
今回は外箱や外装箱と呼ばれる箱についてお話ししたいと思います。
これらは商品を梱包するために使う箱ではなく、その梱包した箱を輸送するために使われる箱のことを指します。
ちなみに商品を梱包するために使われる箱は個装箱と言われることが多いです。
とはいえ 絶対に こういう名前で言えといっているわけではありません。
用途が伝わればそれでいいのです。
例えば貴方がどこかへ問い合わせる際にはわざわざ外装箱とか言わずに
・「商品を当社から店舗へと配送するために使う紙製の箱が欲しい」とか
・「配送中に箱や商品に傷がついたら困るからそれを予防するための何かが欲しい」とか
大体そんな風に使用用途を伝えてあげれば十分です。
あとは問い合わせいただいた方があれこれ必要な情報を聞き出してくるでしょうから、それに答えてあげて下さい。
さて、そんな外箱あるいは外装箱ですが、書いたように用途は「商品の輸送」にあります。
逆に言えばそれ以外に必要は無いので、商品そのものを包みお客様の手元へと渡る個装箱に比べると色々と製造するにあたり差があります。
その辺りいくつか紹介していきたいと思いますのでご興味ありましたらどうぞお付き合いくださいませ。
外装箱に使われる形状や紙の材質、あるいは製造工程について

外装箱は使用目的は商品の輸送にあります。
そのためその商品に対する最終消費者様の目に触れることが無いということはすでに述べさせて頂きました。
それがどういう意味を指すかと申しますと、外装箱に対しては購買欲を喚起するために個装箱に対してするような美称性を持たせる必要がほとんどの場合において無いということになります。
その逆に、安さと作業性の良さは個装箱以上に求められることになることも想像に難くないことかと存じます。
そのため外装箱を製造するために使用される紙は、もっとも流通量が多くてかつ安価で手に入るコートボール(表面白色、裏面ネズミ色の原紙)になることがほとんどです。
もちろん印刷も一切されないか、されても商品識別のためだけの墨1色などが多いです。
当然ですがさらなる付加価値を求めて施されるプレスコートやPP貼りといった表面加工や箔押しのような工程もまずされることはありません。
とにもかくにも安さと作業性の良さと商品保護力の3点のみに特化されて作られているものがほとんどであると言ってもいいでしょう。
外装箱に紙マークは必要?

さてそんな外装箱についての疑問を1つ提示したいと思います。
外装箱に紙マークが必要なのか?というものです。
紙マーク自体は皆様見覚えがあることでしょう。
大体は紙製の個装箱の下側や底面についておりまして、2つの矢印が「紙」という文字を上下に取り囲んでいるあれです。
紙製の個装箱についているあのマークは一体何のためにあるものかご存知でしょうか?
ものすごく簡単にお伝えしますと、「家庭から出るゴミの分別を容易に見分けられるようにすることでリサイクルを促進させるために付けるもの」になります。
詳しくはリンク先をご閲覧下さい。
個装箱は、もちろん家庭から出るゴミになりますのでこの紙マークをつける必要があります。
しかし外装箱ならどうでしょうか?
はい。既にご承知の通り外装箱は商品を「店舗などへ輸送するために」使われる箱なので家庭から出るゴミにはあたりません。
そのため紙マークをつける必要はありません。
(同リンク先の「⑨表示対象外となる容器包装」に詳しく記載されております)
とはいえ、外装箱であっても紙や加工工程を凝るときも…

ここまで外装箱の仕様について紹介して参りましたが実はというか当然というか例外もございます。
それは店舗への輸送段階では通常の外装箱と同じように使われながらも、到着してからは商品を宣伝するためのPOP兼什器の役割を持たせられた箱になります。
まさしく画像のようなものなのですが、棚に陳列している個装箱を、それらが散らばらないための土台として使われつつ商品宣伝のために紙の裏表を折り返してPOP台としても使用されている箱を見たことがあるかと思います。
商品の輸送だけに使うのは勿体無いから到着したら外装箱の真ん中辺りからミシン目に沿って上部と下部を分離させ土台として使う。
こうすることでわざわざ外装箱から個装箱を取り出して陳列する手間が省け、さらに土台としてだけではなくPOPとしてまで使用するという一石何鳥になっているのかと聞きたくなるような発想ですね。
しかしこうなるとお客様の目にもとまってしまうのであまりみすぼらしいのではよろしくない。
そういったことから、このような仕様で製造される外装箱は素材の紙や印刷の色数が上がりやすいことはもちろん、時には各種表面加工まで施し商品の訴求性を高めるようにしていることが多いです。
さて、ここまで簡単に外装箱について紹介させていただきました。
コストを徹底的に抑えて輸送目的でのみ使っても良いですが、一工夫二工夫加えて商品をより魅力的に見せるための一助とするのもまた良いものです。