パルプ・・・、聞いた事はあるけど、いったい何?
簡単に言うと、植物から抽出した植物繊維です。
多くは木材から取られる木材パルプが原紙の主たる原料となるのですが、
森林伐採等による環境破壊が問題となり、より環境にやさしい原紙材料として
サトウキビのような草系の植物から繊維を取り出し、原紙材料に使われています。
それはサトウキビから製糖した後の搾りカスを利用していることから、
より環境にやさしいとされ、バガスパルプと言われています。
また木材パルプに対して、草植物を使ったパルプは非木材パルプと呼ばれています。
さらに、一度印刷された紙(古紙)や、製紙材料の端材から再度繊維を抽出して
作られるのが、古紙パルプです。
以上、現在の原紙に使用されているパルプは大きく分けて、
①木材パルプ
②古紙パルプ
③非木材パルプ
となるのですが、
木材パルプの中でも、繊維の長い針葉樹からとれるパルプは強度があったり、
短い繊維の広葉樹のパルプもあり、同じ木材パルプの括りでも種類があります。
非木材パルプでも、藁や竹、草の種類によっても違いがあります。
これらのパルプを総じて大別するなら、繊維の長さと色(白色度)となります。
繊維は長いと強度が増し、短いと強度が弱い。それは箱にすると繊維の長いパルプの
箱は罫線強度も強く、しなやかな箱となり。繊維の短いパルプはサクサクした箱
となるのです。また木材から直接取るパルプはバージンパルプとも言われ、
白色度も高く、非木材パルプや、一度印刷されている古紙パルプは漂白しても
落ちきらない色があり、古紙パルプの比率が高ければ高いほど白色度は落ちて
しまいます。また古紙からリサイクルされるパルプは太く短い為、紙面の平滑性も
バージンパルプ使用のものより劣ってしまうのです。
強度、白色度、平滑性、価格は共に比例し
高い順にアイボリー紙、カード紙、ボール紙となり、カード紙、ボール紙は古紙の
配合率によって違ってきます。
強度として原紙を選択される事よりも、印刷の仕上がりに関わる白色度と平滑性で
原紙を選択される事が多いのですが、その事に深く関連がある原紙のコート層に
ついては、次章にて説明さしていただきたいと思います。
化粧箱制作に原紙のコート層を知る