箱の作成において知っておくべきこと
一口に箱を作成するといっても、その種類は多岐にわたります。
高級品や化粧品を梱包するために何色ものインキを使って印刷し、様々な後加工をこれでもかと積み重ねていく豪華な化粧箱も「箱」であれば、素材は最も流通している安価なもの、印刷も商品ロゴと紙マークを1色だけとシンプルにまとめた通い箱もまた「箱」の一種に違いありません。
形状から考えるとサック箱(キャラメル箱とも言います)、地獄底箱、底ワンタッチ箱(横底貼り形式とも言います)、スリーブ形式箱、四隅貼箱(4コーナー貼り形式とも言います)、蓋身型の箱があります。
また、印刷方法から考えると紙製の箱の印刷は主にオフセット印刷という方法になりますが、オフセット印刷の中にも油性印刷もあればUV印刷もございます。
UV印刷とはUV照射によりインキを速乾させてしまう高機能印刷方法のことで関東圏ではかなり浸透しているものの、その他の地方ではまだまだ油性印刷が主流でUV印刷機を常設しているところは少ないというのが現状です。
その他には素材(化粧箱の場合はコートボールを代表とする原紙)であったり、表面加工から考えると原紙には無数と言いたいくらいに多岐にわたる原紙がありますし、表面加工においても表面の印刷インキが落ちないように留めるためのビニル引きや光沢感を出すプレスコート、逆に光沢を抑えることで落ち着きのあるマットコート、他には摩擦に強い加工や水分や油分に強い加工をすることこともできます。
高級感を演出する場合にはまず考える部分です。
あともう1つ。原紙の素材と加工方法の複合技と言えるかもしれませんがギフトボックス(進物箱)等によく使われるような印刷原紙と段ボールの貼合物で箱の強度をアップさせるという方法もございます。
中身の重たい商品や壊れやすいもの、その他には箱の幅・奥行・高さ、それぞれの寸法(サイズ)のバランスが悪いものには箱の強度性が求められますので印刷原紙と段ボールの貼合物の素材を活用するのです。
ネット通販や宅配・デリバリー商品が増えてきている昨今においては強度性が求められる箱の重要性が高まっております。
凝りだせばどこまでも豪華に、切り詰めれば極限までシンプルにできることが箱の作成の面白さの一つと言えますが、そんな沢山の選択肢があってはどれをどう考えれば良いのか混乱するもの。そんな多種多様な形状や原紙、+αの加工を各々の面から、それらが箱の作成に対してどのような利点欠点を持っているのかを出来るだけ包括的に紹介していきます。