当社では台紙も製作できます!
そんなの当たり前じゃないか!と思った方。。。その通りです。箱=厚紙を扱う印刷会社である以上、まして、自社工場内で印刷~打ち抜き~グルアー(貼り)までを一貫製造対応させて頂いております当社では、当然台紙も対応できます。
ただ、印刷会社に初めて台紙関係の仕事を依頼する方、特に印刷・紙器に今までまったく携わっていなかった方は案外この当たり前に引っかかってしまいます。
その理由は色々あるかと思います。
◆単純に依頼したことがないから受けてくれるのか?とか
◆製作できるのか分からない。とか
◆何か仕様が違うのではないのか?とか
等々
ので、再度ご報告させて頂きます。『当社では台紙も製造できます!』
と言いますか、当社は紙器製造がメインですが、どっこい台紙の製造も取扱い品目の大きい柱となっているんですよ!!
ので、今回は『台紙』についてのお話を・・・
台紙の製造方法について
『台紙』といっても色々ありますね。袋に入れる場合でも台紙が必要な時がありますし、クリアケースに入れる場合もまた然り。台紙だけを何かしらの『POP』として使用することもあるでしょう。
まずは仕上加工の面から見て大きく2種類の製造方法を解説します。
抜き(トムソン)加工仕上
文字通り、最終工程で、型(木型)を用いて何らかの形状に『抜く』タイプになります。
こちらは、コの字台紙や窓穴あきタイプ、もしくはアイキャッチ効果を狙って一部分を飛び出すような形状にする場合等々、型を作成し、機械で抜いていかないといけなくなります。
トムソン加工での注意点は、木型で抜いてから落丁作業を行うという性質上、「止め」が入ります(プラモデルのパーツを切り離すときに付いてくる部分が近いです)。
断裁加工仕上
こちらも文字通り、最終工程を断裁することのみで仕上げるタイプです。
こちらの場合、四隅が直角の真っ四角のものしか出来ないように思えますが、断裁ででも四隅に角Rを付けることは可能です。(意外と知らない方もいらっしゃるようで・・・・・覚えておいて損はなし!)
【※但し、トランプ等々のカード類は、また違う加工もあり、少し特殊なので今回は省略(笑)】
断裁加工のメリットは、抜き加工に比べて、型代がかからないということと、小ロットに適しているということです。逆に言うと、ロットが大きくなれば、型代込みで考えても抜き加工の方が安くなることが多いです。
ので、どちらにするかは、製品自体は性質、製造ロット数、リピート品なのかどうかも考慮のうえ決定する必要があります。
ブリスター台紙も得意です!・・・ところで、ブリスターって?
当社では、ブリスター台紙も多く扱っており、中でも歯ブラシが一番多く、他にはカッターや薬品、文具等々いろんなブリスター台紙を手掛けています。
ところで、『ブリスターって?』ということですが、業界関係の方以外は、あまり聞き慣れない言葉ですよね。ということで、ちょっと調べてみました。
英語で『水ぶくれ』という意味らしいです。
なるほど!まさしく『水ぶくれ』ですね。
我々の言う『ブリスター』とは、正確には『ブリスターパック』のことで、印刷等を施した厚紙(もちろん、厚紙以外もございますが)の台紙に、板状のプラスチックをバキュームフォームなどで成型したものを取り付けたパッケージ形態のことを言います。
ディスプレイ(陳列)という点においては、中身がドンズバそのものが見えるわけで、訴求性が高いパッケージと言えます。ただ、フック穴を付け、吊下げディスプレイすることがほどんどですので、陳列スペース(場所)が限られてくるということは難点になるのかもしれません。
具体的にどんなものか?というと・・・・・
先程も出てきましたように、歯ブラシの台紙や、それ以外にもホームセンターの小物(ボンド・カッター等)や、スマホ用のアクセサリー等を思い浮かべて頂ければ分かりやすいでしょうか?
言い得て妙というか、まさに『水ぶくれ』ですね。私もはじめて知りましたが、色々な語源を調べてみるのも面白いですね。新たな発見に出会えます。
さてさて、ついでに台紙に成型プラスチックの取り付け方として、大きく分けて2つあるのでご紹介させて頂きます。
①圧着式
台紙に成型ブリスターを貼り付けるタイプです。
②スライド式
成型ブリスターの方に、台紙を挟み込むような溝を3方向(場合によっては、2方向・4方向も有)につけ、そこに台紙を差し込むタイプです。
①と②と比較した場合、最も大きな違いは商品セットの場合でしょうか?
①だと、圧着するのにも型が必要であったり、(外注するかどうかは別として)圧着する設備が必要になります。が、密封性はかなり良いです。
②だと、手作業でOKなので、手軽(?)にセットは出来ます。
但し、ホッチキス止めが必要であったり、セロテープ止めが必要であったりします。ので、作業性が悪く(=人件費がかかる)、密封性も見栄えも①と比較すると、劣ります。
ので、
内容物や数量、そして継続性によって、どちらのタイプにするかの判断が重要になります。
ブリスター台紙にも色々のノウハウ(経験)が必要です!
ブリスター台紙が得意と言っても、ブリスター台紙の製造にノウハウなんてあまり必要ないのでは・・・と思っておられる方。
いえいえいえいえ、さにあらず、結構な知識が必要なんですよ!!
ブリスターコート(ブリスター適正を持たせる為にする糊引き)などは、被着体の種類によってコート剤の種類も違いますし、季節によって乾燥時間や液剤粘度も変わりますし、原紙メーカーの違いで接着適正がちがったり、特に加工紙(ホイル紙等)では適正がないものが多く、接着適正があるものを見つけるのが難しい位です。
また、台紙なのに形状設計なんかも考えなければなりません。
・・・・台紙なのに?
そう!台紙の多くは店頭什器でフック掛けにされる事が多く、その為にフック状にしたり丸穴を開けたりするのです。ブリスター内の商品が台紙のセンターにあれば問題なく穴開け等はセンター位置でいいのですが、デザイン上、商品の位置がずれていたりすると穴開け位置もずれてきます。そうなると、実商品をブリスターフィルムに入れてサンプルを作成し、穴位置を決めたりするのです。
また粘性の強い表面加工を施すので、各工程においてブロッキング(2枚の原紙が引っ付く)に注意をしたり、保管状態にも気を使わなければなりません。
ブリスター台紙1枚に結構なノウハウと技術が必要となるのです。
当社では、数多くの台紙を扱ってまいりました経験値がございます。
そのノウハウ・経験値は・・・社内秘ということで・・・ブログ上での公開は控えさせて頂きます。ご興味のある方は、お問合せ下さい。