。

また、①に比べると貼り加工が入る分だけ製造コストがその分だけ上昇します。

ただし貼られている分だけ、手作業で箱に折る加工賃は作業が効率化される分だけ安く・早くなると考えられますので、大量生産するものであったり、店頭で折る時間がかけられないものなどには非常に適した形状だと言えます。

トムソン蓋身式パッケージの展開図 ③

最後にご紹介いたしますは蓋と身が一体となった形状です。
トムソン蓋身式パッケージの展開図 ③
蓋と身が一体となっており蓋はパタンと身に乗せて差し込み口に差し込んで止める。という形状です。

今回の形状は一応黒斜線部分の糊貼りが無くとも箱としては成りますが、基本的にはこの蓋の部分を糊貼りして蓋のたわみや膨らみを防止して使用します。

組み立てる分にはパーツが1つだけという利点はありますが逆に蓋身が一体な分だけ1つのパーツが大きいことから作業場所を多くとることが問題になります。

また、②と同様に貼り工程が入りますので、それだけ箱の単価は上がります。

ということで一言に蓋身式のトムソン箱と言っても非常に種類に富んだものとなっております。
もちろん今回紹介しきれなかった形状のものもありますので、それぞれの商品に最も適した形状を使用し、作業を効率化し、かつ商品の魅力を引き出す一助となれれば幸いです。