化粧箱の制作で、表面加工の気を付けておきたい事!!

印刷紙器における表面加工の役割はとても大きいです。

表面保護、これは印刷部分の擦れ落ちや、傷を保護するという重要な役割で、例えばバーコードの印刷部分が擦れてインクが落ちてしまうと、バーコードリーダーでは認識できず、レジが通らないという事とになってしまったり、内容成分を明確に表記しなければならない商品であれば、擦れや傷による表記の欠落は重大な不良となってしまいます。

この様な観点から、表面保護の必要性は高く、最近では表面加工をしない化粧箱は少なくなっています。

また、美粧性の面からも表面加工は効果が大きく、艶、艶消し、平滑、光沢といった一般的は表面効果は、化粧品や健康食品、贈答用のパッケージに至るまで、各々の商品イメージに合わした表面加工を、何種類かの中から選択していかなければなりません。

表面加工を選び決定するのに、知っておいて頂きたい事もありますので、今回はそんな表面加工の注意点について、書いてみたいと思います。

 

表面加工の価格

表面加工の価格

 

時々、表面加工をすると単価があがるので”いりません”といわれる場合があります。

ダース箱や、中箱といった類の箱であれば、表面加工無しというのもアリかなと思いますが、化粧箱に表面加工をしないと、文頭に記したように表面保護がされない為、いろんなトラブルが発生する可能性が高まるります。

そこで表面加工を施すのでが、種類によって加工価格が違います。

印刷によるニス、オフラインによるビニール引き、プレスコート、フィルム貼りとこの順番で価格が上がっていきますが、表面保護性能も比例して上がっていきます。

最低限の印刷面保護を目的ととするならば、印刷において加工出来るニスが安価でお勧めできますが、陳列や輸送による傷を防ぐのであれば、ビニール引きの方が耐摩性は強く、価格的にも比較的安価であり、コストパフォーマンスに優れていると思います。

また、平滑性や光沢といった美粧面からも、上記の順番で上がっていきますが、プレスコートはビニール引きの約倍の価格となり、フィルム貼りは更にプレスコートの倍近い価格となります。ただ、表面光沢はニスやビニール引きよりも圧倒的にあり、商品イメージや、訴求効果は確実に上がる為、費用対効果を考えて採用される事も多いです。

艶消し(マット感)の表面加工を希望されるお客様も多く、マットニスではグロスニスと当社では価格差を設けていませんが、ビニール引きとマットビニールでは1.5倍強の価格差があり、フィルムとマットフィルムでは1.4倍近い価格差が出てきます。

艶消しの表面加工は、表面保護性よりも美粧性を求める加工になる為、これもまたその効果に対する費用として理解されています。

表面加工の種類を知り、その価格を知れば、どの表面加工が適切かを判断できる事になりますので、ご参考にして頂ければと思います。

 

版を使った表面加工

版を使った表面加工

 

表面加工を施す場合いくつかのの注意事項があり、気をつけておかなければいけない事があります。一つは貼り加工をするのに、貼れない表面加工があるのです。

それは、ニス引きとフィルム貼りで、フィルム貼りは一般的なPPフィルムでは、糊が浸透せず擬似接着のようになり剥がれてしまう為、接着効果があるフィルムを選択しなければなりません。

これはお客様が選択するというよりも、我々製造メーカーが採用しなければいけない事に注意しておかなければいけない事となります。

ニスも同じく、糊が浸透しにくく接着しずらいので、接着部分にはニスを引かないようにしなければいけないのです。ニスは印刷工程での加工なので、版によりニス引きをする為、容易にニスの引く部分と引かない部分を分けれるのです。

他にも、ロット番号や消費期限の印字部分も、表面加工をしていれば印字できない事がほとんどで、この場合もニス引きであれば、版を作成することで簡単に対処できるのです。

ビニール引きやプレスコートにおいても、版を作り表面加工することは可能なのですが、版作成の費用は印刷刷版とは違い何倍も高額なものとなります。

ただ当社の印刷機は、印刷ユニットの後ろにインラインでコーターを設置しているので、水性ニスや、プレスコートの液剤をコーターで樹脂版により塗布できますので、版の必要なプレスコートなどのご要望があれば、一度相談のご連絡を頂ければ、と思います。

 

色々な表面加工

色々な表面加工

上記のような表面加工が一般的なものですが、他にも色々と表面加工はありますので、紹介させていただきます。

先ずは”箔押し”、これも一般的な表面加工として知られていますが、金箔、銀箔をはじめ色箔、クリア箔、ホログラム箔など、多彩な箔でパッケージに高級感や訴求効果を生み出します。

”エンボス”これはエンドレス柄の圧胴ロールに印刷紙を通す事で、絹目や皮シボといった柄を凸凹の立体的に転写し、表面の風合いを高めます。

”リオトーン印刷、ちぢみ印刷”、UVオフセット・UVシルク印刷にて専用インキを使い、UV照射によって硬化時に発生する柄目をいかした表面加工。

”LC加工”は転写用フィルムを利用し、圧着、転写を施し、ホログラムの柄や高光沢な表面を得る表面加工です。

他にも表面加工がありますが、一般的なものよりも特異性がありアイキャッチ効果が高いため、進んで新しい表面加工を採用されるお客様もおられます。

表面加工について色々と綴りましたが、表面保護だけにとどまらず美粧効果も高いので、多くの表面加工を知る事が、他社とは違うパッケージになると思います。

また、グロスとマットの表面加工を組み合わせるなど、工夫も凝らせます。

その他、表面加工の重要性についてはぜひ以下の記事もご覧ください。
パッケージの表面加工の目的を知る

 

専門知識が無くても、イメージや考えを相談して頂ければ、当社営業マンが適切な表面加工をお勧めさせて頂きます。

是非とも、お声を掛けて下さい!