
「箱の原紙にはどのようなものがあるか知りたい」
「原紙の特徴を軽く知っておきたい」
「パッケージ製作で原紙を選ぶ際の参考にしたい」
このように考えている方も多いでしょう。
原紙の種類を全部となると無数と言っていいくらいにありまして、私どもでも把握しきれるものではありません。
今回は最低限知っておくと役立つ箱の原紙の種類をざっくり紹介します。
板紙の種類は、大きく分けると以下の4つに分けられます。
- 白板紙(塗工紙:コート)
- 白板紙(非塗工紙:ノーコート)
- 黄板紙・チップボール・色板紙
- 特殊紙
今回は以上の板紙について、箱のプロの観点から詳しく説明します。
白板紙(塗工紙:コート)

コート白板紙は、原紙の表面を両面もしくは片面をコート(塗工)してある原紙です。
我々のような美装系のパッケージメーカーが最も良く使用する板紙です。
原料に古紙が配合されているかいないか、古紙配合されているならその配合率が高いか低いかでランクが分けられます。
具体的には以下のようになります。
- コートボール
- カードB
- カードA
- アイボリー
- 高級板紙コートカード
- 高級板紙コートアイボリー
それぞれ見ていきましょう。
コートボール
コートボールは古紙含有率が高い安価な板紙です。
- 古紙配合率80%以上
- 片面コートで片面ノーコートのねずみ色をしたもの
- 大部分が古紙でできているため、最も安い
- お菓子やおもちゃの箱によく使われる
- (例)OKボール、マリコート、JETスター等
中に入れる商品も安価な場合がほとんどです。
カードB
カードBは裏白コートボールとも呼ばれる板紙です。
- 古紙配合率が40〜60%以上
- 裏面が白のコートボール
- 裏も表も白色なので、両面を見せる(見える)必要があるときに使われる
- (例)NEWピジョン、NEW-DV、JETエース等
カードA
カードAはより高級感のある板紙です。
- 古紙配合率が40%以上
- 印刷や表面加工を施した際の仕上がりがいい
- 高級品や清潔感が求められる商品の箱に使われる
- (例)ハイクリーンコート、NewクリーンコートV等
アイボリー
アイボリーは最も高級なコート白板紙です。
- 再生古紙が含有されていないもの
- 古紙を一切使用していないためコシが強く、しっかりしている
- 最高級の仕上がりを求める際に使う原紙
- (例)Newタフアイボリー、NewウルトラH等
高級板紙コートカード
高級板紙コートカードはカードAと同等品の原紙です。
- 蛍光染料を使用してより白さを際立たせたもの
- 蛍光染料を使用している
- 食品パッケージとして直接食品が触れる場合はNG
(例)NewクリーンコートW、サンカード+等
高級板紙コートアイボリー
高級板紙コートアイボリーもアイボリーと同等品の原紙です。
- さらに蛍光染料を使用してより白さを際立たせたもの
- 蛍光染料を使用している
- 食品パッケージとして直接食品が触れる仕様の箱では使えない
(例)ボンアイボリー+、アイベストWF、パーフェクトW等
特にコートボールやコートカードが紙器における取り扱いが多い原紙となります。
価格もこの順番で高くなっていくのですが、商品のイメージが高級なものであれば、コートボールは不釣合いな原紙になってしまいますし、ダース箱(中箱)にコートアイボリーを使用するのも適当ではないように思います。
各々商品イメージ、商品価格に合わせた原紙を選択する事が肝要となります。
高級板紙、特殊板紙とは?
コートカード・コートアイボリーに併記してあった、高級板紙・特殊板紙とは、板紙に蛍光染料(蛍光増白剤)を使っているか使っていないかによって呼び分けられます。
- 高級板紙・・・蛍光染料を使って白さを増している(食品パッケージとして利用不可)
- 特殊板紙・・・蛍光染料を使っていない(食品パッケージとして利用可)
衛生上の問題があるため、蛍光染料を使っていると食品パッケージとして利用できません。
白板紙(コート紙)の種類と特徴比較
パッケージ製作で最もよく使われる白板紙(コート紙)の種類を、コストや特徴で比較しました。
| 種類 | コスト | 古紙配合率 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| コートボール | ◎ 最も安い | 80%以上 | 裏面がねずみ色。最も一般的で安価。 | 日用品、お菓子、おもちゃの箱 |
| カードB (裏白コートボール) |
◯ 安い | 40〜60%以上 | 裏面も白色。箱を開けた時も綺麗に見える。 | 両面を見せる必要がある箱 |
| カードA | △ やや高い | 40%以上 | 印刷や表面加工の仕上がりが美しい。 | 高級品、清潔感が求められる商品 |
| アイボリー | × 高い | 0%(バージンパルプ) | コシが強くしっかりしている。最高級の仕上がり。 | 高級化粧品、高級菓子、医薬品 |
白板紙(非塗工紙:ノーコート)

ノーコート板紙は、その名の通り表面をコートしていない紙です。
お店に届けるための個箱を多数まとめる、6個箱・10個箱・ダース箱(12個箱)に使用されることが多いです。
化粧箱に使うなら、原紙の地合いを生かしたナチュラルな風合いが気に入って選ばれる方が多い原紙ですね。
コートしていないから価格はコートしてある白板紙より安いだろうと思われがちですが、需要の違いから、コート白板紙より高くなってしまうケースが多いです。
黄板紙・チップボール・色板紙

黄板紙・チップボール・色板紙は、主に芯材として使用される、素朴な原紙です。
新聞紙等の古紙やわらを使っている硬めな質感で、先ほど紹介した紙に比べると美称性に劣るため、滅多に化粧箱には使用しません。
- 黄板紙:わらを原料とした黄土色の板紙
- チップボール:新聞紙等の古紙を原料としたグレーの板紙
- 色板紙:チップボールに色を付けた紙
弊社では、台紙に使用したり、工業品のパッケージで1色の名前だけを印刷するようなパッケージに使用することが多いです。
チップボールを化粧箱に使うことも
最近では環境配慮の観点などから、美装系のパッケージだけど原紙はチップボールを使うということも増えてきました。
現在では、シマノさんのパッケージがそうですし、東京の化粧品メーカーさんもあるブランドではこだわりという形でチップボールをつかったパッケージでブランディングされています。
特殊紙

一番最初に紹介した白板紙(コート)の次にケイパックでよく使う板紙です。
キラキラした化粧箱を作りたいなら、
- ホイル紙
- ホログラム紙
- パール紙
- 蒸着紙
他には、
- 和紙調
- エンボス
- 非木材紙
- その他の柄の入った紙
以上のように、多種多様な特殊紙があります。
用途別・商品別の推奨原紙ガイド
化粧箱の原紙選びは、中に入れる商品の特性や、パッケージに求める高級感、コスト感によって大きく変わります。ここでは、代表的な商品ジャンルごとに適した原紙の選び方をご紹介します。
食品・お菓子のパッケージ
食品やお菓子のパッケージには、清潔感とコストパフォーマンスのバランスが求められます。
・推奨原紙:コートボール紙(裏ネズ)、カードA(裏白)
・理由:大量生産されるお菓子箱などには、コストを抑えられるコートボール紙がよく使われます。ただし、箱の内側(裏面)が食品に直接触れる場合や、開けた時の清潔感を重視する場合は、裏面が白いカードAやカードBが選ばれることも多いです。
化粧品・美容系のパッケージ
化粧品のパッケージは、ブランドイメージを左右するため、高級感や印刷の発色の良さが最優先されます。
・推奨原紙:高級白板紙(アイボリー紙)、特殊紙(パール紙、エンボス紙など)
・理由:アイボリー紙は古紙を含まない純パルプ100%で作られており、表面の平滑性が高く、写真や繊細なデザインの印刷が非常に美しく仕上がります。また、箔押しやエンボス加工との相性も抜群です。
日用品・雑貨のパッケージ
日用品や雑貨のパッケージは、商品の重さや形状に合わせて、強度とコストのバランスを取る必要があります。
・推奨原紙:コートボール紙、片面段ボール(合紙)
・理由:一般的な雑貨であればコートボール紙で十分ですが、重量のある商品(洗剤ボトル、小型家電など)の場合は、コートボール紙に片面段ボールを貼り合わせた「合紙(ごうし)」を使用して強度を高めるのが一般的です。
板紙の「連量(厚さ)」と用途の関係
パッケージ製作において、原紙の種類と同じくらい重要なのが「紙の厚さ」です。印刷業界では、紙の厚さを表す単位として「連量(れんりょう)」や「坪量(つぼりょう)」が使われます。
連量(れんりょう)とは?
連量とは、一定の寸法(四六判など)の紙を1,000枚重ねた時の重さ(kg)のことです。数値が大きいほど、紙が厚く、重くなります。化粧箱の設計では、箱のサイズや中身の重量に合わせて適切な連量を選ぶ必要があります。
化粧箱でよく使われる連量の目安
・270kg〜310kg(厚さ約0.35mm〜0.4mm):小型の化粧箱、軽量なサプリメント箱、お菓子箱など。
・350kg〜400kg(厚さ約0.45mm〜0.5mm):中型の化粧箱、化粧品ボトル、レトルト食品の箱など。一般的なパッケージで最もよく使われる厚さです。
・450kg〜500kg(厚さ約0.6mm〜0.65mm):大型の化粧箱、重量のある瓶入り飲料、ギフト箱など。高い強度が求められる場合に使用されます。
※紙の種類(コートボールかアイボリーか等)によって、同じ連量でも実際の厚み(mm)やコシの強さが異なるため、最終的にはサンプルを作成して確認することをおすすめします。
コートボール紙の詳細解説
パッケージ用の原紙として最もポピュラーな「コートボール紙」について、もう少し詳しく見ていきましょう。
コートボール紙の特徴とメリット
コートボール紙は、表面(印刷面)に白色の塗工(コーティング)が施されており、裏面はねずみ色(グレー)をしているのが特徴です。この裏面の色から「裏ネズ」とも呼ばれます。
最大のメリットは「コストパフォーマンスの高さ」です。裏面や中芯に古紙(新聞紙や雑誌などのリサイクルパルプ)を多く使用しているため、環境に優しく、かつ安価に製造できます。それでいて表面はコーティングされているため、カラー印刷も綺麗に仕上がります。
なぜ裏面がねずみ色なのか?
裏面がねずみ色なのは、古紙パルプを漂白せずにそのまま使用しているためです。箱を組み立ててしまえば裏面(内側)は見えなくなるため、コストを抑えるためにあえて漂白工程を省いています。もし「箱を開けた時に内側がグレーなのは安っぽく見える」という場合は、裏面も白い「カードA」や「カードB」を選ぶことになります。
箱の原紙ついてよくある質問

以下の箱の原紙ついてのよくある質問に、紙のパッケージメーカーとして詳しく回答してみました。
- 化粧箱の原紙によく選ばれる白板紙とは?
- newピジョンの古紙含有率は?
- カードAとカードBの違いは?
順番に見ていきましょう。
化粧箱の原紙によく選ばれる白板紙とは?
白板紙(しろいたがみ)とは、片面(もしくは両面)が白色の板紙のことです。
主に箱や吊り下げ台紙などの用途に使われることが多いです。
チラシ等に使用される「洋紙」より厚手の紙になります。
上記で紹介したコート白板紙・ノーコート板紙も、白板紙に分類されます。
newピジョンの古紙含有率は?
newピジョンはコートカードの一種です。
newピジョンは環境にやさしいリサイクル紙で、色・コシの強さ・平滑性等がパッケージ製作に向いているので、選ばれる方が多い素材です。
カードAとカードBの違いは?
カードAとカードBはどちらもコートカードの一種で、違いは古紙含有率です。
- カードA→古紙含有率40%以上
- カードB→古紙含有率60%以上
どちらも両面白色の紙なので両面印刷が可能ですが、カードBはカードAと比較すると、裏面の発色は良くないと言わざるを得ません。
昔はカードA・カードBというわけ方をよく使っていたのですが、今ではあまり使われていないようです。
化粧箱を作る際は原紙選びから箱のプロにお任せください

今回は、箱を作る際の原紙について詳細にお伝えしました。
選ぶ原紙によって箱の印象も1箱あたりの単価も変わってくるため、パッケージ製作において板紙選びは重要です。
我々のような箱のプロにお任せいただければ、お客様の目線で最適な提案をいたします。
現行品のリニューアル・新製品の製造等々、何かお困りでしたらお気軽にご相談ください。
箱の原紙に関するよくある質問
食品を直接入れる箱にはどの原紙を選べばいいですか?
食品が直接触れる場合は、蛍光染料(蛍光増白剤)を使用していない「特殊板紙」や、食品対応の原紙を選ぶ必要があります。衛生上の問題があるため、蛍光染料を使用した高級板紙は使用できません。
コストを抑えたい場合、どの原紙がおすすめですか?
コストを最優先する場合は「コートボール」がおすすめです。古紙配合率が高く、最も安価に製造できます。裏面がねずみ色になりますが、一般的な商品のパッケージとして広く使われています。
高級感を出したい場合はどの原紙が良いですか?
「アイボリー」や「カードA」がおすすめです。特にアイボリーは古紙を含まないバージンパルプ100%で、コシが強く印刷の仕上がりも非常に美しいため、高級化粧品や贈答品に最適です。
環境に配慮したパッケージを作りたいのですが?
古紙配合率の高い「コートボール」や、FSC認証紙(適切に管理された森林の木材を使用した紙)を選ぶことで、環境に配慮したパッケージを作ることができます。また、非塗工紙(ノーコート)を選んでナチュラルな風合いを活かすのも一つの方法です。

