パッケージ制作の原紙の色んな限界の話

今週のお題は”限界”です。

限界というの大袈裟なのですが、制作上無理があるものがあります・・・

まずは以前にも書いた寸法ですが、当社の工場内と限ったことを言えば印刷機を通る寸法が最大 715×1020㎜となります。

当社の機械は一般的に呼ばれる菊全機で、菊全は菊判を指し、全は全判を意味します。

菊判というのは原紙を取り扱う人には分かるのですが、そうでない方は???という寸法です。

菊全を寸法でいうと、636×939㎜で原紙の一つの基準です。もう少しややこしい話をすると、菊判という単位は洋紙(チラシやポスター、パンフレットに使うような紙)のもので、我々の取り扱う紙器関係の紙は一般的に板紙といわれそれよりも厚い物になり、板紙の場合はK判と呼ばれます。

このK判は菊全と若干寸法が違い、K全の寸法は650×950㎜となるのです。

ちょっと話が横にそれましたが、その菊全が通る機械でも色々あり、当社の機械は寸伸びサイズとなり(菊全より少し寸法の大きいという意味)、ある意味重宝するのです。

それは、原紙によってはこの菊全ともう一つの基準、四六判788×1091㎜しかない事が多いのですが、消費量の多いコートボール等は、この基準寸法をもとに紙商さんが独自の寸法を在庫されておられ、その寸法が例えば、710×1000mmであれば通せる機械と通せない機械が出てくるのです。

これはすなわち取り数に行きつき、同じ個数を制作する場合は通し枚数が少ない方が、コストが安くつくことに繋がるのです・・・。そんなに多い機会で限界寸法に携わることもないのですが、少なくもなく、印刷の限度寸法というのは大事な設備要因ともなります。

ただ、それ以上大きな寸法は印刷出来ないのか・・・、と思われるといけないので・・・

当社ではL判 800×1100㎜も刷れる協力会社さんもあり、そのあたりは問題ないのですが・・・

コスト面からいうと自社内制作するほうが、お客様へのメリットは出せるのかな・・・と思っています。

さて、加工可能寸法の大きい方の限界について書いてきましたが、逆に小さい方(=ミニマムのサイズ)にも限界はありまして、、自社内印刷であれば400×550㎜が最少となり、前回お話さして頂いたL判800×1100㎜の1/4のサイズがミニマムとなるのですが、協力印刷会社さんへの外注依頼であれば400×275㎜とL判の1/8のサイズまで印刷可能となっています。

勿論、抜き加工もそのサイズに準じており問題なく加工可能です。

この400×275㎜という小さいサイズは、大きなサイズの依頼よりも圧倒的に多く、小ロットの台紙や小箱であれば、無駄なく取り合わせが出来、印刷工賃も抑える事が出来る為、価格メリットが出しやすくなります。このあたりは大は小を兼ねない印刷の工程となり、寸法によって加工機械を変えて効率化を図る部分でもあります。

 

紙の厚みにも限界が・・・

紙の厚みにも限界が・・・

限界の話は大きさだけではありません。厚みも限界があります。

これは印刷機の限界が一番狭く、当社の印刷機では米坪157.9g/㎡の約0.15㎜から600g/㎡の約0.76㎜位までが限界となります。当社は紙器製造メーカーなので、印刷機もそれに合わした厚みの加工が出来るようなっており、チラシやカタログ等の薄い紙は印刷出来ないのです。また厚い方の限界も約0.76㎜位と記しましたが、どうしても止む無く・・・

という場合以外は避けたい厚みです。それは印刷加工する際に原紙を鉄爪で挟んで引っ張りながら色をつけていくのですが、限界近くまでの厚みを挟むと鉄爪が甘くなるというかゆるくなってしまい、次の印刷物への影響が出てしまう事もあるので、出来れば450g/㎡~550g/㎡の約0.58~0.69㎜位の厚みを限界としたいところなのです。

また限界という訳ではないのですが、最低印刷数はいくらですか?という質問をよく受けます。

印刷通し枚数に限度はないのですが、多い方は数万枚から作業効率が上がらないので、印刷工賃は変わらなくなってしまいますし、逆に仕上がり数が100枚でよかっても、以前書いた最低工賃(台数計算)となってしまい。1000枚刷るのも、100枚するのも工賃は変わらず、限界ではなく割高になってしまいます。

まだまだ色んな限界はあるのですが、折りをみて改めて書いてみたいと思います。

色んな限界はありますが、出来る限りその幅を広げていき、お客様のご要望にお応えする・・・そんなケイパックにどうぞご連絡下さいませ。